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内容説明
本書はヒューム,カントとならび18世紀啓蒙思想を代表する第三の哲学者,スコットランド出身のトマス・リード(1710-96)の初めての翻訳書。
リードの処女作でもある本書は,『人間の知的能力試論』『人間の活動的能力試論』へと続く三部作の巻頭を飾り,リード哲学の基盤を形成した主著である。
著者は人間の五官による知覚,なかでも視覚論を軸にして心の哲学の実相を明らかにするとともに,デカルトをはじめとする観念学説,とりわけヒューム『人間本性論』の懐疑主義を批判し,摂理的自然主義という著者に独自なベーコン主義理解にもとづいて常識の実態を解明する。
リードの哲学はヒュームとカントに対抗して,時代に大きな影響を与えたが,わが国では等閑視されてきた。訳者による100枚におよぶ本格的な解説は彼の哲学史上の位置づけと本書の内容について簡潔な説明を与え,さらに当時の時代状況を踏まえた丹念な訳注は,平易な訳文と相まって,わが国の啓蒙思想研究に新たな1ページを切り拓くものとなろう。
リードの処女作でもある本書は,『人間の知的能力試論』『人間の活動的能力試論』へと続く三部作の巻頭を飾り,リード哲学の基盤を形成した主著である。
著者は人間の五官による知覚,なかでも視覚論を軸にして心の哲学の実相を明らかにするとともに,デカルトをはじめとする観念学説,とりわけヒューム『人間本性論』の懐疑主義を批判し,摂理的自然主義という著者に独自なベーコン主義理解にもとづいて常識の実態を解明する。
リードの哲学はヒュームとカントに対抗して,時代に大きな影響を与えたが,わが国では等閑視されてきた。訳者による100枚におよぶ本格的な解説は彼の哲学史上の位置づけと本書の内容について簡潔な説明を与え,さらに当時の時代状況を踏まえた丹念な訳注は,平易な訳文と相まって,わが国の啓蒙思想研究に新たな1ページを切り拓くものとなろう。