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目次
はじめに――「自己とは何か」という問の意味
Ⅰ 人間学とはどのような学問か
1 科学時代における人間の問題
2 カントの問い
3 シェーラーの人間学的な問い
4 人間学的原理
Ⅱ 自己認識の変化
はじめに
1 人間についての「説明」と「理解」
2 自己認識の歴史的変化
3 ギリシア人の人間観――神話時代の人間観(ホメロスとへシオドス)
4 ヘブライ人の人間観
5 ヨーロッパ人の人間観
6 日本人の人間観
Ⅲ 人間についての物語――物語の人間学
1 ギリシア悲劇における人間観
2 プラトンの人間神話
3 二つの愛の物語
4 アウグスティヌスの回心物語
5 ルターにおける神とサタンの闘争物語
6 ゲーテの『ファウスト』
7 ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』
8 シャミッソーの『ペーター・シュレミールの不思議な物語』
9 漱石の『こころ』
Ⅳ 哲学的人間学の成立
1 カントの人間学
2 シェーラーの人間学
3 プレスナーの人間学
4 ゲーレンの人間学
5 メルロ=ポンティの現象学的人間学
Ⅴ 人間学的区分法
1 哲学的な二区分法――伝統的な哲学的区分法
2 キリスト教的三区分法
3 カント認識論における三分法
4 マックス・シェーラーの機能的区分法
5 近代ヨーロッパ的霊性の源流
Ⅵ 対話による人間形成
1 邂逅における解体と新生
2 対話による生の高揚
3 人間の成熟と邂逅の弁証法
Ⅶ 人間学の現代的意義
1 人間と人格
2 心の働きの深さと射程
3 霊性の機能的研究の意義
4 宗教心の人間学的解明
Ⅷ 人間学の研究方法――シェーラーとディルタイからリクールまで
はじめに
1 シェーラーの解釈学的人間学
2 ディルタイの解釈学的方法
3 ガダマーの解釈学と作用史的方法
4 リクールと解釈学的人間学
付論 人間学の学び方
1 人間学の方法について
2 魂と身体について
3 人間科学と哲学的人間学
あとがき――回顧と展望
索引
Ⅰ 人間学とはどのような学問か
1 科学時代における人間の問題
2 カントの問い
3 シェーラーの人間学的な問い
4 人間学的原理
Ⅱ 自己認識の変化
はじめに
1 人間についての「説明」と「理解」
2 自己認識の歴史的変化
3 ギリシア人の人間観――神話時代の人間観(ホメロスとへシオドス)
4 ヘブライ人の人間観
5 ヨーロッパ人の人間観
6 日本人の人間観
Ⅲ 人間についての物語――物語の人間学
1 ギリシア悲劇における人間観
2 プラトンの人間神話
3 二つの愛の物語
4 アウグスティヌスの回心物語
5 ルターにおける神とサタンの闘争物語
6 ゲーテの『ファウスト』
7 ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』
8 シャミッソーの『ペーター・シュレミールの不思議な物語』
9 漱石の『こころ』
Ⅳ 哲学的人間学の成立
1 カントの人間学
2 シェーラーの人間学
3 プレスナーの人間学
4 ゲーレンの人間学
5 メルロ=ポンティの現象学的人間学
Ⅴ 人間学的区分法
1 哲学的な二区分法――伝統的な哲学的区分法
2 キリスト教的三区分法
3 カント認識論における三分法
4 マックス・シェーラーの機能的区分法
5 近代ヨーロッパ的霊性の源流
Ⅵ 対話による人間形成
1 邂逅における解体と新生
2 対話による生の高揚
3 人間の成熟と邂逅の弁証法
Ⅶ 人間学の現代的意義
1 人間と人格
2 心の働きの深さと射程
3 霊性の機能的研究の意義
4 宗教心の人間学的解明
Ⅷ 人間学の研究方法――シェーラーとディルタイからリクールまで
はじめに
1 シェーラーの解釈学的人間学
2 ディルタイの解釈学的方法
3 ガダマーの解釈学と作用史的方法
4 リクールと解釈学的人間学
付論 人間学の学び方
1 人間学の方法について
2 魂と身体について
3 人間科学と哲学的人間学
あとがき――回顧と展望
索引
内容説明
人間とは何か,自己とは何かを問うことが人間学である。
人間学は,身体・環境・言語・心理・倫理・社会・文化・歴史・宗教など広範で具体的な世界との関連のなかで,人間に関する諸科学の成果を受け容れながら,人間の全体的構成を考察し,その全体像を構築する。
歴史の強力な磁場から発せられる問いと,自己の生から発せられる問いが,緊張と葛藤を通して認識と行為を促していく姿こそ,人間学の基盤と言える。
人間学はカントやメーヌ・ド・ビランが提起してきたが,20世紀に入り生物学の発展によって研究は次第に成熟し,マックス・シェーラーの『宇宙における人間の地位』(1928年)で初めて体系的な形式を獲得した。それに続き彼の同僚プレスナーがいっそう広汎な著作『有機体の諸段階と人間―哲学的人間学入門』を発表して,人間存在を全体的に考察する新しい学問を一気に軌道に乗せた。
そして現代の飛躍的な先端科学の発展により,生物学・医学・心理学・言語学・社会学・歴史学・政治学・経済学などの成果を受容しつつ人間学は新たな展開に挑んでいる。
本書は,自己認識の視点から,身心論を分析し,ヨーロッパ思想史の固有性,そして古典などの作品を通して「汝自身を知る」意味を明らかにする。また人間学の歴史や具体的な方法論とその意義についても分かりやすく紹介。哲学思想分野だけでなく自然科学や工学に関心をもつ読者にも読んでもらいたい優れた人間学入門である。
人間学は,身体・環境・言語・心理・倫理・社会・文化・歴史・宗教など広範で具体的な世界との関連のなかで,人間に関する諸科学の成果を受け容れながら,人間の全体的構成を考察し,その全体像を構築する。
歴史の強力な磁場から発せられる問いと,自己の生から発せられる問いが,緊張と葛藤を通して認識と行為を促していく姿こそ,人間学の基盤と言える。
人間学はカントやメーヌ・ド・ビランが提起してきたが,20世紀に入り生物学の発展によって研究は次第に成熟し,マックス・シェーラーの『宇宙における人間の地位』(1928年)で初めて体系的な形式を獲得した。それに続き彼の同僚プレスナーがいっそう広汎な著作『有機体の諸段階と人間―哲学的人間学入門』を発表して,人間存在を全体的に考察する新しい学問を一気に軌道に乗せた。
そして現代の飛躍的な先端科学の発展により,生物学・医学・心理学・言語学・社会学・歴史学・政治学・経済学などの成果を受容しつつ人間学は新たな展開に挑んでいる。
本書は,自己認識の視点から,身心論を分析し,ヨーロッパ思想史の固有性,そして古典などの作品を通して「汝自身を知る」意味を明らかにする。また人間学の歴史や具体的な方法論とその意義についても分かりやすく紹介。哲学思想分野だけでなく自然科学や工学に関心をもつ読者にも読んでもらいたい優れた人間学入門である。
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