ホーム > 「自由」の思想史
目次
序論 人間にとって自由とは何か
はじめに
世界史の始まりと意志の力
行為的存在としての人間
意志は自由であるか
Ⅰ 古代社会における人間の地位と自由
はじめに
古代社会の一般的な特性
古代社会の対立する二類型
「閉じた社会」から「開いた社会」へ
古代末期の社会構造
Ⅱ アウグスティヌスの自由意志論
『自由意志論』の内容
『自由意志論』の問題点
自由意志と恩恵――ペラギウス論争の意義
Ⅲ 中世における自由意志と恩恵
概観
ボエティウス,アンセルムス,クレルヴォーのベルナール
トマス・アクィナス
ドゥンス・スコトゥス
オッカムの自由論
Ⅳ ルネサンスと宗教改革の時代――エラスムスとルターの自由意志論争
ルネサンス人文主義
エラスムスの意志論
ルターの意志論
自由意志についての論争
Ⅴ 宗教改革から近代思想にいたる自由論
カルヴァン
アウグスブルグ信仰告白とトリエントの公会議
モリナ・パスカル・デカルト
ライプニッツにおける自由意志と恩恵
Ⅵ 啓蒙時代の人権思想と自由
社会契約説と自由
人権思想とフランス革命
カントの自由論
カントとルター
Ⅶ ヘーゲルと政治的自由
ヘーゲルの『精神現象学』における自由
弁証法とは何か
ヘーゲル『法の哲学』の共同体論
自由の歴史と弁証法
Ⅷ 解体の時代の自由論
解体の時代とは何か
個人主義から個我主義へ
現代のニヒリズムの問題
Ⅸ 近代の主観性から間主観性へ
カントの超越論的主観性と実存哲学の主体性の問題
近代主観性の哲学における他者の喪失と発見
他者はどのように理解されるか
コミュニケーションと対話の意義
対話の哲学――ブーバーとシュトラッサーの学説
Ⅹ 自由の人間学的考察
はじめに
個人と社会との関係
共同社会関係と利益社会関係
人間の社会的行動と自由
秘奥人格としての霊性
意志の自由の諸段階
終章 個性的人格主義と共同律
現代世界の状況と自由の問題
近代人ファウストの自我膨張力
「無形の大衆」とヒトラー
個性的人格主義の意義
三つの意志規定
恩恵に基づく神律的な自由
現代社会における自由
「最高の共同は最高の自由である」と共同律の提唱
付論 真理は自由を与える
あとがき
人名・事項索引
はじめに
世界史の始まりと意志の力
行為的存在としての人間
意志は自由であるか
Ⅰ 古代社会における人間の地位と自由
はじめに
古代社会の一般的な特性
古代社会の対立する二類型
「閉じた社会」から「開いた社会」へ
古代末期の社会構造
Ⅱ アウグスティヌスの自由意志論
『自由意志論』の内容
『自由意志論』の問題点
自由意志と恩恵――ペラギウス論争の意義
Ⅲ 中世における自由意志と恩恵
概観
ボエティウス,アンセルムス,クレルヴォーのベルナール
トマス・アクィナス
ドゥンス・スコトゥス
オッカムの自由論
Ⅳ ルネサンスと宗教改革の時代――エラスムスとルターの自由意志論争
ルネサンス人文主義
エラスムスの意志論
ルターの意志論
自由意志についての論争
Ⅴ 宗教改革から近代思想にいたる自由論
カルヴァン
アウグスブルグ信仰告白とトリエントの公会議
モリナ・パスカル・デカルト
ライプニッツにおける自由意志と恩恵
Ⅵ 啓蒙時代の人権思想と自由
社会契約説と自由
人権思想とフランス革命
カントの自由論
カントとルター
Ⅶ ヘーゲルと政治的自由
ヘーゲルの『精神現象学』における自由
弁証法とは何か
ヘーゲル『法の哲学』の共同体論
自由の歴史と弁証法
Ⅷ 解体の時代の自由論
解体の時代とは何か
個人主義から個我主義へ
現代のニヒリズムの問題
Ⅸ 近代の主観性から間主観性へ
カントの超越論的主観性と実存哲学の主体性の問題
近代主観性の哲学における他者の喪失と発見
他者はどのように理解されるか
コミュニケーションと対話の意義
対話の哲学――ブーバーとシュトラッサーの学説
Ⅹ 自由の人間学的考察
はじめに
個人と社会との関係
共同社会関係と利益社会関係
人間の社会的行動と自由
秘奥人格としての霊性
意志の自由の諸段階
終章 個性的人格主義と共同律
現代世界の状況と自由の問題
近代人ファウストの自我膨張力
「無形の大衆」とヒトラー
個性的人格主義の意義
三つの意志規定
恩恵に基づく神律的な自由
現代社会における自由
「最高の共同は最高の自由である」と共同律の提唱
付論 真理は自由を与える
あとがき
人名・事項索引
内容説明
「自由」は私たちの生活や社会,政治のいろいろな側面で日々問題となっている。内面の自由から外面の自由まで,それぞれの思いでこの言葉は使われる。
人間にとっての自由とは何か。自由はどのような歴史的な経緯で形成されたのか。ヨーロッパから輸入されたこの言葉は,誰もが知っているが,誰も知らない。本書は行為する人間にとっての意志とその自由の本質を解明する。
古代社会における人間の自由から,後世に多大な影響を与えたアウグスティヌスの自由意志論と恩恵との関連を考察する。さらに中世の自由意志と恩恵の問題をボエティウス,アンセルムスをはじめ,ベルナール,トマスやスコトゥス,オッカムの6人の思想家を通して明らかにする。
ルネサンスと宗教改革時代の自由論はルターとエラスムスの自由意志論争に象徴されるが,それらを受けて啓蒙時代には社会契約や人権思想の影響により社会における自由が社会的課題となった。ヘーゲルは歴史と自由を弁証法的に展開し,自由概念を拡張した。そのなかでカントの超越論的主観性に基づく自由論の影響は広範囲に及び,さらに個人主義はエゴイズムやニヒリズムへと変容し,個人の行為および意志と自由は,深刻な課題に直面した。
今日,他者の喪失や対話の困難さを踏まえ,主観性から間主観性への転換のなかで,「自由」のために個性的人格主義と新たな共同体の構想を展開する。現代人必読の書。
人間にとっての自由とは何か。自由はどのような歴史的な経緯で形成されたのか。ヨーロッパから輸入されたこの言葉は,誰もが知っているが,誰も知らない。本書は行為する人間にとっての意志とその自由の本質を解明する。
古代社会における人間の自由から,後世に多大な影響を与えたアウグスティヌスの自由意志論と恩恵との関連を考察する。さらに中世の自由意志と恩恵の問題をボエティウス,アンセルムスをはじめ,ベルナール,トマスやスコトゥス,オッカムの6人の思想家を通して明らかにする。
ルネサンスと宗教改革時代の自由論はルターとエラスムスの自由意志論争に象徴されるが,それらを受けて啓蒙時代には社会契約や人権思想の影響により社会における自由が社会的課題となった。ヘーゲルは歴史と自由を弁証法的に展開し,自由概念を拡張した。そのなかでカントの超越論的主観性に基づく自由論の影響は広範囲に及び,さらに個人主義はエゴイズムやニヒリズムへと変容し,個人の行為および意志と自由は,深刻な課題に直面した。
今日,他者の喪失や対話の困難さを踏まえ,主観性から間主観性への転換のなかで,「自由」のために個性的人格主義と新たな共同体の構想を展開する。現代人必読の書。