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中世哲学講義 第三巻

昭和50年―52年度

中世哲学講義 第三巻
著者 山田 晶
小浜 善信
ジャンル 哲学・思想 > 中世哲学
シリーズ 中世哲学講義
出版年月日 2021/12/20
ISBN 9784862853530
判型・ページ数 A5・312ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例
聖書略号
山田晶『中世哲学講義』について

昭和五〇年度(一九七五年)前期講義
 第一章 グノーシスの意味(一)――ギリシア語としての意味
 第二章 グノーシスの意味(二)――ギリシア語としての意味(続き),アリストテレス
 第三章 グノーシスの意味(三)――ヘレニズム時代における意味,アリストテレスとヘレニズム
 第四章 グノーシスの意味(四)――ヘレニズム時代における意味,ポリスからコスモポリスへ
 第五章 グノーシスの意味(五)――ヘレニズム時代における意味,ポリスの哲学からコスモポリスの哲学へ
 第六章 グノーシスの意味(六)――ヘレニズム時代における意味,ポリスの倫理からコスモポリスの倫理へ
 第七章 グノーシスの意味(七)――ヘレニズム時代における意味,エピクロス

昭和五〇年度(一九七五年)後期講義
 第八章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(一)――宗教哲学の本質としての《グノーシス》
 第九章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(二)――エピクロスとプラトン
 第一〇章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(三)――エピクロスのアタラクシアについて
 第一一章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(四)――エピクロスとアトム論
 第一二章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(五)――アトム論と快楽主義
 第一三章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(六)――ヘレニズム時代の救済知としてのエピクロス哲学
 第一四章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(七)――ゼノンとエピクロス
 第一五章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(八)――エピクロス哲学とストア哲学との共通性と相違点
 第一六章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(九)――ストア哲学とエピクロス哲学における「善く生きる」こと
 第一七章 ヘレニズム哲学におけるグノーシス(一〇)――プラトンのポリスの倫理とエピクロス,ストア哲学によるポリスの超越

昭和五一年度(一九七六年)前期講義
 第一章 グノーシスの意味(一)――グノーシスの第一段階,アリストテレスにおけるグノーシス
 第二章 グノーシスの意味(二)――グノーシスの第二段階,プラトンにおけるグノーシス
 第三章 グノーシスの意味(三)――グノーシスの第三段階,宗教的救済知としてのグノーシス
 第四章 グノーシスの意味(四)――グノーシスの第四段階,パウロとグノーシス
 第五章 グノーシスの意味(五)――キリスト教的グノーシス,『コリント前書』の意義
 第六章 グノーシスの意味(六)――『コリント前書』におけるグノーシス,分裂の問題
 第七章 グノーシスの意味(七)――『コリント前書』におけるグノーシス,性生活に関する問題

昭和五一年度(一九七六年)後期講義
 第八章 パウロとグノーシス(一)――パウロとグノーシスとの関係
 第九章 パウロとグノーシス(二)――『コリント前書』におけるグノーシス,パウロの結婚観
 第一〇章 パウロとグノーシス(三)――『コリント前書』におけるグノーシス,パウロの結婚観(続き)
 第一一章 パウロとグノーシス(四)――パウロの結婚観,独身者に対する勧め
 第一二章 パウロとグノーシス(五)――パウロの結婚観,既婚者に対する勧め
 第一三章 パウロとグノーシス(六)――パウロの結婚観,「そのほかの人々」に対する忠告
 第一四章 パウロとグノーシス(七)――パウロの結婚観,「そのほかの人々」に対する忠告(続き)
 第一五章 パウロとグノーシス(八)――パウロの結婚観,結婚の善について
 第一六章 パウロとグノーシス(九)――カリスマと愛

昭和五二年度(一九七七年)前期講義
 第一章 グノーシス思想(一)――グノーシス思想とは何か
 第二章 グノーシス思想(二)――グノーシス思想のヘレニズム的歴史的背景
 第三章 キリスト教におけるグノーシス思想(一)――福音書にあらわれるイエスのグノーシス思想
 第四章 キリスト教におけるグノーシス思想(二)――『コリント前書』にあらわれるパウロのグノーシス思想
 第五章 キリスト教におけるグノーシス思想(三)――『コリント前書』にあらわれるパウロのグノーシス思想(続)
 第六章 キリスト教におけるグノーシス思想(四)――パウロのグノーシス思想,《強き人》と《弱き人》

昭和五二年度(一九七七年)後期講義
 第七章 キリスト教におけるグノーシス思想(五)――パウロのグノーシス思想,「霊の賜物」について
 第八章 キリスト教におけるグノーシス思想(六)――パウロのグノーシス思想,カリスマの根原,目的および秩序
 第九章 キリスト教におけるグノーシス思想(七)――パウロのグノーシス思想,カリスマの与えられる目的
 第一〇章 キリスト教におけるグノーシス思想(八)――パウロのグノーシス思想,カリスマにおける秩序
 第一一章 キリスト教におけるグノーシス思想(九)――パウロのグノーシス思想,使徒とカリスマ 二三三
 第一二章 キリスト教におけるグノーシス思想(一〇)――パウロのグノーシス思想,使徒のカリスマ
 第一三章 キリスト教におけるグノーシス思想(一一)――パウロのグノーシス思想,使徒の資格としての《召された者》
 第一四章 キリスト教におけるグノーシス思想(一二)――パウロのグノーシス思想,使徒のカリスマ

後記
中世哲学講義総目次
山田晶参照文献一覧
聖書索引
人名索引

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内容説明

京都大学の学部生に向けた昭和41年から58年まで18年に及ぶ「中世哲学」講義を全5巻に収録した,他に類のない貴重な記録である。講義は明快な語り口とともに,そのつどの関心や研究成果を織り交ぜ,中世哲学の意味や意義,そして歴史的に形成されてきた中世哲学の背景など,多様なヨーロッパ中世への招待となっている。
本巻では昭和50-52年度までの3年間の講義を収載する。
キリスト教におけるグノーシス思想,とくにパウロのグノーシス思想を考察するために,プラトンとアリストテレスのグノーシス概念を比較検討し,両者における意味の違いを考察する。さらにヘレニズム時代におけるエピクロスとストア派のグノーシスが「宗教的救済知」であることを明らかにする。それらを踏まえてヘレニズム世界に新たに勃興してきたキリスト教のグノーシス的側面が解明される。
パウロが『コリント前書』で論じる信者間の「分裂」や「性生活」,さらに「霊的賜物」や「結婚」の問題等について,グノーシス思想との関連に基づく分析・解明は,『中世哲学講義』全五巻の論述の中でも圧巻の明晰性,独自性,そして深度を示している。
山田晶教授の広範な歴史的視野と独自の着想は,若い読者のみならず研究者にとっても示唆に富むものである。講義の臨場感を味わいつつ,講義を組み立てるうえで盛り込まれている有益な事例は,現場の教師にとり参考となろう。

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