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ヘーゲル全集 第10巻1

『論理学』 客観的論理学:存在論(第1版,1812)

ヘーゲル全集 第10巻1

第2回配本

著者 久保 陽一 責任編集
ジャンル 哲学・思想
シリーズ ヘーゲル全集
出版年月日 2020/03/10
ISBN 9784862853127
判型・ページ数 菊判・436ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例


第一巻 客観的論理学

序言
内容目次
緒論

論理学の一般的区分について

第1書 存在
学は何から始まらなければならないか?
存在の一般的区分

第Ⅰ編 規定性(質)

第1章 存在
 A [存在]
 B 無
 C 成
  [1] 存在と無の統一
  注解1 〔表象における存在と無の対立〕
  注解2 〔「存在」だけの主張,「無」だけの主張の問題点,前進即背進〕
  注解3 〔「根拠」や「条件」という用語による表現の問題点〕
  注解4 〔成に反対する通常の弁証法の問題点〕
  2 成の諸契機
  3 成の止揚
   注解 〔「止揚」という表現〕

第2章 定在
 A 定在そのもの
  1 定在一般
  2 実在性
   a) 他在
   b) 対-他-存在と自体存在
   c) 実在性
   注解 〔「実在性」と「自体」の二義性〕
  3 或るもの
 B 規定性
  1 限界
  2 規定性
   a) 規定
   b) 性状
   c) 質
   注解 〔「質」の通常の意味およびベーメの場合〕
  3 変化
   a) 性状の変化
   b) 当為と制限
   注解 〔カントの「なすべきこと」について〕
   c) 否定(Negation)
   注解 〔スピノザの「規定性は否定である」について〕
 C (質的)無限性
  1 有限性と無限性
  2 有限なものと無限なものとの交互規定
  3 無限性の自らへの還帰
   注解 〔有限なものと無限なものの対立〕

第3章 対自存在
 A 対自存在そのもの
  1 対自存在一般
  2 対自存在の諸契機
   a) それ〔対自存在〕の自体存在という契機
   b) 一〔一者〕に対する存在
   注解 〔「或るものはどんな事物であるか」というドイツ語の表現について〕
   c) 観念性
  3 一〔一者〕の生成
 B 一〔一者〕
  1 一〔一者〕と空虚
   注解 〔原子と空虚〕
  2 多くの一〔一者〕(反発)
   注解 〔モナドにおける一と多〕
  3 相互的反発
 C 牽引
  1 唯一の一〔一者〕
  2 牽引と反発の均衡
   注解 〔カントによる反発力と牽引力からの物質の構成〕
  3 量への移行

 第Ⅱ編 大きさ(量)

   注解 〔質的限界と量的限界の違い,大きさの無関心性〕

第1章 量
 A 純粋量
   注解1 〔スピノザの量概念〕
   注解2 〔無限分割可能性についてのカントの二律背反〕
 B 連続的な大きさと離散的な大きさ
   注解 〔連続的な大きさにおける離散性と離散的な大きさにおける連続性,連続的な大きさと離散的な大きさとの関連と相互移行〕
 C 量の限定

第2章 定量
 A 数
   注解1 〔空間的大きさと数的大きさの関連〕
   注解2 〔数と算術の抽象性と外面性〕
 B 外延的定量と内包的定量
  1 両者の区別
  2 外延的な大きさと内包的な大きさとの同一性
   注解 〔外延的な大きさと内包的な大きさとの同一性の実例〕
  3 定量の変化
 C 量的無限性
  1 その概念
  2 無限進行
   注解1 〔究極的なものとしての無限進行〕
   注解2 〔時間と空間における世界の限定性もしくは非限定性〕
  3 定量の無限性
   注解 〔数学的無限の概念について〕

第3章 量的相関〔比〕
 A 直接的相関(Das directe Verhältniss)〔正比例〕
 B 反比例(Das umgekehrte Verhältniss)〔逆の相関〕
 C 冪相関
   注解 〔冪相関の概念諸規定への適用〕

 第Ⅲ編 度量

第1章 特有の量
 A 特有の定量
 B 規則
  1 質的ならびに量的な大きさの規定性
  2 質と定量
  3 質としての両側面〔両項〕を区別すること
   注解 〔自然度量〕
 C 〔二つの〕質の比〔相関〕

第2章 自立的な度量の比
 A 自立的な度量の比
  1 中和性
  2 中和性の特有化(Specification)
  3 選択的親和性 364
   注解 〔度量の契機としての化学的物質〕
 B 度量の諸比の結節線
   注解 〔結節線の実例〕
 C 没度量

第3章 本質の生成
 A 無差別
 B 反比例をなす諸因子より成る自立的なもの
   注解 〔求心力と遠心力〕
 C 本質の立ち現れ

 解説

 1 『論理学』の刊行と邦訳の事情
 2 ヘーゲル論理学の発展史
 3 『論理学』第1版における論理学の特性と「存在論」の概要

責任編集者あとがき
人名索引
訳者紹介

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内容説明

批判的校訂によるアカデミー版の成果を踏まえ,日本語版独自の編集により訳出,解説と詳細な注は新たなヘーゲル研究の基盤と最新のヘーゲル像を提供し,従来の関連作品を一新する待望の本格的全集である。

本巻は,形而上学に代わる「客観的論理学」と概念論である「主観的論理学」から構成され,三分冊で出版された『論理学』(1812-16)の第1分冊「存在論」(第1版 1812)を収める。

ヘーゲルはその初期から論理学に関して思索を続け,彼の論理学の自身の哲学体系内での位置づけや内容を変化・発展させてきた。

『論理学』で示されるヘーゲル論理学は,古典的・現代的な意味での「形式論理学」でも,経験科学や自然哲学,精神哲学という「応用論理学」でもない,カントの超越論的論理学を受け,『精神現象学』(1807)で到達した存在と思考が統一した「絶対知(純粋知)」を前提とし,それを展開し拡大した「純粋な学」である。

本巻では,「直接的なもの」であると同時に「媒介されたもの」である「純粋な存在」から出発し,「規定性(質)」から「大きさ(量)」,「度量」へ展開し,『論理学』第2分冊目で扱われる「本質」へ移行していく。

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