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哲学的人間学

哲学的人間学
著者 ベルンハルト・グレトゥイゼン
金子 晴勇
菱刈 晃夫
ジャンル 哲学・思想
シリーズ 知泉学術叢書
出版年月日 2021/06/15
ISBN 9784862853387
判型・ページ数 新書・424ページ
定価 本体5,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第1章 序論

第2章 プラトン
 ソクラテスの姿
 ソクラテスと人間たち
 哲学的な生活
 神話的人間
 政治的人間
 両方の人間学的類型
 ソクラテス以後の登場人物

第3章 アリストテレス
 類的存在としての人間
 人間的な形態
 人間的な生命の輪郭
 人間と自然
 生の訓練
 人格性の問題

第4章 ローマ‐ギリシア的生の哲学
 新しい人間学的な立場
 人格性

第5章 プロティノス
 人間と魂
 神話的な人間とその運命

第6章 アウグスティヌス
 生きることへの意志
 意志の妨害
 病める人間
 人間の国
 人間と世界
 宗教的な人間
 新しい人間類型

第7章 近代の人間学の基礎
 人間の自己体験 ペトラルカ
 ペトラルカ,ボッカチオ,ルネサンスの生命哲学

第8章 神話的人間――魂と世界
 フィチーノとピーコ・デッラ・ミランドラ
 ポンポナッツィ
 ルネサンスの人間
 神話的人間学の崩壊
 虚構と現実性
 補遺 フランスにおける神話的人間

第9章 宗教的人間
 神話と信仰
 ニコラウス・クザーヌス
 パラケルスス
 ルター
 此岸と彼岸
 宗教的なわたしとルネサンス人

第10章 人文主義的な人間
 エラスムス
 モンテーニュ
 自分自身への人間の逃避

第11章 近代における人間学的な見方のさらなる形成に向けた展望

解説
訳者あとがき
人名索引

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内容説明

生の哲学者ディルタイの解釈学的方法を活用し,古代からルネサンス近代にいたる人間学の歴史を,原典を踏まえながら考察した名著の待望の翻訳である。
哲学的人間学の主題とは「あなた自身を知りなさい」という自己省察である。それは繰り返し問われる人間の意味と意義,多様な生と生活への新たな認識の試みである。この認識問題は,人びとが問題を生活から立てるか,認識から立てるかにより二種類の意味をもつ。
人間が生活世界に留まり,体験や経験を踏まえながら,生活を見渡し整理して,生活概念を確立する。そこには人間の生に対する典型的な態度が表明される。
他方,哲学や芸術,宗教の世界では,外面的特徴が示され,広大な領域が拓かれている。哲学は「わたしは生きている」ではなく「わたしは考える」を出発点として生命と距離をとり,わたしは誰であるのか,何であるのかを,生命の外部から解明する。宗教は人間にその使命を告知し,生命を超越の場へと連れ出す。
人間学の理想は,自己認識,自己体験,自己の叙述,自己表現を統合し,生の表現の全範囲を包括することである。
人間学への関心が限られているわが国で,今日ほど人間と人文学を結ぶ本書が必要とされる時代はないだろう。

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