ホーム > ニーチェ『古代レトリック講義』訳解

ニーチェ『古代レトリック講義』訳解

ニーチェ『古代レトリック講義』訳解
著者 山口 誠一 訳著
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2011/01/31
ISBN 9784862851000
判型・ページ数 菊判・168ページ
定価 本体3,600円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第1章 レトリックの概念
第2章 弁論術・雄弁術の区別
第3章 レトリック的なものと言語との関係
第4章 弁論の純正,明瞭,適切
第5章 弁論修辞と関連する特性ある弁論
第6章 純正の修飾変容
第7章 転義的比喩表現
第8章 レトリック的文彩
第9章 弁論の韻律
第10章 争点論
第11章 事案の種類と型
第12章 訴訟弁論の諸部分
第13章 審議弁論
第14章 演示弁論
第15章 配置
第16章 記憶と発表について

原註/訳注
解説 レトリックと哲学
 Ⅰ 近年の日本哲学界におけるレトリック復権
 Ⅱ 原典の由来
 Ⅲ 原典翻訳上の困難点
 Ⅳ 基本語「転移(?bertragung)」
 Ⅴ ディオニュソス的科学的弁論家ニーチェ
 Ⅵ 修辞部分の突出
 Ⅶ 文体技法
 Ⅷ 欧米における『古代レトリック講義』研究史
文献表
ニーチェ古典古代蔵書目録

このページのトップへ

内容説明

哲学とレトリックは対立的に考えられてきたが,哲学の概念自体がメタファー(転義)であるという見方に象徴されるように,最近では哲学の厳密性を考えるうえでもレトリック再考の機運が高まってきた。
ニーチェはこの問題に早くから気づき「言葉はレトリックである」と表明し,1870年代にバーゼル大学で「古代レトリック」を講じていた。その意味で本書はレトリックの哲学の現代的源泉の一つであり,ニーチェの言語論の核心につらなるものである。ニーチェは,言語は第一次的には転義的比喩であり,言論は文法にもとづく記述ではなく,語法や文法の違反をともなう文彩である。こうして彼は言語が知識ではなく臆見を伝えるとした。
18世紀末から19世紀末にかけてドイツ哲学の歴史にはディオニュソス哲学の地下水路が隠れており,その水路のさらに地下に埋もれていたのが講義草稿『古代レトリック講義』であった。この草稿を通して従来のニーチェ像はディオニュソス的科学的弁論家へと変貌しよう。
ブルーメンベルクはいみじくも「ニーチェ哲学の本質はレトリックである」と言ったが,本書が古典学者ニーチェの本領とともにその思想的方位を考えるうえで新たな示唆を与えるに違いない。

このページのトップへ

関連書籍

ヘーゲル全集 第10巻1

ヘーゲル全集 第10巻1

第2回配本

著者:久保 陽一 責任編集
 
 
ヘーゲル全集 第11巻

ヘーゲル全集 第11巻

第1回配本

著者:山口 誠一 責任編集
 
 

このページのトップへ