目次
第一巻 客観的論理学
序言
内容目次
緒論
論理学の一般的区分について
第1書 存在
学は何から始まらなければならないか?
存在の一般的区分
第Ⅰ編 規定性(質)
第1章 存在
A [存在]
B 無
C 成
[1] 存在と無の統一
注解1 〔表象における存在と無の対立〕
注解2 〔「存在」だけの主張,「無」だけの主張の問題点,前進即背進〕
注解3 〔「根拠」や「条件」という用語による表現の問題点〕
注解4 〔成に反対する通常の弁証法の問題点〕
2 成の諸契機
3 成の止揚
注解 〔「止揚」という表現〕
第2章 定在
A 定在そのもの
1 定在一般
2 実在性
a) 他在
b) 対-他-存在と自体存在
c) 実在性
注解 〔「実在性」と「自体」の二義性〕
3 或るもの
B 規定性
1 限界
2 規定性
a) 規定
b) 性状
c) 質
注解 〔「質」の通常の意味およびベーメの場合〕
3 変化
a) 性状の変化
b) 当為と制限
注解 〔カントの「なすべきこと」について〕
c) 否定(Negation)
注解 〔スピノザの「規定性は否定である」について〕
C (質的)無限性
1 有限性と無限性
2 有限なものと無限なものとの交互規定
3 無限性の自らへの還帰
注解 〔有限なものと無限なものの対立〕
第3章 対自存在
A 対自存在そのもの
1 対自存在一般
2 対自存在の諸契機
a) それ〔対自存在〕の自体存在という契機
b) 一〔一者〕に対する存在
注解 〔「或るものはどんな事物であるか」というドイツ語の表現について〕
c) 観念性
3 一〔一者〕の生成
B 一〔一者〕
1 一〔一者〕と空虚
注解 〔原子と空虚〕
2 多くの一〔一者〕(反発)
注解 〔モナドにおける一と多〕
3 相互的反発
C 牽引
1 唯一の一〔一者〕
2 牽引と反発の均衡
注解 〔カントによる反発力と牽引力からの物質の構成〕
3 量への移行
第Ⅱ編 大きさ(量)
注解 〔質的限界と量的限界の違い,大きさの無関心性〕
第1章 量
A 純粋量
注解1 〔スピノザの量概念〕
注解2 〔無限分割可能性についてのカントの二律背反〕
B 連続的な大きさと離散的な大きさ
注解 〔連続的な大きさにおける離散性と離散的な大きさにおける連続性,連続的な大きさと離散的な大きさとの関連と相互移行〕
C 量の限定
第2章 定量
A 数
注解1 〔空間的大きさと数的大きさの関連〕
注解2 〔数と算術の抽象性と外面性〕
B 外延的定量と内包的定量
1 両者の区別
2 外延的な大きさと内包的な大きさとの同一性
注解 〔外延的な大きさと内包的な大きさとの同一性の実例〕
3 定量の変化
C 量的無限性
1 その概念
2 無限進行
注解1 〔究極的なものとしての無限進行〕
注解2 〔時間と空間における世界の限定性もしくは非限定性〕
3 定量の無限性
注解 〔数学的無限の概念について〕
第3章 量的相関〔比〕
A 直接的相関(Das directe Verhältniss)〔正比例〕
B 反比例(Das umgekehrte Verhältniss)〔逆の相関〕
C 冪相関
注解 〔冪相関の概念諸規定への適用〕
第Ⅲ編 度量
第1章 特有の量
A 特有の定量
B 規則
1 質的ならびに量的な大きさの規定性
2 質と定量
3 質としての両側面〔両項〕を区別すること
注解 〔自然度量〕
C 〔二つの〕質の比〔相関〕
第2章 自立的な度量の比
A 自立的な度量の比
1 中和性
2 中和性の特有化(Specification)
3 選択的親和性 364
注解 〔度量の契機としての化学的物質〕
B 度量の諸比の結節線
注解 〔結節線の実例〕
C 没度量
第3章 本質の生成
A 無差別
B 反比例をなす諸因子より成る自立的なもの
注解 〔求心力と遠心力〕
C 本質の立ち現れ
解説
1 『論理学』の刊行と邦訳の事情
2 ヘーゲル論理学の発展史
3 『論理学』第1版における論理学の特性と「存在論」の概要
責任編集者あとがき
人名索引
訳者紹介
内容説明
批判的校訂によるアカデミー版の成果を踏まえ,日本語版独自の編集により訳出,解説と詳細な注は新たなヘーゲル研究の基盤と最新のヘーゲル像を提供し,従来の関連作品を一新する待望の本格的全集である。
本巻は,形而上学に代わる「客観的論理学」と概念論である「主観的論理学」から構成され,三分冊で出版された『論理学』(1812-16)の第1分冊「存在論」(第1版 1812)を収める。
ヘーゲルはその初期から論理学に関して思索を続け,彼の論理学の自身の哲学体系内での位置づけや内容を変化・発展させてきた。
『論理学』で示されるヘーゲル論理学は,古典的・現代的な意味での「形式論理学」でも,経験科学や自然哲学,精神哲学という「応用論理学」でもない,カントの超越論的論理学を受け,『精神現象学』(1807)で到達した存在と思考が統一した「絶対知(純粋知)」を前提とし,それを展開し拡大した「純粋な学」である。
本巻では,「直接的なもの」であると同時に「媒介されたもの」である「純粋な存在」から出発し,「規定性(質)」から「大きさ(量)」,「度量」へ展開し,『論理学』第2分冊目で扱われる「本質」へ移行していく。関連書籍
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