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デカルト『方法序説』注解

デカルト『方法序説』注解
著者 ニコラ・ポワソン
山田 弘明
クレール・フォヴェルグ
今井 悠介
ジャンル 哲学・思想
シリーズ 知泉学術叢書
出版年月日 2022/12/15
ISBN 9784862853752
判型・ページ数 新書・310ページ
定価 本体3,600円+税
在庫 在庫あり
 

目次

献呈書簡
読者へのはしがき
デカルト氏の『方法序説』からの抜粋

ルネ・デカルト氏の『方法序説』への注解ないし注釈

第一部
 考察I 「理性を正しく導く…ための方法序説」
 考察II 「むしろそれは,よく判断する…能力が平等であることを示している」
 考察III 「私はといえば,私の精神が…と思ったことは一度もない」
 考察IV 「私は,理性が各人のうちに完全な形で備わっていると信じたいのであり…従いたいのである」
 考察V 「恐れずにいえば,私の場合はたいへん幸運であったと思っている…」
 考察VI 「だが,私はこの書物を一つの物語として…提出するのみであり」
 考察VII 「だが,学校でみんなが取り組む学習を私は尊重しないわけではなかった…」
 考察VIII 「私はわれわれの神学を尊重していたし…熱望することでは人後に落ちなかった」
 考察IX 「次にその他の学問については,それらは…であるので」
 考察X 「それらが約束する名誉も利益も…」
 考察XI 「そして最後にあの悪しき学説については…」
 考察XII 「私の青年時代の残りを,旅をすることに費やした」
 考察XIII 「ある日私は,私自身においても研究しようと決心した」

第二部
 考察I 「私はその当時ドイツにいた。その地の戦いの機運が…」
 考察II 「私の仕事が私に十分気に入り,ここでそのモデルをお目にかけるにしても…」
 考察III 「まだ若かった頃,私は哲学の諸部門のうちでは…を学んだ」
 考察IV デカルト氏の論理学の第一規則について「第一の規則は,…どんなものも決して受け入れないことであった」
 考察V デカルト氏の論理学の第二規則について「第二に,諸問題のおのおのを…部分に分けること」
 考察VI デカルト氏の論理学の第三規則について「第三は,私の思考を順序に従って導くこと…」
 考察VII デカルト氏の論理学の最後の規則について「最後に,完全な枚挙をすべての場合に行うこと…」
 考察VIII 「これらのまったく単純な推論の長い鎖…。この点で私がそれほど自惚れているとはおそらく見えないであろう」

第三部
 考察I デカルト氏の道徳の第一格率について「第一は法律と習慣とに従うことであった…」
 考察II 「神の恵みによって与えられた宗教をつねにもち続け…」
 考察III 「その他のすべての点で最も穏健な意見…に従って私を導くこと」
 考察IV 「私の第二の格率は最も確固としている…ことであった」
 考察V 「私の第三の格率は,むしろ…に努めることであった」

第四部
 考察I 「…について語るべきかどうか私には分からない」
 考察II 「このことは哲学者たちさえもが…としていることから,大変明らかである」

第五部
 考察I 「私はこのまま話を続け,…をお見せできれば大変うれしい」
 考察II 「しかし,どういう仕方で…を見てもらえるように」
 考察III 「それは…人には決して奇妙には思われないであろう」

第六部
 考察I 「さて今から3年前,私はその論文を書き終えた」
 考察II 「『屈折光学』…のはじめで述べたいくつかの問題…」
 考察III 「だからといって,私が循環論を犯していると想像してはならない」
 考察IV 「私はまた自分がそのいくつかのものの最初の発見者であると誇っているのではなく…」

獣の魂に関する友人の書簡への答弁

原書による索引
原書によるあとがき
訳者解説

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内容説明

「近代哲学の祖」デカルト(1596–1650)の『方法序説』(1637)は刊行当時どのように受け止められていたのか。
本書は,オラトリオ会の修道士ニコラ・ポワソン(1637–1710)により1670年に出版された注解であり,最初の総合的なデカルト研究の書である。
本書は,『方法序説』の各部から問題となる文章にスポットを当て注解する。
第一部はデカルトの新しい論理学とアリストテレス・スコラ学や近世初期の論理学とを比較検討する。
第二部は規則とはなにか,類比的な媒名辞とはなにか,三段論法と分析・総合といった「方法」に関して取り上げる。
第三部はデカルトの道徳の格率が修道士の誓願に反するのではないかという非難に答える。
第四部は,デカルトの形而上学に関わるオランダでの紛争に触れ,「あらかじめ感覚になかったものは知性のうちにはない」というスコラの原則を批判的に吟味する。
第五部は,血液循環説と,動物には魂がないとする説(動物機械論)の肯定的な吟味がなされる。
第六部は,ガリレイをめぐる地動説への異端審問をどう捉えるか,自然学における「仮説」と論証を論じる。
本書は同時代人の関心や解釈の率直な記録としてデカルト哲学に新たな光を当てるとともに,また原本が失われた『精神指導の規則』の未知のテキストの一節を紹介するなど,近年,重要性が着目されている第一級資料の本邦初訳。

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