ホーム > デカルト哲学の根本問題
目次
Ⅰ コギト・他者・真理
第1章 コギトと他者
第2章 永遠真理創造説考
第3章 真理と神――無神論の幾何学者は真理を語りうるか
Ⅱ 心身・神・精神
第4章 心身問題についてのノート
第5章 デカルトの神――自由と決定
第6章 神と精神――デカルトの形而上学と世界観
Ⅲ カントのデカルト解釈
第7章 カントと「デカルト的観念論」
第8章 カントのコギト解釈
第9章 カントと「デカルト的証明」
Ⅳ テキストをめぐって
第10章 「良識論」考――テキスト・クリティークの試み
第11章 「第六省察」をどう読むか――人間学としてのデカルト哲学
第12章 「ソルボンヌ書簡」の研究
Ⅴ 医学と教育
第13章 デカルトと医学
第14章 形而上学と医学
第15章 ラフレーシ学院の挑戦――17世紀フランスのコレージュ
第1章 コギトと他者
第2章 永遠真理創造説考
第3章 真理と神――無神論の幾何学者は真理を語りうるか
Ⅱ 心身・神・精神
第4章 心身問題についてのノート
第5章 デカルトの神――自由と決定
第6章 神と精神――デカルトの形而上学と世界観
Ⅲ カントのデカルト解釈
第7章 カントと「デカルト的観念論」
第8章 カントのコギト解釈
第9章 カントと「デカルト的証明」
Ⅳ テキストをめぐって
第10章 「良識論」考――テキスト・クリティークの試み
第11章 「第六省察」をどう読むか――人間学としてのデカルト哲学
第12章 「ソルボンヌ書簡」の研究
Ⅴ 医学と教育
第13章 デカルトと医学
第14章 形而上学と医学
第15章 ラフレーシ学院の挑戦――17世紀フランスのコレージュ
内容説明
本書はコギト，真理，心身，自由など形而上学の根本問題とカントのデカルト解釈，テキスト論，医学と教育などデカルト哲学の諸問題を新視点から考察し，その現代的意義を示す。
西洋哲学には「神と精神」という伝統的な問題意識があり，それはデカルト哲学の核心ともなっている。デカルトにとって神と精神は，コギトや他者を問い，真理の成立を考察する上でも，また自由や世界における生き方を省察する際にも大きな背景であった。
伝統的な形而上学に対するカントの批判は，それ以後，現代にいたるまでデカルト批判の源泉となってきた。しかし彼のデカルト解釈は両者の立場の違いに由来するものであり，必ずしも有効ではない。
デカルト哲学では多くの議論が神に収斂しており，神という論点を置くことによりはじめて合理的な解明が可能となる。そこにデカルトの限界があると言われるが，〈神〉とは世界を根元的に説明する装置であり，パラダイムである。神を哲学の基礎に置くことは，ものごとを「今ここ」という有限な視点ではなく無限の視点から眺め，永遠との関わりで見ること，即ち無限の全体を意識しつつ有限な人間の営為を考えることである。四十年に亙るデカルト研究を踏まえ，現代における形而上学復権の道を問う。
