ホーム > マックス・シェーラー 思想の核心
目次
凡例
はじめに
第Ⅰ章 時代と学問
1 ワイマール文化とその時代精神
2 生い立ちと略歴および結婚生活
3 フッサール現象学との出会い
第Ⅱ章 価値倫理学とは何か
1 価値優先
2 価値序列の法則
3 倫理的善と愛憎
第Ⅲ章 他者認識の現象学
1 他我の知覚理論に対する批判
2 他者認識のアポリア
3 一体感の現象学的考察
4 他我知覚と体験流
5 人格に対する理解はいかにして可能か
6 超越論的主観性から間主観性へ
第Ⅳ章 身体のシンボル機能
はじめに
1 身体と環境世界
2 身体のシンボル機能と他者の認識
3 羞恥の現象学
4 シェーラーからメルロ=ポンティへ
第Ⅴ章 人格と共同体
はじめに
1 人間と人格
2 人格の成立条件
3 社会的共同と人格
4 人格の三つの層(個別人格・総体人格・秘奥人格)
第Ⅵ章 情緒的生の現象学
はじめに
1 情緒的生の現象学
2 愛憎現象と愛の本質
第Ⅶ章 愛の秩序とその惑乱
はじめに
1 愛の秩序
2 愛と衝動
3 愛と共同感情
4 愛の現象学の現代的意義
第Ⅷ章 ルサンティマンとキリスト教の愛
1 ルサンティマン論
2 キリスト教の愛と認識
3 人格的な愛――神の愛は人格に注がれる
第Ⅸ章 宗教の現象学――霊性・悔恨・良心の現象学的考察
はじめに
1 神認識の可能性について
2 宗教的作用としての霊性
3 宗教的作用について批判的検討
4 悔恨の現象学
5 良心の現象学
第Ⅹ章 現象学的人間学の確立
はじめに
1 新しい人間学の確立
2 世界開放性
3 精神と生命の二元論
4 知識社会学における知識の三形態
付論一 シェーラーとハイデガー
付論二 シェーラーの間主観性学説
あとがき
索引
はじめに
第Ⅰ章 時代と学問
1 ワイマール文化とその時代精神
2 生い立ちと略歴および結婚生活
3 フッサール現象学との出会い
第Ⅱ章 価値倫理学とは何か
1 価値優先
2 価値序列の法則
3 倫理的善と愛憎
第Ⅲ章 他者認識の現象学
1 他我の知覚理論に対する批判
2 他者認識のアポリア
3 一体感の現象学的考察
4 他我知覚と体験流
5 人格に対する理解はいかにして可能か
6 超越論的主観性から間主観性へ
第Ⅳ章 身体のシンボル機能
はじめに
1 身体と環境世界
2 身体のシンボル機能と他者の認識
3 羞恥の現象学
4 シェーラーからメルロ=ポンティへ
第Ⅴ章 人格と共同体
はじめに
1 人間と人格
2 人格の成立条件
3 社会的共同と人格
4 人格の三つの層(個別人格・総体人格・秘奥人格)
第Ⅵ章 情緒的生の現象学
はじめに
1 情緒的生の現象学
2 愛憎現象と愛の本質
第Ⅶ章 愛の秩序とその惑乱
はじめに
1 愛の秩序
2 愛と衝動
3 愛と共同感情
4 愛の現象学の現代的意義
第Ⅷ章 ルサンティマンとキリスト教の愛
1 ルサンティマン論
2 キリスト教の愛と認識
3 人格的な愛――神の愛は人格に注がれる
第Ⅸ章 宗教の現象学――霊性・悔恨・良心の現象学的考察
はじめに
1 神認識の可能性について
2 宗教的作用としての霊性
3 宗教的作用について批判的検討
4 悔恨の現象学
5 良心の現象学
第Ⅹ章 現象学的人間学の確立
はじめに
1 新しい人間学の確立
2 世界開放性
3 精神と生命の二元論
4 知識社会学における知識の三形態
付論一 シェーラーとハイデガー
付論二 シェーラーの間主観性学説
あとがき
索引
内容説明
マックス・シェーラー(1874-1928)は価値倫理学の創始者と言われるが,フッサールに出会い現象学の方法を展開することにより,その研究は人間学から哲学,社会学,心理学,医学,生物学,宗教学など広範な領域にわたった。
彼はカントの人間学を批判し,現代人間学の基礎となる新たな人間学を確立した。生物学をはじめ人間科学の成果を導入し,理性だけに偏らない心情や情緒,そして間-主観的な「愛」の領域と人格,道徳など,生ける真理の探究者として人間を総合的に考察する道を発見していった。
しかし戦後わが国では特にキルケゴール,ハイデガーなど実存思想が注目され,シェーラーへの関心は弱かった。
シェーラーの思索は天才的で洞察的考察に満ち,ワイマール時代の新たな思想と文化の勃興に呼応して,彼も生活に密着しながら生命の深みに挑んだが,54歳で夭折した。
著者は価値倫理学の意義とともに現象学や人間学について,その思想的核心を分りやすく丁寧に紹介し,その後のゲーレンやプレスナー,メルロ=ポンティへと発展した人間学の射程と可能性を明らかにする。
情報化やグローバル化など歴史的転換期を迎える中で,人間学は時代の要請に応える学問として期待されている。今日,家庭・学校・社会で蔓延している悲惨な現実,さらに思想の危機的な貧困から脱出するためにも,有益な一書。
本書は人文学に限らず社会科学や理工学系の生成AIなどに関心をもつ読者にとっても示唆に富む必読書となろう。
彼はカントの人間学を批判し,現代人間学の基礎となる新たな人間学を確立した。生物学をはじめ人間科学の成果を導入し,理性だけに偏らない心情や情緒,そして間-主観的な「愛」の領域と人格,道徳など,生ける真理の探究者として人間を総合的に考察する道を発見していった。
しかし戦後わが国では特にキルケゴール,ハイデガーなど実存思想が注目され,シェーラーへの関心は弱かった。
シェーラーの思索は天才的で洞察的考察に満ち,ワイマール時代の新たな思想と文化の勃興に呼応して,彼も生活に密着しながら生命の深みに挑んだが,54歳で夭折した。
著者は価値倫理学の意義とともに現象学や人間学について,その思想的核心を分りやすく丁寧に紹介し,その後のゲーレンやプレスナー,メルロ=ポンティへと発展した人間学の射程と可能性を明らかにする。
情報化やグローバル化など歴史的転換期を迎える中で,人間学は時代の要請に応える学問として期待されている。今日,家庭・学校・社会で蔓延している悲惨な現実,さらに思想の危機的な貧困から脱出するためにも,有益な一書。
本書は人文学に限らず社会科学や理工学系の生成AIなどに関心をもつ読者にとっても示唆に富む必読書となろう。
関連書籍
関連記事
- 2024年6月27日 東京新聞朝刊に広告を掲載しました。 - 2024.08.29
- 「出版案内 ver.63」ができました。 - 2024.08.29