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ヘーゲル全集 第11巻

ハイデルベルク・エンツュクロペディー

ヘーゲル全集 第11巻

第1回配本

著者 山口 誠一 責任編集
ジャンル 哲学・思想
シリーズ ヘーゲル全集
出版年月日 2019/06/10
ISBN 9784862852960
判型・ページ数 菊判・688ページ
定価 本体9,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例


哲学的諸学問のエンツュクロペディー要綱

 [序説]
 内容目次
 緒論

 Ⅰ 論理学

 予備概念
 第1部 存在論
  A 質
  B 量
  C 度量
 第2部 本質論
  A 純粋な反省諸規定
  B 現象
  C 現実性(Die Wirklichkeit)
 第3部 概念論
  A 主観的概念
  B 客観
  C 理念

 Ⅱ 自然哲学

 第1部 数学
 第2部 物理学
  A 力学
  B 元素物理学
  C 個体物理学
 第3部 有機体物理学
  A 地質学的自然
  B 植物的自然
  C 動物有機体

 Ⅲ 精神哲学

 第1部 主観的精神
  A 魂
  B 意識
  C 精神
 第2部 客観的精神
  A 法権利
  B 道徳性
  C 人倫
 第3部 絶対的精神


補遺

 (A)『エンツュクロペディー』 C. 精神哲学についてのメモ
  〔第1部 主観的精神〕
   〔A 魂〕
   〔B 意識〕
   〔C 精神〕
  〔第2部 客観的精神〕
   〔A 法権利〕
   〔B 道徳性〕
   〔C 人倫〕
  〔第3部 絶対精神〕
 (B) 「論理学・形而上学」講義のメモ紙片Ⅰ
   1817年夏学期講義開始用メモ
   哲学生活への道
 (C) 「論理学・形而上学」講義のメモ紙片Ⅱ
   論理学と形而上学との一体化
   普遍的なものの学としての論理学
 (D) 講義メモ(論理学・形而上学,自然哲学,人間学・心理学)
   「エンツュクロペディー」講義メモ
   シューバート著作をめぐって
   『エンツュクロペディー』第19節に関連して
   自然の3段階
   精神哲学第1部bについてのメモ
   『エンツュクロペディー』第322節以下についてのメモ
   『エンツュクロペディー』第320節・第321節についてのメモ
   『エンツュクロペディー』第321節についてのメモ
   『エンツュクロペディー』初版の第311節・第322節等についてのメモ
 (E) 『エンツュクロペディー』注解口述筆記ノート

 亡失稿報告
   1 『エンツュクロペディー』Ⅱのメモ用紙綴じ込み私家本
   2 原稿


解説

 第1部 へーゲル哲学と『ハイデルベルク・エンツュクロペディー』
  Ⅰ 現代とヘーゲル体系
  Ⅱ 哲学体系構想の変遷と『ハイデルベルク・エンツュクロペディー』
  Ⅲ ヘーゲルの哲学史体系と哲学体系との関係

 第2部 『ハイデルベルク・エンツュクロペディー』と『エンツュクロペディー』各版・『論理学』との異同
  Ⅰ 序説の異同
  Ⅱ 緒論の異同
  Ⅲ 論理学部門の異同
  Ⅳ 自然哲学部門の異同
  Ⅴ 精神哲学部門の異同

 第3部 『ハイデルベルク・エンツュクロペディー』と補遺の文献資料上の解明
  Ⅰ 『エンツュクロペディー』第1版 1817年
   1 伝承資料
    (A)哲学的諸学問エンツュクロペディー要綱,ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリッヒ・ヘーゲル博士担当講義での使用のために,〔…〕ハイデルベルク,アウグスト・オスヴァルド大学書店,1817年。
    (B)メモ用綴じ込み頁を含む『エンツュクロペディー』冊子自筆メモにおける印刷テキストの校訂
   2 『哲学のエンツュクロペディー』成立史
    (A)エンツュクロペディー的な叙述の公刊計画と形成史
    (B)論理学部門の形成
    (C)精神哲学部門の形成
    (D)自然哲学部門の形成
   3 ハイデルベルクでの『エンツュクロペディー』を取り巻く状況
    (A)『エンツュクロペディー』刊行経緯
    (B)出版時の状況について
    (C)印刷状況について
  Ⅱ 補遺について
   1 『エンツュクロペディー』「Ⅲ 精神哲学について」の自筆メモについて
   2 『エンツュクロペディー』Ⅲについてのメモ詳説
    (A)伝承資料
    (B)メモ成立史
   3 「論理学・形而上学」講義のメモ紙片Ⅰ
    (A)伝承資料
    (B)成立史
   4 「論理学・形而上学」講義のメモ紙片Ⅱ
    (A)伝承資料
    (B)成立史
   5 講義メモ(「論理学・形而上学」講義,「自然哲学」講義ならびに「人間学・心理学」講義)
    (A)「エンツュクロペディー」講義メモ
    (B)シューバート著作をめぐって
    (C)『エンツュクロペディー』第1版の第311節・第322節などについてのメモ
    (D)『エンツュクロペディー』注解口述筆記ノート
  Ⅲ 亡失稿報告
   1 『エンツュクロペディー』Ⅱについての綴じ込みのある私家本
   2 原稿

責任編集者あとがき
詳細目次(エンツュクロペディー)
人名索引/書名索引/地名索引/事項索引
訳者紹介

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内容説明

批判的校訂によるアカデミー版の成果を踏まえ,日本語版独自の編集により訳出,解説と詳細な注は新たなヘーゲル研究の基盤と最新のヘーゲル像を提供し,従来の関連作品を一新する待望の本格的全集である。

『ハイデルベルク・エンツュクロペディー』(1817)の後『エンツュクロペディー』第2版,第3版が出された。ベルリン版全集では第3版だけが収録されたが,2014年に自筆著作が刊行され,ハイデルベルク版がニュルンベルク期の哲学思索の総決算で,さらに関連自筆文書への関心と発展史的観点から第2版への展開が注目された。

「エンツュクロペディー」とは講義の手引きであり,講義を通して哲学体系が追求された。イェーナ期以来の長い講義活動におけるヘーゲルの哲学体系構築の営みは,哲学史体系を哲学体系への導入とする試みでもあった。

「精神とは何か」というヘーゲル哲学の根源的問いに対し,意識の経験として『精神現象学』(1807)が学の体系第1部に,『論理学』(1812-16)は第2部に置かれたが,『ハイデルベルク・エンツュクロペディー』では『精神現象学』は精神哲学の一部となり,当初の体系構想は崩れ,論理学,自然哲学,精神哲学の三部門を中心に,講義による体系化が探求されたが未完に終わった。

本巻は膨大なヘーゲルの自筆メモなど多くの資料を収録するとともに,綿密な注を付して,生動的に展開する思索の実態に迫る第一級の資料である。

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