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エラスムス『格言選集』

エラスムス『格言選集』
著者 デジデリウス・エラスムス
金子 晴勇 編訳
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2015/09/15
ISBN 9784862852168
判型・ページ数 4-6・202ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 品切れ・重版未定
 

目次

はしがき

1 友人たちのものはすべて共有である(I,i,I)
2 人間は人間にとって神である(I,1,69)
3 人間は人間にとって狼である(I,1,70)
4 悪しき守護霊(I,i,72)
5 魔法の杖(I,1,97)
6 火に油を注ぐ(さらに悪化させる)(I,2,9)
7 フクロウをアテネに持参する(余計なことをする)(I,2,11)
8 白鳥の歌(I,2,55)
9 別世界にいるように(I,2,97)
10 人の数だけ意見がある(I,3,7)
11 好もうと好まざると(手当たり次第)(I,5,45)
12 あなたは棘のある棒を蹴っている(無益な反抗をする)(I,3,46)
13 夢でさえも……でない(I,3,62)
14 一片のパンのために(I,3,77)
15 トゥニカは外套よりも身近である(I,3,89)
16 槍の射程外に(飛び道具の届かぬ所に)(I,3,93)
17 カリュビブスを避けた後,わたしはスキュッラに転落した(I,5,4)
18 煙を避けてわたしは火中に転落した(I,5,5)
19 必要不可欠な悪(I,5,26)
20 魚のように物言わない(I,5,29)
21 自分の影におびえる(I,5,65)
22 靴屋はサンダルを超えてはならない(I,6,16)
23 神は自らを助ける者を助ける(I,6,17)
24 わたしたちを超えているものは,わたしたちには関係がない(I,6,69)
25 汝自身を知れ(I,6,95) 70
26 何事も過度であってはならない(I,6,96) 74
27 酒中に真実あり(I,7,17) 78
28 一羽の燕が夏をもたらさない(早合点は禁物)(I,7,94)
29 盲人が盲人を導く(I,8,40)
30 直ちに与える人は二倍与える(I,8,91)
31 ゆっくり急げ(II,1,1)
32 アルキビアデスのシレノス(III,3,1)
33 習慣は第二の本性(IV,9,25)
34 人間の一生は寄留である(IV,9,25)
35 万事を知るより好ましいものはない(V,1,42)

付論 I, 戦争は体験しない者に快い(VI,1, 1)について
付論 II,『痴愚神礼賛』と格言

あとがき
テキストと現代語訳
エラスムス略年譜

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内容説明

ルネサンスによりギリシア・ローマの古典に関する知識と興味が盛り上がり,古典の叡智とされる格言への関心も高まった。それを象徴するのがエラスムス(1469-1536)の『格言集』で,1500年の初版には818個の格言が収められたが,版を重ねるごとに拡充され,最終版では4151個に及んだ。
人びとはこれらの格言をとおしてギリシア・ローマの古典および聖書の真髄を身につけようと愛読した。当時の広告文には〈古くて,最も有名な格言の選集,あらゆる話や文章に美しさと非凡さをつけ加えるのに効果てきめん〉と宣伝された。エラスムスは格言の意味を説明し,詳細な解説を加えて,古典文学とキリスト教の教えが一致することを示した。
「戦争は体験しない者に快い」では彼の平和論が扱われ,「アルキビアデスのシレノス像」では,外見は野獣面のシレノス神がその心は黄金の神像であるという,人間の内面と外面との矛盾を修辞学的に表現し,「ゆっくり急げ」はケーベル博士が座右の銘としたことでも有名である。本書はそれら代表的な格言を選び,エラスムス『格言集』の大略と思想的特徴を紹介する。

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