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スウェーデン絶対王政研究

財政・軍事・バルト海帝国

スウェーデン絶対王政研究
著者 入江 幸二
ジャンル 歴史
出版年月日 2005/12/25
ISBN 9784901654623
判型・ページ数 A5・304ページ
定価 本体5,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序 論
 1 近世ヨーロッパとスウェーデン
 2 スウェーデン絶対王政と「バルト海帝国」

第1章 大国時代の諸相
 1 経済の趨勢
 2 行政機構の拡大と大貴族
 3 大貴族・諸身分・絶対王政
 4 本国と地方

第2章 17世紀中葉の財政問題
 1 王領地の減少
 2 租税体系と諸身分
 3 四分の一回収政策

第3章 スコーネ戦争と戦時財政
 1 スコーネ戦争
 2 兵士の調達
 3 戦費の調達

第4章 財政・軍事の再編と絶対王政
 1 戦時下の議会
 2 改革の準備
 3 1680年議会
 4 改革の進展

第5章 絶対王政の王権理念
 1 中世と17世紀前半の王権理念
 2 17世紀後半の王権理念
 3 絶対王政の王権理念

第6章 絶対王政の王権儀礼
 1 カール12世の即位式
 2 式次第の分析
 3 即位式変更の意図

第7章 エストランドと王領地回収政策
 1 研究史
 2 エストランドの編入と土地問題
 3 エストランドへの王領地回収政策の導入

補章 近世農民をめぐる研究
 1 議会と農民
 2 農民と国家
 3 フィンランドから見た大国時代

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内容説明

17世紀ヨーロッパは諸国家間の角逐により大国化への道を歩んでいたが,スウェーデンは幾多の戦争を通して絶対王政を成立させるとともにフィンランド以外にも北ドイツやバルト海東岸地域にまで領土を拡張し〈バルト海帝国〉を形成していった。
本書はスウェーデンが軍事国家として強大化していくプロセスを財政と軍事の両面から考察し,その背景にある貴族,聖職者,市民,農民など諸身分間の複雑な利害関係を通して,絶対王政がそれら諸勢力のバランスの上に成り立っていたことを明らかにする。
従来のスウェーデン史研究はバイキング時代と現代に関するものが圧倒的に多い。高度な福祉国家として知られるスウェーデンが近代の初期に軍事国家としての経験をもち,農民もふくむ多くの社会階層の政治参加を早くから実現させていたことを明らかにした本書は,他のヨーロッパ諸国との比較研究の素材を提供するとともに,北欧をはじめ新たなヨーロッパ理解のための貴重な一書となろう。

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