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重商主義の経済学

重商主義の経済学
著者 ラース・マグヌソン
玉木 俊明
ジャンル 経済学
出版年月日 2017/05/10
ISBN 9784862852571
判型・ページ数 A5・384ページ
定価 本体6,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

著者紹介
日本語版への序文
はじめに

序章
 重商主義
 言語
 本書の内容

第一章 重商主義をめぐる論争
 歴史的反応
 ヘクシャー
 豊かさか国力か
 重商主義の経済史
 ケインズと重商主義
 レントシーキング社会としての重商主義
 開発と低開発
 シュモラーへの回帰か
 重商主義再考――その方向づけ

第二章 豊かさと国力
 他国の水域での漁業
 ナポリ王国
 スペイン
 フランス
 ドイツ諸邦
 ルートヴィヒ・フォン・ゼッケンドルフ(1626-92)
 ヨハン・ヨアヒム・ベッヒャー(1635-82)
 フィリップ・ヴィルヘルム・フォン・ヘルニク(1640-1714)
 ヴィルヘルム・フォン・シュレーダー(1640-88)

第三章 貿易差額説
 富の創出
 国王の財源における貨幣
 インフレーションへの支持
 流動資産としての貨幣
 王国のストックの増加
 外国が支払う所得
 衰退
 貿易差額主義の回顧

第四章 1620年代の論争
 1620年代の論争
 市場の過程
 高利の問題
 新たな転機か

第五章 新しい貿易の科学
 17世紀のイングランド
 貿易と経済に関する論争
 【論争のトピック 1640-90年】
 規制会社と自由貿易
 利子率
 貨幣
 新しい貿易の科学
 ジョサイア・チャイルド(1630-99)
 ニコラス・バーボン(1640-98)
 チャールズ・ダヴナント(1656-1714)
 ジョン・ロック(1632-1704)
 サイモン・クレメント(-1720)
 ウィリアム・ペティ(1623-87)
 連続性と変化

第六章 重商主義とは何か

訳者あとがき
原注
索引

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内容説明

重商主義とは,「人を欺く言葉であり,理論や実践,政策に関して一貫性を欠く実在しない観念的存在で」,「混乱をもたらす様々な方法を用い,多数の目的に使われ」,それは「不幸な言葉」「国家形成の教義」「自由貿易システムと正反対のもの」さらに「特徴的政策は保護主義と経済の国家管理」等々,多くの見解が生じた。

「重商主義とは何か?」 それは書物,手引,小冊子,パンフレット,年鑑などにより,政治的な議論から商業,貿易,海運業,製造業の利益の役割,外国の熟練労働者の移住,利子率の低下と事業への刺激,いかに国家を豊かにするかといった広範な問題群を扱った。

著者は重商主義を16-18世紀の近世に出現した一連の言説として捉え,国力と豊かさとの関係が課題であったとする。経済成長,貿易の展開,運輸と金融の発展,市場経済,独占,国家形成などを背景に形成された重商主義を,経済学説史と経済史の両面から考察,イギリスを中心に,ナポリ王国,スペイン,ドイツ諸邦,フランスなどの実情を検討し,その歴史と理論を解明する。

わが国の重商主義研究はマルクス主義の枠組みが主流だったが,本書は重商主義が近代経済学の基礎を築いたとして,各分野の研究者に多くの新鮮な視点を提供する。

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