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古典の挑戦 第2版  新刊 これから出る本

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古典の挑戦 第2版

4月30日予定

著者 葛西 康徳
ヴァネッサ・カサート
吉川 斉
末吉 未来
ジャンル 文学
出版年月日 2025/04/30
ISBN 9784862854360
判型・ページ数 菊判・748ページ
定価 本体5,300円+税
在庫 未刊・予約受付中
 

目次

まえがき(葛西康徳)


第1部 記憶と再現

1 ギリシアは東からやって来た?(クリストファー・メットカルフ)
歴史的概要/楔形文字と古代近東文学/「起源の歌」概要/「起源の歌」とヘシオドス/『ギルガメシュ叙事詩』とホメロス/現在の研究アプローチ/参考文献

2 ホメロス問題に挑む(ベルナルド・バッレステロス)
はじめに/耳で聞く詩/テクストとその起源/ホメロス問題へのアプローチ/『イリアス』,『オデュッセイア』とトロイア戦争にまつわる叙事詩の伝統/ホメロスとその出典/参考文献

3 ギリシア抒情詩,復元の挑戦(ヴァネッサ・カサート)
古典学における抒情詩/復元への第一歩/作者を推定する試み―サッポーとアルカイオス/抒情詩とパフォーマンス―独唱/抒情詩とパフォーマンス―合唱/抒情詩の語り手/参考文献

4 「悲劇」は悲しい劇なのか?(グンター・マーティン)
はじめに/神話物語としての悲劇/公的な行事や宗教儀礼としての悲劇/演技としての悲劇/参考文献

5 喜劇を真面目に読む(アデル・C・スカフーロ)
はじめに/ギリシア喜劇/ローマ喜劇/参考文献

6 ローマで観る演劇(ドメニコ・ジョルダーニ)
はじめに/パッリアタ劇/トガタ劇/トラベアタ劇/コトゥルナタ劇/プラエテクスタ劇/理論と実践/参考文献

7 ヘレニズム文学の彩り(マッシモ・ジュゼッペッティ)
はじめに/文学活動への公的な支援/劇作と「エピグラム」/三人の学者詩人―カッリマコス,テオクリトス,アポッロニオス/三人の詩人の周辺―その他の主たるヘレニズム作家たち/ヘレニズムと歴史記述/翻案・偽作―ヘレニズムの新しい文学/参考文献

8 アウグストゥスと詩人たち(日向太郎)
はじめに/内乱と平和―ウェルギリウスの場合/内乱と平和―ホラティウスの場合/詩のなかで歌われるアクティウムの海戦―ホラティウスとウェルギリウスの場合/恋愛エレゲイア詩人―プロペルティウス/恋愛エレゲイア詩人―ティブッルス/エレゲイア詩人から叙事詩人へ―オウィディウス/参考文献

9 ローマでギリシアを主張する――セカンド・ソフィスティック(ベネデク・クルチオ)
「セカンド・ソフィスティック」?/ソフィストとその活動/パイデイア―過去,そして現在/帝政期ローマの修辞学とソフィスト的文学/主要な作家たち/読書案内/参考文献


第2部 素材と受容

10 古典ができるまで――テクスト批判(パトリック・フィングラス)
はじめに/初期の印刷本/現代の校訂本/デジタル化された校訂本/校訂作業の実例/結び/参考文献

11 蘇るパピルス(エンリコ・エマヌエレ・プロディ)
はじめに/「パピルス」とは何か?/何故エジプトか/科学技術とパピルスの解読/パピルス学の始まり/参考文献

12 壺絵は語る(フランソワ・リッサラーグ)
イマージュの人類学/イマージュとは何か? 何を意味するのか?/イマージュとコンテクスト/陶器に描かれたイマージュ/イマージュとホメロス/結論/参考文献

13 歴史の中のギリシア美術(ロビン・オズボーン)
古典期の美術史/古代美術史研究へのアプローチ―ヴィンケルマンとその遺産/古代美術史研究へのアプローチ―20世紀/古代美術史研究へのアプローチ―21世紀/結び/参考文献

14 聞く神話,見る神話――ギリシア神話の表現とプロメテウス(クレシミール・ヴコヴィッチ/末吉未来)
神話を論じることの難しさ/ギリシアの神々―オリュンポス十二神/ギリシア神話のはじまり―ヘシオドスが語るプロメテウス神話/「プロメテウス」が持つイメージ―現代のプロメテウス/プロメテウスの過去,現在,未来―アイスキュロスが見せるプロメテウス神話/神話の正体/参考文献

15 ローマ神話の紡がれかた(クレシミール・ヴコヴィッチ/マリア・マリオラ・グラヴァン)
序/ローマの神話と歴史/ローマの神々と英雄たち/ローマ建国神話―ロムルスとレムス/ローマの女性/神話と環境/参考文献

16 ギリシアを翻訳する――バルバロイの文化への翻訳(ドメニコ・ジョルダーニ)
はじめに/創世神話の翻訳―「環状の濠」とヘシオドスが描くカオス/散文の翻訳―ローマに持ち込まれたエウヘメロス/叙事詩の翻訳―ローマ版『オデュッセイア』/参考文献

17 古代演劇を日本で研究する(マクシム・ピエール)
ディオニュソス,ヨーロッパから日本へ/日本とギリシア演劇の出会い/ギリシア演劇と日本演劇―実りある比較/日本におけるギリシア悲劇―世界劇場/世界が聴いている演劇/参考文献

18 「イソップ」の渡来と帰化(吉川 斉)
はじめに/イエズス会と『エソポのハブラス』/『伊曽保物語』と江戸時代/幕末・明治初期の「イソップ」/『通俗伊蘇普物語』の登場/修身教育と「イソップ」/参考文献


第3部 思想と人間

19 哲学がうまれる(納富信留)
古代ギリシアと哲学/哲学の誕生をめぐって/スタイルの革新と葛藤/自然の探究/「ある」の形而上学/理論体系としての哲学/生き方をめぐる哲学の広がり/参考文献

20 よく語ること(吉田俊一郎)
ギリシア・ローマにおける弁論・修辞学の重要性/ギリシアの弁論と修辞学/ローマの弁論と修辞学/ギリシア・ローマの修辞学理論/参考文献

21 歴史を創ること(オズウィン・マリー)
古代ギリシアの歴史学/ヘレニズム時代の歴史学/ローマの歴史学/古代から近代へ―近代から見たギリシア・ローマ/参考文献

22 ギリシア人の法と裁判(葛西康徳/ゲーアハルト・チュール)
裁判術と裁判実務/脱刑事法/デモステネス一般法廷弁論/参考文献

23 ローマ人の法と法文化(アーネスト・メッツガー)
はじめに/都市法務官/法律家/代行と弁論/ローマ法はどのように表現されているか/ローマ法はどのようにまとめられているか/センターは財産法/ローマ法の学ばれ方/訳者解説/参考文献

24 ギリシア教(ロバート・パーカー)
神々とその他のパワー/宗教的権威―ポリス教/儀礼/あの世/批判と存続/訳者解説/参考文献

25 踊る合唱隊(末吉未来)
古代ギリシアの合唱隊(コロス)/コロスとは何か/神に祈るコロス/コレゴスを引き立てるコロス/結び/参考文献

26 古典古代の人類学(アンドレア・タデイ)
はじめに―古典歴史人類学の誕生/言葉,観念,神々/正義の神々/神から人間へ/殺人と宗教/pre-law―ホメロスとギリシア悲劇/神話から現実へ―とある裁判事例の考察/呪いと誓い/結び/参考文献

27 妥協するギリシア人(葛西康徳)
ギリシア人/peithomai / peitho/アゴーンagon/In (half) losers’ eyes/参考文献

結びに代えて――21世紀の古代ギリシア・ローマ(ティム・ウィットマーシュ)
生き残った古代/ギリシア・ローマのもたらす功罪/古典を学ぶこととは

第2版 あとがき(葛西康徳)
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