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若きマン兄弟の確執

若きマン兄弟の確執

新潟大学人文学部研究叢書1

著者 三浦 淳
ジャンル 文学
出版年月日 2006/03/31
ISBN 9784901654692
判型・ページ数 A5・344ページ
定価 本体5,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

1 ハインリヒ・マンの『女神たち』三部作
2 『女神たち』に対するトーマス・マンの反応
3 『トニオ・クレーガー』
4 ハインリヒ・マンの『ピッポ・スパーノ』
5 ハインリヒ・マンの『愛を求めて』
6 確執の顕在化――トーマス・マンのハインリヒ・マン批判
7 トーマス・マンの結婚
8 作品に見る転換期のハインリヒ・マン
9 トーマス・マンの結婚とハインリヒ・マン
付録 ハインリヒ・マン『ギュスターヴ・フロベールとジョルジュ・サンド』

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内容説明

ロマン主義の時代すなわち芸術家の時代であった19世紀が終わり,新しい世紀には市民社会の進展にともない芸術家のあり方が根本から問い直されることになった。
トーマス・マンと兄ハインリヒ・マンの青春の季節も終わろうとする20代から30代,とくに1903年から1905年にかけて,兄弟の間で芸術と生の関わり方について深刻な対立が生じ,そのことが後の彼らの創作活動に決定的な影響をもたらした。
本書はトーマス・マンの処女作『トニオ・クレーガー』の主題である〈市民対芸術〉において,その芸術を象徴する人物こそ兄ハインリヒであったことを,彼らの作品をはじめ書簡や書評など多岐にわたる資料の綿密な分析を通して明らかにする。さらにトーマス・マンに比べ,わが国では翻訳も少なく研究も限られている兄ハインリヒの作品を紹介・分析することにより,彼が弟のトーマス・マンに如何に大きな影響を与えたかを考察する。20世紀ドイツ文学に大きな足跡を残した兄弟の文学的営為の意義を解明した初の本格的な業績である。

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