ホーム > ヘーゲル「新プラトン主義哲学」註解
内容説明
旧版のヘーゲル『哲学史講義』は,いっけん平易なことからヘーゲル入門のように見なされ,あまり研究の対象とはされなかった。しかし旧版をヘーゲル哲学として精読すると支離滅裂な内容で理解不可能なものである。
新版『哲学史講義』は哲学の歴史記述とヘーゲル哲学が調和したものとなり,ヘーゲルの意図が鮮明に表現されている。新版は『論理学』とは違った独特の哲学体系をもち,その意味で『論理学』から始まる哲学への入門ともなりうる。さらにヘーゲル哲学に由来する固有の哲学史としての相貌が明らかになり,旧版では除外された東洋哲学にも視点が伸びているのが読みとれる。
ヘーゲル哲学史の功績は,原典に立ち返りながらヘーゲル哲学固有の見地から古代ギリシア哲学を復権させたことにあった。なかでもそれまで表面に現れずに決定的な局面で影響力を保ちつづけてきた「新プラトン主義」を前面に出して考察したところが特徴となる。とくに新版ではヘーゲル独自の新プラトン主義解釈が初めて精確に示され,研究者の間で邦訳が待ち望まれていた。
本書で施された詳密な註解は,日本の研究水準の今後のヘーゲル研究の方向性を提示している。
新版『哲学史講義』は哲学の歴史記述とヘーゲル哲学が調和したものとなり,ヘーゲルの意図が鮮明に表現されている。新版は『論理学』とは違った独特の哲学体系をもち,その意味で『論理学』から始まる哲学への入門ともなりうる。さらにヘーゲル哲学に由来する固有の哲学史としての相貌が明らかになり,旧版では除外された東洋哲学にも視点が伸びているのが読みとれる。
ヘーゲル哲学史の功績は,原典に立ち返りながらヘーゲル哲学固有の見地から古代ギリシア哲学を復権させたことにあった。なかでもそれまで表面に現れずに決定的な局面で影響力を保ちつづけてきた「新プラトン主義」を前面に出して考察したところが特徴となる。とくに新版ではヘーゲル独自の新プラトン主義解釈が初めて精確に示され,研究者の間で邦訳が待ち望まれていた。
本書で施された詳密な註解は,日本の研究水準の今後のヘーゲル研究の方向性を提示している。