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スコットランド啓蒙の社会理論
知泉学術叢書27
著者 | クリストファー・J・ベリー 著 坂本 達哉 訳 壽里 竜 訳 |
---|---|
ジャンル | 哲学・思想 |
シリーズ | 知泉学術叢書 |
出版年月日 | 2023/11/15 |
ISBN | 9784862853943 |
判型・ページ数 | 新書・508ページ |
定価 | 本体6,200円+税 |
在庫 | 在庫あり |
目次
日本語版への序
序文
略記号
第1章 啓蒙とスコットランド
1 啓蒙
2 18世紀スコットランド
(ⅰ) 政治
(ⅱ) 経済
(ⅲ) 教会
(ⅳ) 大学
(ⅴ) 「時代の精神」
第2章 社会性と個人主義批判
1 証拠
2 社会性の説明
(ⅰ) 本能
(ⅱ) 家族
(ⅲ) 友情と忠誠
3 個人主義の批判
(ⅰ) 自然状態と社会契約
(ⅱ) 時間,習慣,そして正統性
(ⅲ) 立法者の批判
4 意図せざる結果と目的合理性の格下げ
(ⅰ) 社会的複雑性
(ⅱ) ファーガソンと「対立」
(ⅲ) スミスと「見えない手」
(ⅳ) 摂理と楽観
5 結論
第3章 科学,説明,歴史
1 ベイコン主義
2 因果的説明
(ⅰ) 物語の連結
(ⅱ) 偶然性と規則性
(ⅲ) ヒュームの因果論
(ⅳ) スミスと科学史
3 推測的歴史
(ⅰ) 源泉と方法
(ⅱ) 歴史の範囲
(ⅲ) 歴史の形
(ⅳ) 歴史の本質
(ⅴ) 歴史の諸前提
4 結論
第4章 社会の多様性
1 相対主義
2 道徳的および物理的原因
(ⅰ) 説明と記述
(ⅱ) 物理的原因
(ⅲ) 道徳的諸原因
(ⅳ) 進歩とその二つの原因
3 結論
第5章 社会の歴史
1 ロック,経験主義,原始的心理学
2 所有権と四段階理論
3 身分
(ⅰ) 服従の社会心理学
(ⅱ) 中流身分
4 統治(政府)と権威
(ⅰ) 義務と革命
5 生活様式と女性
6 結論
第6章 商業社会
1 繁栄
(ⅰ) 分業
(ⅱ) 貧困の悲惨さ
2 自由,正義,法の支配
(ⅰ) 商業の出現
(ⅱ) 市場と法の支配
(ⅲ) 商業と国制
(ⅳ) 近代的自由
(ⅴ) 正義
3 商業,徳,腐敗
(ⅰ) 正義と仁愛
(ⅱ) 私的な仕事と公共の活動
(ⅲ) 人間性と勇気
(ⅳ) 奢侈論争
(ⅴ) 「疎外」と分業
(ⅵ) 民兵論と分業
(ⅶ) 公信用
4 結論
第7章 社会的価値
1 道徳理論
(ⅰ) 文脈
(ⅱ) ハチソンと道徳感覚
(ⅲ) ヒューム,共感,正義
(ⅳ) スミス,共感,公平な観察者
(ⅴ) 良心
2 宗教
(ⅰ) 宗教の自然史
(ⅱ) 無知と信念
(ⅲ) 迷信と聖職者の政略
(ⅳ) 奇跡,摂理,設計
3 趣味
(ⅰ) 趣味の基準
(ⅱ) 批評家と権威
(ⅲ) 生活様式と文学
4 結論
第8章 スコットランド啓蒙を読み解く
1 説明的読解
(ⅰ) イデオロギー的読解
(ⅱ) 文化的読解
(ⅲ) 知性的読解
2 意義の読解
(ⅰ) 社会学
(ⅱ) 自由主義
解説
文献目録
索引
序文
略記号
第1章 啓蒙とスコットランド
1 啓蒙
2 18世紀スコットランド
(ⅰ) 政治
(ⅱ) 経済
(ⅲ) 教会
(ⅳ) 大学
(ⅴ) 「時代の精神」
第2章 社会性と個人主義批判
1 証拠
2 社会性の説明
(ⅰ) 本能
(ⅱ) 家族
(ⅲ) 友情と忠誠
3 個人主義の批判
(ⅰ) 自然状態と社会契約
(ⅱ) 時間,習慣,そして正統性
(ⅲ) 立法者の批判
4 意図せざる結果と目的合理性の格下げ
(ⅰ) 社会的複雑性
(ⅱ) ファーガソンと「対立」
(ⅲ) スミスと「見えない手」
(ⅳ) 摂理と楽観
5 結論
第3章 科学,説明,歴史
1 ベイコン主義
2 因果的説明
(ⅰ) 物語の連結
(ⅱ) 偶然性と規則性
(ⅲ) ヒュームの因果論
(ⅳ) スミスと科学史
3 推測的歴史
(ⅰ) 源泉と方法
(ⅱ) 歴史の範囲
(ⅲ) 歴史の形
(ⅳ) 歴史の本質
(ⅴ) 歴史の諸前提
4 結論
第4章 社会の多様性
1 相対主義
2 道徳的および物理的原因
(ⅰ) 説明と記述
(ⅱ) 物理的原因
(ⅲ) 道徳的諸原因
(ⅳ) 進歩とその二つの原因
3 結論
第5章 社会の歴史
1 ロック,経験主義,原始的心理学
2 所有権と四段階理論
3 身分
(ⅰ) 服従の社会心理学
(ⅱ) 中流身分
4 統治(政府)と権威
(ⅰ) 義務と革命
5 生活様式と女性
6 結論
第6章 商業社会
1 繁栄
(ⅰ) 分業
(ⅱ) 貧困の悲惨さ
2 自由,正義,法の支配
(ⅰ) 商業の出現
(ⅱ) 市場と法の支配
(ⅲ) 商業と国制
(ⅳ) 近代的自由
(ⅴ) 正義
3 商業,徳,腐敗
(ⅰ) 正義と仁愛
(ⅱ) 私的な仕事と公共の活動
(ⅲ) 人間性と勇気
(ⅳ) 奢侈論争
(ⅴ) 「疎外」と分業
(ⅵ) 民兵論と分業
(ⅶ) 公信用
4 結論
第7章 社会的価値
1 道徳理論
(ⅰ) 文脈
(ⅱ) ハチソンと道徳感覚
(ⅲ) ヒューム,共感,正義
(ⅳ) スミス,共感,公平な観察者
(ⅴ) 良心
2 宗教
(ⅰ) 宗教の自然史
(ⅱ) 無知と信念
(ⅲ) 迷信と聖職者の政略
(ⅳ) 奇跡,摂理,設計
3 趣味
(ⅰ) 趣味の基準
(ⅱ) 批評家と権威
(ⅲ) 生活様式と文学
4 結論
第8章 スコットランド啓蒙を読み解く
1 説明的読解
(ⅰ) イデオロギー的読解
(ⅱ) 文化的読解
(ⅲ) 知性的読解
2 意義の読解
(ⅰ) 社会学
(ⅱ) 自由主義
解説
文献目録
索引
内容説明
「スコットランド啓蒙」とは,ヒューム『人間本性論』からスミス『道徳感情論』の刊行に至る1740-90年までの半世紀,中でも1750年から75年までを「中核」とする40名に及ぶ幅広い思想家の作品群によって構成された概念で,社会思想の観点から啓蒙の時代と精神を解明する。
「社会理論」とは,歴史の理論化作業,政治的・経済的著作,道徳哲学,スコットランド人の「文化的」争点等についての一般的で包括的な関心を意味する。これら多様な哲学,政治,経済,歴史,宗教,文化等の諸領域の相互依存的な関係を横断的・有機的に考察することがスコットランド啓蒙の最大の特徴である。その中心にある「四段階理論」では,文明化した狩猟・採取→牧畜→農業→商工業の四段階の発展理論を展開している。
本書はスコットランド啓蒙の定義に始まり(1章),17世紀的な個人主義と理性主義を批判して,人間の諸制度と行為の正しい理解を示し(2章),さらに科学革命を発展的に継承したヒュームの因果論と推測的歴史論を探究した(3章)。次に普遍的な人間本性から多様な国民性を説明し(4章),文明社会の歴史と社会制度が複雑に進化するのを考察(5章),商業社会によるそれ以前の社会状態の改善を,欠点も含めて検討し(6章),そして宗教と趣味,文化が,これまでの議論にとり不可欠なことを解明する(7章)。最後に研究史の多様な解釈を概観する(8章)。世界的研究者による類のない画期的な概説書である。
「社会理論」とは,歴史の理論化作業,政治的・経済的著作,道徳哲学,スコットランド人の「文化的」争点等についての一般的で包括的な関心を意味する。これら多様な哲学,政治,経済,歴史,宗教,文化等の諸領域の相互依存的な関係を横断的・有機的に考察することがスコットランド啓蒙の最大の特徴である。その中心にある「四段階理論」では,文明化した狩猟・採取→牧畜→農業→商工業の四段階の発展理論を展開している。
本書はスコットランド啓蒙の定義に始まり(1章),17世紀的な個人主義と理性主義を批判して,人間の諸制度と行為の正しい理解を示し(2章),さらに科学革命を発展的に継承したヒュームの因果論と推測的歴史論を探究した(3章)。次に普遍的な人間本性から多様な国民性を説明し(4章),文明社会の歴史と社会制度が複雑に進化するのを考察(5章),商業社会によるそれ以前の社会状態の改善を,欠点も含めて検討し(6章),そして宗教と趣味,文化が,これまでの議論にとり不可欠なことを解明する(7章)。最後に研究史の多様な解釈を概観する(8章)。世界的研究者による類のない画期的な概説書である。
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