ホーム > ヘーゲル 精神の深さ
目次
序章
第一節 本書の目的
第二節 現代においてヘーゲル哲学を研究する意義
第三節 本書の独自性
第一章 外化と内化について
第一節 現在までの研究動向
第二節 「外化」としての行動
第三節 言葉における「外化」と「内化」の機能
第四節 行動と言葉との関係
第二章 言葉について
第一節 「感性的確信」と言葉の普遍性の問題
第二節 ヘーゲルにおける「想起」と言葉の関係
第三章 行動について
第一節 『精神現象学』における〈ファウスト主義〉の没落
第二節 行為する自己意識と実体との関係
第四章 行動と言葉
第一節 「人倫的世界」における行動と言葉―宿命から運命へ
第二節 ヘーゲルにおける女性と男性の位置づけ
第三節 教養の国における「疎外」の行動と言葉
第四節 「良心」論における行動と言葉
第五節 「良心」論,「美しい魂」に関する考察
第五章 宗教と言葉
第一節 「宗教」章における言葉の意義
第二節 キリスト教における言葉―イエスという言葉
付節 ヘーゲルにおける行動と言葉の現れ―ゲーテとの対照から
終 章
第一節 本書の目的
第二節 現代においてヘーゲル哲学を研究する意義
第三節 本書の独自性
第一章 外化と内化について
第一節 現在までの研究動向
第二節 「外化」としての行動
第三節 言葉における「外化」と「内化」の機能
第四節 行動と言葉との関係
第二章 言葉について
第一節 「感性的確信」と言葉の普遍性の問題
第二節 ヘーゲルにおける「想起」と言葉の関係
第三章 行動について
第一節 『精神現象学』における〈ファウスト主義〉の没落
第二節 行為する自己意識と実体との関係
第四章 行動と言葉
第一節 「人倫的世界」における行動と言葉―宿命から運命へ
第二節 ヘーゲルにおける女性と男性の位置づけ
第三節 教養の国における「疎外」の行動と言葉
第四節 「良心」論における行動と言葉
第五節 「良心」論,「美しい魂」に関する考察
第五章 宗教と言葉
第一節 「宗教」章における言葉の意義
第二節 キリスト教における言葉―イエスという言葉
付節 ヘーゲルにおける行動と言葉の現れ―ゲーテとの対照から
終 章
内容説明
ヘーゲルにおける外化と内化は,歴史的世界での人間から実体への外化と,宗教的世界における神から人間への内化が別次元の問題として考察されてきた。それら両者を統一的に関連づけて分析することにより,『精神現象学』の理解に新たな光を投ずる。
『精神現象学』を行動と言葉とによる自己意識の外化と内化(想起)の過程として捉え,自己意識による社会,人倫,神といった実体への働きかけである外化が,実体から自己意識への作用としての内化でもあることを解明する。自己意識は実体に規定されるが,主体性と自由をもって自ら決断し行動すると共に,言葉により普遍的なものや他者と関わる。ヘーゲルにおいて実体は自己意識の運動を通して生成する主体でもあった。
精神は意識と自己意識と理性の諸形態として現象し,「精神」へと至る。精神は世界の歴史的現実を経験し,各段階において言葉と行動により外化が行われる。自己意識は言葉と行動を用いて自らを外化することにより自らを限界づけ,自己の何であるかを知り,実体から自己意識への内化を実現する。行動と言葉の分析を通してヘーゲル哲学における「精神」の深度を探究した意欲的な作品である。
『精神現象学』を行動と言葉とによる自己意識の外化と内化(想起)の過程として捉え,自己意識による社会,人倫,神といった実体への働きかけである外化が,実体から自己意識への作用としての内化でもあることを解明する。自己意識は実体に規定されるが,主体性と自由をもって自ら決断し行動すると共に,言葉により普遍的なものや他者と関わる。ヘーゲルにおいて実体は自己意識の運動を通して生成する主体でもあった。
精神は意識と自己意識と理性の諸形態として現象し,「精神」へと至る。精神は世界の歴史的現実を経験し,各段階において言葉と行動により外化が行われる。自己意識は言葉と行動を用いて自らを外化することにより自らを限界づけ,自己の何であるかを知り,実体から自己意識への内化を実現する。行動と言葉の分析を通してヘーゲル哲学における「精神」の深度を探究した意欲的な作品である。