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デカルト全書簡集 第四巻

(1640-1641)

デカルト全書簡集 第四巻
著者 大西 克智
津崎 良典
三浦 伸夫
武田 裕紀
中澤 聡
石田 隆太
鈴木 泉
ジャンル 哲学・思想
シリーズ デカルト全書簡集
出版年月日 2016/02/29
ISBN 9784862852274
判型・ページ数 菊判・430ページ
定価 本体6,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

238 レギウスおよびエミリウスからデカルトへ(ユトレヒト1640.1)[レネリ追悼演説,プレンピウスとレギウス,レギウスとヴォエティウス]
239 デカルトからホイヘンスへ(サントポールト1640.1.3)[スタンピウン=ワーセナール論争]
240 ホイヘンスからデカルトへ(ハーグ1640.1.8)[スタンピウン=ワーセナール論争]
241 デカルトからメルセンヌへ(1640.1.29)[スタンピウンの奸計,落体と重力,白黒の大理石,衝撃の力,弓,紐と滑車,メイソニエ]
242 デカルトからメイソニエへ(1640.1.29)[コナリオン,記憶に関わる形質]
243 デカルトからワーセナールへ(ライデン1640.2.1)[スタンピウン=ワーセナール論争(二項数から立方根を抽出する方法)]
244 デカルトからホーヘランデへ(1640.2.8)[『イデア・マテマティカ』,数学における歴史と学知,コメニウスの『汎知学』]
245 ホイヘンスからデカルトへ(ハーグ1640.3.8)[「若い数学者」の『円錐曲線論』,或る奇跡譚]
246 デカルトからメルセンヌへ(サントポールト1640.3.11)[物体の衝撃,落下,速度,その他自然学の諸問題]
247 デカルトからホイヘンスへ(サントポールト1640.3.12)[奇跡譚,望遠鏡作成,スタンピウン]
248 デカルトからメルセンヌへ(サントポールト1640.4.1)[磁石,オジギソウ,パスカルの『円錐曲線論』,松果腺,記憶,母斑,植物のカタログ,サイクロイドの求積,マスケット銃]
249 デカルトからゴリウスへ(1640.4.3)[ゴリウスによる審判の遅れ,スタンピウンの挟み撃ち法]
250 ホイヘンスからデカルトへ(ハーグ1640.4.29)[植物のカタログその他メルセンヌの取り次ぎ]
251 レギウスからデカルトへ(ユトレヒト1640.5.5)[レギウスの俸給増額,テーゼの公開討論,『省察』草稿の回覧]
252 デカルトからポロへ(ライデン1640.5.7)[スタンピウン=ワーセナール論争関連書籍の送付]
253 デカルトからレギウスへ(ライデン1640.5.30)[『省察』へのコメント検討,レギウスによるテーゼの修正]
254 レギウスからデカルトへ(ユトレヒト1640.5.24)[スタンピウン=ワーセナール論争の帰趨,レギウスのテーゼ,『省察』へのコメント]
255 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.6.11)[王立植物園の本,物体の堅さと粒子の運動,酸の効果,血液循環,光の作用,微細な物質]
256 デカルトからウィレムへ(ライデン1640.6.13)[ウィレム息女の病]
257 デカルトからウィレムへ(ライデン1640.6.24)[ウィレム息女の病]
258 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.7.22)[イエズス会士によるテーゼと『前哨戦』,レギウスのテーゼ]
259 デカルトからヘイヌーヴへ(ライデン1640.7.22)[イエズス会による『屈折光学』批判への反批判]
260 ホイヘンスからデカルトへ(1640.7.24)[旋盤工とホイヘンスの動向]
261 デカルトからメルセンヌを介してブルダンへ(1640.7.29)[ブルダンによる『前哨戦』への反論]
262 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.7.30)[『省察』印刷,ブルダン神父,母斑,松果腺,屈折その他自然学の諸問題]
263 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.7.30)[血流・消化・乳糜]
264 デカルトからホイヘンスへ(ライデン1640.7.31)[旋盤工の処遇,『省察』公刊に向けて,イエズス会士との論争,スタンピウン=ワーセナール論争]
265 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.8.6)[記憶,潮の干満,磁石,弦の運動,スタンピウン=ワーセナール論争]
266 ホイヘンスからデカルトへ(ラインベルク1640.8.14)[ワーセナールによる「序文」,『省察』の印刷,ブルダンのテーゼ,デカルトのフランス行き]
267 デカルトからウィレムへ(ライデン1640.8.17)[スタンピウン=ワーセナール論争その後]
268 デカルトからホイヘンスへ(ライデン1640.8.27)[オルガンの使用に関するホイヘンスの論考,カトリックとプロテスタント]
269 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.8.30)[イエズス会との確執,濃縮化,運動と反射,水の射出,空気の柱,デモクリトス]
270 デカルトからメルセンヌを介して某へ(ライデン1640.8.30)[ブルダン神父]
271 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.9.15)[ホイヘンスの動向,オジギソウ,投射体,イエズス会との確執,その他自然学の諸問題]
272 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.9.30)[『省察』の印刷,滑車,二項式の立方根,自然学の諸問題]
273 デカルトからウィックフォルトへ(ライデン1640.10.2)[『気象学』ラテン語版の回収]
274 デカルトからウィレムへ(ライデン1640.10.5)[スタンピウン=ワーセナール論争(供託金の行方)]
275 デカルトからウィックフォルトへ(ライデン1640.10.5)[『気象学』ラテン語版の回収]
276 レギウスからデカルトへ(ユトレヒト1640.10.7)[レギウスによるテーゼの修正]
277 ホイヘンスからデカルトへ(ハーグ1640.10.8)[メルセンヌから送られたいくつかの著作]
278 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.10.28)[ブルダン神父,ホイヘンス,自然学の諸問題,サンスの医師,ラコンブ神父]
279 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.10.28)[ブルダン神父との確執,『屈折光学』]
280 デカルトから父へ(ライデン1640.10.28)[渡仏の断念,父への手紙]
281 ホイヘンスからデカルトへ(ハーグ1640.10.29)[メルセンヌが送った書物]
282 デカルトからホイヘンスへ(ライデン1640.11.11)[『省察』などの郵送]
283 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.11.11)[ヴォエティウス,ユスタッシュ,ド・ラコニ,アルキメデスのねじ,マスケット銃,『省察』の表題と印刷]
284 デカルトからジビューへ(ライデン1640.11.11)[『省察』の認可]
285 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.11.11)[『省察』の表題,『パリ神学部宛書簡』]
286 デカルトからホイヘンスへ(ライデン1640.11.12)[『省察』読書指南]
287 デカルトからコルヴィウスへ(ライデン1640.11.14)[アウグスティヌス,コギト]
288 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.11.18)[ホイヘンスの動向,ブルダンとの確執,誓願,重さを保持する力]
289 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.12.3)[アウグスティヌス,アンブロシウス,ブルダン神父,ド・ラコニ,父の死]
290 デカルトから長兄へ(ライデン1640.12.3)[遺産分割]
291 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.12)[ブルダン神父とのやりとり,音楽,ソメーズとハインシウスの論争,地動説,ユスタッシュ,『哲学原理』,アンセルムス,アウグスティヌス]
292 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.12.24)[松果腺,魂の不死,心身の実在的区別,題材の順序と根拠の順序,『省察』の印刷と推敲]
293 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1640.12.31)[『省察』「概要」,本文の手直し,ブルダンとの確執,出版允許]
294 デカルトからバンニウスへ(ボエセの擁護1640)[詩に付された楽曲の適否]
295 デカルトから某へ(1640(?)および1643(?))[神学論争,哲学者たちとの確執,神の能力と自己原因]
296 ホイヘンスからデカルトへ(ハーグ1641.1.15)[モランの著作,『屈折光学』への反論]
297 デカルトからホイヘンスへ(ライデン1641.1.16)[『省察』に対する反論,ジロの件]
298 デカルトからポロへ(ライデン1641.1中旬)[悲嘆に暮れるポロを慰める]
299 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1641.1.21)[『省察』「反論」,「英国人」の手紙,「神は語り難きもの」,運動と方向決定]
300 デカルトからメルセンヌを介してホッブズへ(ライデン1641.1.21)[『屈折光学』を巡るホッブズとの論争]
301 デカルトからメルセンヌへ(ライデン1641.1.28)[モラン,デザルグ,日時計,知性,意志,神,観念,聖体問題,「反論と答弁」,各「省察」の表題]
302 ホッブズからメルセンヌを介してデカルトへ(パリ1641.2.7)[精気と微細物質,速度と方向決定,跳ね返りの原因,衝突・凹み・復元,光の屈折]
303 デカルトからメルセンヌを介してホッブズへ
ライデン1641年2月18日291
[『屈折光学』を巡るホッブズとの論争]
304 デカルトからメルセンヌへライデン1641年3月4日296
[ホッブズとの自然学論争,ロベルヴァル,フェルマ,「反論と答弁」
の用意]
305 デカルトからメルセンヌへライデン1641年3月18日307
[アルノーとのやりとり,『省察』「反論と答弁」の推敲,物体の反射]
306 ホッブズからメルセンヌを介してデカルトへ
パリ1641年3月30日314
[デカルトとの自然学論争]
307 デカルトからメルセンヌへ
エンデヘースト1641年3月31日322
[『省察』刊行準備]
308 デカルトからメルセンヌを介してホッブズへ
エンデヘースト1641年4月21日324
[『屈折光学』を巡るホッブズとの論争]
309 デカルトからメルセンヌへ
エンデヘースト1641年4月21日327
[円錐曲線,アウグスティヌス,「第六反論」,コナリオン,幻日現象]
310 デカルトからホイヘンスへエンデヘースト1641年4月333
[ジロのポルトガル行]
311 レギウスからデカルトへユトレヒト1641年5月1日335
[レギウスのテーゼと公開討論]
312 デカルトからレギウスへエンデヘースト1641年5月
[魂の可分性]
313 デカルトからレギウスへエンデヘースト1641年5月342
[魂の可分性]
314 某からメルセンヌを介してデカルトへ
パリ1641年5月19日348
[観念,神の存在]
315 デカルトからメルセンヌへ
エンデヘースト1641年6月16日351
[観念とその三分類説]
316 デカルトからメルセンヌを介して某へ1641年6月16日353
[円錐曲線に関わる証明]
317 デカルトからメルセンヌへ
エンデヘースト1641年6月23日358
[ガッサンディとの応答,自由の問題,『省察』の印刷,ジャンセニスム,『パリ神学部宛書簡』,聖体問題]
318 デカルトからメルセンヌへエンデヘースト1641年7月365
[観念,想像力,神の存在証明,魂]

あとがき/主要人名解説/関連地図/索引(人名・地名,事項,一次資料邦題)

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内容説明

デカルト(1596-1650)は730通以上の膨大な往復書簡を残した。それらはラテン語,フランス語,オランダ語で書かれ,わが国で翻訳されているのは30%ほどで,数学や物理学に関わる書簡は割愛されてきた。

本シリーズ全8巻は研究者の使用に耐える翻訳を作成し,簡潔な歴史的,テキスト的な訳注を施して,基礎資料として長く活用されることを期して企画された。

17世紀において書簡の果たす役割は大きく,それは私的な文書であると同時に複数の人に読まれることを意識して書かれた。デカルトの場合,著作ではあまり触れられない心身問題や永遠真理創造説,形而上学の諸問題,道徳論など多くの哲学的問題に立ち入った議論がなされており,書簡を通してデカルト思想の細部が明らかにされる。デカルトは「書簡によって哲学する」,書簡は「知性の実験室」と言われる由縁である。

本巻では1640年1月から1641年7月までの81通の書簡が扱われる。これらの書簡は,1640年春に書き上げた主著『省察』初版の出版(1641年8月)へ向け,草稿の回覧や,印刷・表題などの準備に奔走する姿,また『方法序説および三試論』をめぐる数学・自然学に関する多くの新旧学問論争の闘士としての姿など,形而上学・自然学にまたがったデカルトの円熟した思索活動の記録である。

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