ホーム > ヘーゲル『精神哲学』の基底と前哨
目次
凡例
まえがき
引用略号
第Ⅰ部 哲学への旅発ち
第一章 少年ヘーゲルと解釈学のモチーフ
はじめに
1 すべてを知っている教師とまだ知らない生徒
2 「伝承」と「検証」
3 心の深層と魂の根底
4 超越論的心理学と解釈学
おわりに 精神の帰郷と自然の解釈
第二章 シェリングとチュービンゲン神学校での解釈学
はじめに
1 学位論文と聖書解釈学
2 「神話論」における歴史記述への批判的検証
3 「ティマイオス注解」における似像を生み出す表象能力
4 解釈学的循環から超越論的観念論へ
おわりに 自然の解釈を通したヘーゲルとシェリングの邂逅
第三章 「導入教育」と心理学――「精神哲学」への旅発ち
はじめに
1 フラットによる「心理学」講義とヘーゲルの『精神哲学』
2 プラトナーとシュミット
3 「導入教育」の役割をめぐる心理学の超克
4 経験的心理学から超越論的観念論へ
おわりに ヘーゲルのPropädeutik
第Ⅱ部 ヘーゲル哲学の前哨
第四章 ドイツ観念論におけるスピノザ主義――ヘーゲルの,失われた「フィッシュハーバー批評」「ヘルダー批評」に照らして
はじめに
1 予定調和の帰趨
2 実体に自由を見るために
3 すべてを蔵する自我
4 ヤコービとフィッシュハーバーにとって自我の外には何もない
おわりに 失われたヘーゲルの「ヘルダー批評」
第五章 一者の影――ヤコービによる「ブルーノからの抜き書き」の思想史的な意義について
はじめに
1 「抜き書き」は抜粋ではなかった
2 「抜き書き」とシェリングの『ブルーノ』
3 一者の影へと瓦解する経験的世界
4 精神の階梯
おわりに シェリングからゲーテへと向き直り
第六章 自然と生命――シェリング『自然哲学の理念』に寄せて
はじめに
1 二元論の狭間から
2 スピノザとライプニッツを区別して
3 生の一元論を構想する
4 シェリングは『デヴィッド・ヒューム』から「生」の思想を受容した
おわりに ヘーゲルも『デヴィッド・ヒューム』から「生」の思想を受容した
第Ⅲ部 精神哲学の基底
第七章 自然の詩情と精神の忘恩――ヘーゲルにおける「精神哲学」と「自然哲学」との関係づけ
はじめに
1 シェリングの自然哲学の前哨
2 リッターをめぐるシェリングとヘーゲル
3 ヘーゲルの『自然哲学』と「自然の無力」
4 生から精神へ
おわりに 母なる故郷を創建する「精神の忘恩」
第八章 ヘーゲル『精神哲学』の基底と前哨
はじめに
1 地球は生きている
2 『エンツュクロペディー』も生きている
3 精神は生きている
おわりに 導入教育としてのエンツュクロペディー
第九章 心の深処と知性の竪坑――ヘーゲル『精神哲学』の改訂を視野に入れ
はじめに
1 竪坑の通じるところ
2 竪坑の汲み尽くすもの
3 竪坑の辿り着く先
おわりに スピノザ主義とされた嫌疑を払う「竪抗」
第Ⅳ部 精神哲学の源泉
第一〇章 変容(Metamorphose)と進展(Evolution)
はじめに
1 シェリングにおけるメタモルフォーゼ把握
2 前成説における開展の脈路
3 精神の進展への脈路
おわりに メタモルフォーゼと展開
第一一章 物語の内在化と心の表出――ドレスデン探訪に寄せて,ヘーゲルにおける絵画論の成立を考える
はじめに
1 ハイデルベルクでの美学講義
2 ヘーゲルの美学思想の淵源と芸術終焉論
3 ドレスデンで出会った物語を生きる主体
4 異時同図法と物語の外在
おわりに 精神の連関と在るところのものの了解
第一二章 色と心――ヘーゲルによるゲーテの『色彩論』の受容をめぐって
はじめに
1 ゲーテの『色彩論』とその前哨
2 ヘーゲルによる『色彩論』の受容の推移
3 「美学講義」における色彩と彩色
4 「美学講義」における自然美と芸術美
おわりに 明暗の対比とゲーテへの共鳴
第Ⅴ部 精神哲学の行方
第一三章 「精神の現象学」と「精神の解釈学」――『精神哲学』において何故「心理学」が「精神の現象学」よりも上位に位置づけられるのか?
はじめに
1 観念の連合と知性の竪坑
2 観念連合の法則と経験的心理学
3 「魂の根底」論と心の根底の照射
4 超越論的心理学と精神の解釈学
おわりに 「精神の現象学」が「心理学」より低いのは
第一四章 ヘーゲル『精神哲学』の豊かさとハイデルベルク
はじめに
1 チェセルデンによる報告の受容と「人間学」
2 ハイデルベルクでの人的交流
3 人的交流の結節点としてのボアスレ
4 ヘーゲル『美学』の進化
おわりに 感応の行方
あとがき
索引
まえがき
引用略号
第Ⅰ部 哲学への旅発ち
第一章 少年ヘーゲルと解釈学のモチーフ
はじめに
1 すべてを知っている教師とまだ知らない生徒
2 「伝承」と「検証」
3 心の深層と魂の根底
4 超越論的心理学と解釈学
おわりに 精神の帰郷と自然の解釈
第二章 シェリングとチュービンゲン神学校での解釈学
はじめに
1 学位論文と聖書解釈学
2 「神話論」における歴史記述への批判的検証
3 「ティマイオス注解」における似像を生み出す表象能力
4 解釈学的循環から超越論的観念論へ
おわりに 自然の解釈を通したヘーゲルとシェリングの邂逅
第三章 「導入教育」と心理学――「精神哲学」への旅発ち
はじめに
1 フラットによる「心理学」講義とヘーゲルの『精神哲学』
2 プラトナーとシュミット
3 「導入教育」の役割をめぐる心理学の超克
4 経験的心理学から超越論的観念論へ
おわりに ヘーゲルのPropädeutik
第Ⅱ部 ヘーゲル哲学の前哨
第四章 ドイツ観念論におけるスピノザ主義――ヘーゲルの,失われた「フィッシュハーバー批評」「ヘルダー批評」に照らして
はじめに
1 予定調和の帰趨
2 実体に自由を見るために
3 すべてを蔵する自我
4 ヤコービとフィッシュハーバーにとって自我の外には何もない
おわりに 失われたヘーゲルの「ヘルダー批評」
第五章 一者の影――ヤコービによる「ブルーノからの抜き書き」の思想史的な意義について
はじめに
1 「抜き書き」は抜粋ではなかった
2 「抜き書き」とシェリングの『ブルーノ』
3 一者の影へと瓦解する経験的世界
4 精神の階梯
おわりに シェリングからゲーテへと向き直り
第六章 自然と生命――シェリング『自然哲学の理念』に寄せて
はじめに
1 二元論の狭間から
2 スピノザとライプニッツを区別して
3 生の一元論を構想する
4 シェリングは『デヴィッド・ヒューム』から「生」の思想を受容した
おわりに ヘーゲルも『デヴィッド・ヒューム』から「生」の思想を受容した
第Ⅲ部 精神哲学の基底
第七章 自然の詩情と精神の忘恩――ヘーゲルにおける「精神哲学」と「自然哲学」との関係づけ
はじめに
1 シェリングの自然哲学の前哨
2 リッターをめぐるシェリングとヘーゲル
3 ヘーゲルの『自然哲学』と「自然の無力」
4 生から精神へ
おわりに 母なる故郷を創建する「精神の忘恩」
第八章 ヘーゲル『精神哲学』の基底と前哨
はじめに
1 地球は生きている
2 『エンツュクロペディー』も生きている
3 精神は生きている
おわりに 導入教育としてのエンツュクロペディー
第九章 心の深処と知性の竪坑――ヘーゲル『精神哲学』の改訂を視野に入れ
はじめに
1 竪坑の通じるところ
2 竪坑の汲み尽くすもの
3 竪坑の辿り着く先
おわりに スピノザ主義とされた嫌疑を払う「竪抗」
第Ⅳ部 精神哲学の源泉
第一〇章 変容(Metamorphose)と進展(Evolution)
はじめに
1 シェリングにおけるメタモルフォーゼ把握
2 前成説における開展の脈路
3 精神の進展への脈路
おわりに メタモルフォーゼと展開
第一一章 物語の内在化と心の表出――ドレスデン探訪に寄せて,ヘーゲルにおける絵画論の成立を考える
はじめに
1 ハイデルベルクでの美学講義
2 ヘーゲルの美学思想の淵源と芸術終焉論
3 ドレスデンで出会った物語を生きる主体
4 異時同図法と物語の外在
おわりに 精神の連関と在るところのものの了解
第一二章 色と心――ヘーゲルによるゲーテの『色彩論』の受容をめぐって
はじめに
1 ゲーテの『色彩論』とその前哨
2 ヘーゲルによる『色彩論』の受容の推移
3 「美学講義」における色彩と彩色
4 「美学講義」における自然美と芸術美
おわりに 明暗の対比とゲーテへの共鳴
第Ⅴ部 精神哲学の行方
第一三章 「精神の現象学」と「精神の解釈学」――『精神哲学』において何故「心理学」が「精神の現象学」よりも上位に位置づけられるのか?
はじめに
1 観念の連合と知性の竪坑
2 観念連合の法則と経験的心理学
3 「魂の根底」論と心の根底の照射
4 超越論的心理学と精神の解釈学
おわりに 「精神の現象学」が「心理学」より低いのは
第一四章 ヘーゲル『精神哲学』の豊かさとハイデルベルク
はじめに
1 チェセルデンによる報告の受容と「人間学」
2 ハイデルベルクでの人的交流
3 人的交流の結節点としてのボアスレ
4 ヘーゲル『美学』の進化
おわりに 感応の行方
あとがき
索引
内容説明
ヘーゲルはいかにして「哲学者ヘーゲル」となったのか。17・18世紀のさまざまな書籍や雑誌や新聞などかつては容易に見られなかった資料へのアクセス環境は,近年のデジタルアーカイブの整備によって激変した。本書は,これら多様な資料を活用することにより彼の同時代人の眼を手に入れ,ヘーゲルの哲学的経験や人間模様,さらに思想的交流を通じて生きたヘーゲル像を描く。
第Ⅰ部「哲学への旅発ち」では,少年ヘーゲルの膨大な「抜き書き」の分析から解釈学の問題を抱ええていたことを見出し,さらに当時大きな潮流であった「心理学」のヘーゲル哲学への影響を検証する。
第Ⅱ部「ヘーゲル哲学の前哨」ではヘーゲル哲学の最初のモチーフ「生」をめぐるヤコービからの影響,シェリングの「生」とを比較検討する。
第Ⅲ部「精神哲学の基底」では,当時多くの分野で「エンツュクロペディー」と名付けられた著作が刊行された中,ヘーゲルの『エンツュクロペディー』は如何なる著作を目指したのかを自然科学などの動向にも目を向けて明らかにする。
第Ⅳ部「精神哲学の源泉」では,ゲーテ『色彩論』を受容しつつ「自然哲学」「精神哲学」「美学講義」などで「色」についての見方を深め,ドレスデンでの美術の鑑賞により「美学講義」の内容が充実したことを分析する。
第Ⅴ部「精神哲学の行方」では,ベルリン期に結実する「精神哲学」の背景にある,美術収集家のボアスレなどとのハイデルベルクでの交流を探求する。
従来のヘーゲル研究で常識・定見とされてきた事柄に検討を加え,新たなヘーゲル哲学の見方に挑んだ力作。
第Ⅰ部「哲学への旅発ち」では,少年ヘーゲルの膨大な「抜き書き」の分析から解釈学の問題を抱ええていたことを見出し,さらに当時大きな潮流であった「心理学」のヘーゲル哲学への影響を検証する。
第Ⅱ部「ヘーゲル哲学の前哨」ではヘーゲル哲学の最初のモチーフ「生」をめぐるヤコービからの影響,シェリングの「生」とを比較検討する。
第Ⅲ部「精神哲学の基底」では,当時多くの分野で「エンツュクロペディー」と名付けられた著作が刊行された中,ヘーゲルの『エンツュクロペディー』は如何なる著作を目指したのかを自然科学などの動向にも目を向けて明らかにする。
第Ⅳ部「精神哲学の源泉」では,ゲーテ『色彩論』を受容しつつ「自然哲学」「精神哲学」「美学講義」などで「色」についての見方を深め,ドレスデンでの美術の鑑賞により「美学講義」の内容が充実したことを分析する。
第Ⅴ部「精神哲学の行方」では,ベルリン期に結実する「精神哲学」の背景にある,美術収集家のボアスレなどとのハイデルベルクでの交流を探求する。
従来のヘーゲル研究で常識・定見とされてきた事柄に検討を加え,新たなヘーゲル哲学の見方に挑んだ力作。