ホーム > 数学あるいは存在の重み
内容説明
本書はデカルト『省察』「第五省察」を中心にカントの批判した「存在論的証明」を捉え直し数学の基礎づけがどのようになされるかを解明する.
数学的本質の存在論的身分と明晰判明知との関係を探るとともに,神のア・プリオリな証明を必然性の範型として明らかにする.
さらにアンリとレヴィナスなど現代フランス現象学における感受性と超越の問題を通して,デカルト哲学における超越の問題を特徴づけることにより,現代哲学が原因と理由とが合する場を見失っていることを指摘する.
最後にデカルト哲学の実体と完全性の概念に立ち返り,「私」の思いに条件づけられた一般存在論の構築を準備し,また存在と本質が一つとしてとらえられる場を切り開くために,存在の重さが量られなければならないことを主張する.
これらの考察を通して,『観念と存在』に続く本巻と『物理学と個人倫理』のデカルト研究三部作,さらに新しい哲学の試みである『新デカルト的省察』のための理論的基礎が提供される。
数学的本質の存在論的身分と明晰判明知との関係を探るとともに,神のア・プリオリな証明を必然性の範型として明らかにする.
さらにアンリとレヴィナスなど現代フランス現象学における感受性と超越の問題を通して,デカルト哲学における超越の問題を特徴づけることにより,現代哲学が原因と理由とが合する場を見失っていることを指摘する.
最後にデカルト哲学の実体と完全性の概念に立ち返り,「私」の思いに条件づけられた一般存在論の構築を準備し,また存在と本質が一つとしてとらえられる場を切り開くために,存在の重さが量られなければならないことを主張する.
これらの考察を通して,『観念と存在』に続く本巻と『物理学と個人倫理』のデカルト研究三部作,さらに新しい哲学の試みである『新デカルト的省察』のための理論的基礎が提供される。