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内容説明
17世紀を代表する4人の思想家,デカルト,マルブランシュ,スピノザ,ライプニッツにとって,真理とは何か? そこに至る道は如何なるものであったか?
かれらは人間理性の立場から,理由の系列として体系を構成するとともに,「まったき私」と「無限」という思索圏のなかで近代合理主義哲学を形成した。
しかしヒューム,カントを介して,その内容は大幅な変容を被り,それが今日の哲学史として定着している。
それは主に4つの点で,近代合理主義を変質させるものであった。まず存在(である)と当為(べきである)が分離されたこと,次に本質(である)と実在(がある)の区別が完全に正当化されたこと,3つ目に私という知恵の主体が「知覚の束」ないし「超越論的自我」という視点のために制約され,私をあなたと等分に見据えることが不可能になったこと,そして最後に「原因」概念を物質的現象に限定してしまったことである。
かくして,現代哲学は相対主義という哲学的閉塞状況に陥ってしまった。本書はそのような歴史認識を背景に,第一線で活躍する11名の研究者が日仏哲学会のシンポジウムを踏まえて,数年にわたり哲学の新たな可能性を探究した成果を世に問うものである。
かれらは人間理性の立場から,理由の系列として体系を構成するとともに,「まったき私」と「無限」という思索圏のなかで近代合理主義哲学を形成した。
しかしヒューム,カントを介して,その内容は大幅な変容を被り,それが今日の哲学史として定着している。
それは主に4つの点で,近代合理主義を変質させるものであった。まず存在(である)と当為(べきである)が分離されたこと,次に本質(である)と実在(がある)の区別が完全に正当化されたこと,3つ目に私という知恵の主体が「知覚の束」ないし「超越論的自我」という視点のために制約され,私をあなたと等分に見据えることが不可能になったこと,そして最後に「原因」概念を物質的現象に限定してしまったことである。
かくして,現代哲学は相対主義という哲学的閉塞状況に陥ってしまった。本書はそのような歴史認識を背景に,第一線で活躍する11名の研究者が日仏哲学会のシンポジウムを踏まえて,数年にわたり哲学の新たな可能性を探究した成果を世に問うものである。