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目次
日本語版への序言
まえがき
第一章 序説――主題の設定
連続と変化――スミスとステュアート/重商主義/重商主義の言語/本書の内容
第二章 重商主義をめぐる論争
概念の発明/歴史的反応/エリ・ヘクシャー/豊富か力か/重商主義の経済史/ケインズと重商主義/レント・シーキング社会としての重商主義/開発と低開発
第三章 重商主義の言説の誕生
1620年代の議論/過程としての経済/高利の貪り/重商主義の言説
第四章 17世紀の議論
17世紀のブリテン/経済論議/1640-90年における経済論議の論題/規制会社と自由貿易/順調差額/利子率/貨幣
第五章 交易の科学
ジョサイア・チャイルド(1630-99年)/ニコラス・バーボン(1640-98年)/チャールズ・ダヴナント(1656-1714年)/ジョン・ロック(1632-1704年)/サイモン・クレメント(?-1720年)/ウィリアム・ペティ(1623-87年)/連続と変化/外国の支払う所得/衰退
第六章 力と豊富――順調貿易差額
力と豊富/富の創造/順調貿易差額/流動資産としての貨幣/王国の蓄えの増加/外国の支払う所得/差額論の回顧
第七章 他の諸国
フランス
ジャン・ボーダン(1530-96年)/バルテルミー・ラフェマス(1545-1611年)/アントワーヌ・ドゥ・モンクレチアン (1575?-1621年)
ドイツ諸邦
ファイト・ルートヴィッヒ・フォン・ゼッケンドルフ (1626-92年)/ヨハン・ヨーアヒム・ベッヒャー(1625-82年)/フィーリップ・ヴィルヘルム・フォン・ホルニク (1638-1712年)/ヴィルヘルム・フォン・シュレーダー (1640-88年)
他の諸国
第八章 結 語
訳者あとがき
まえがき
第一章 序説――主題の設定
連続と変化――スミスとステュアート/重商主義/重商主義の言語/本書の内容
第二章 重商主義をめぐる論争
概念の発明/歴史的反応/エリ・ヘクシャー/豊富か力か/重商主義の経済史/ケインズと重商主義/レント・シーキング社会としての重商主義/開発と低開発
第三章 重商主義の言説の誕生
1620年代の議論/過程としての経済/高利の貪り/重商主義の言説
第四章 17世紀の議論
17世紀のブリテン/経済論議/1640-90年における経済論議の論題/規制会社と自由貿易/順調差額/利子率/貨幣
第五章 交易の科学
ジョサイア・チャイルド(1630-99年)/ニコラス・バーボン(1640-98年)/チャールズ・ダヴナント(1656-1714年)/ジョン・ロック(1632-1704年)/サイモン・クレメント(?-1720年)/ウィリアム・ペティ(1623-87年)/連続と変化/外国の支払う所得/衰退
第六章 力と豊富――順調貿易差額
力と豊富/富の創造/順調貿易差額/流動資産としての貨幣/王国の蓄えの増加/外国の支払う所得/差額論の回顧
第七章 他の諸国
フランス
ジャン・ボーダン(1530-96年)/バルテルミー・ラフェマス(1545-1611年)/アントワーヌ・ドゥ・モンクレチアン (1575?-1621年)
ドイツ諸邦
ファイト・ルートヴィッヒ・フォン・ゼッケンドルフ (1626-92年)/ヨハン・ヨーアヒム・ベッヒャー(1625-82年)/フィーリップ・ヴィルヘルム・フォン・ホルニク (1638-1712年)/ヴィルヘルム・フォン・シュレーダー (1640-88年)
他の諸国
第八章 結 語
訳者あとがき
内容説明
重商主義をめぐる論争や解釈は経済学者や歴史家が自分の好みにもとづき重商主義を弄んできた歴史と言える。スミスに始まる古典派経済学は重商主義が貨幣と富を混同し,順調貿易差額を追求する誤謬を犯したと批判し,ドイツ歴史派経済学は国民国家の建設と経済の近代化をめざすプログラムと定義した。ヘクシャーは多様な解釈を試みたが,かえって重商主義の包括的理解の困難を示すことになり,ケインズは完全雇用が重商主義の目的であると評価した。
著者はこれらの自説弁論のための口実として重商主義が用いられることを批判,〈言説史〉の方法視角から17-18世紀の小冊子や書物のテクストを時代に即して考察し,学史上の重商主義言説の意義・内容・貢献を解明する。イギリスを始めヨーロッパ諸国の文献を検討し,重商主義とはイギリスにおける交易と経済に関する学識,言説であるとした。それは経済現象を考察するための「一揃いの共通性をもつ,問い,語,概念,解釈のための枠組み」で,独特の言語方式・理論であることを実証した。
現代の重商主義研究の第一人者による成果は,学説史家のみならず経済史や現代の経済現象に向き合う理論家にとっても,示唆に富んだ必読文献となろう。
著者はこれらの自説弁論のための口実として重商主義が用いられることを批判,〈言説史〉の方法視角から17-18世紀の小冊子や書物のテクストを時代に即して考察し,学史上の重商主義言説の意義・内容・貢献を解明する。イギリスを始めヨーロッパ諸国の文献を検討し,重商主義とはイギリスにおける交易と経済に関する学識,言説であるとした。それは経済現象を考察するための「一揃いの共通性をもつ,問い,語,概念,解釈のための枠組み」で,独特の言語方式・理論であることを実証した。
現代の重商主義研究の第一人者による成果は,学説史家のみならず経済史や現代の経済現象に向き合う理論家にとっても,示唆に富んだ必読文献となろう。