ホーム > キリスト者の生のかたち
目次
はしがき/序
Ⅰ ニュッサのグレゴリオス
一 『キリスト者の生のかたち』(キリスト教綱要)
二 『モーセの生涯』
三 『雅歌講話』
Ⅱ 証聖者マクシモス
四 『愛についての四百の断章』
五 『神学と受肉の摂理とについて』
六 『主の祈りについての講解キリストを愛する人に向けての簡潔な解釈』
Ⅲ ミーニュ・ギリシア教父全集より
七 『砂漠の師父の言葉』
あとがき/参考文献/索引
Ⅰ ニュッサのグレゴリオス
一 『キリスト者の生のかたち』(キリスト教綱要)
二 『モーセの生涯』
三 『雅歌講話』
Ⅱ 証聖者マクシモス
四 『愛についての四百の断章』
五 『神学と受肉の摂理とについて』
六 『主の祈りについての講解キリストを愛する人に向けての簡潔な解釈』
Ⅲ ミーニュ・ギリシア教父全集より
七 『砂漠の師父の言葉』
あとがき/参考文献/索引
内容説明
本書は中期と後期の東方教父を代表するニュッサのグレゴリオス(335頃-394)と証聖者マクシモス(580頃-662)による6つの古典作品と初期の修道者の記録『砂漠の師父の言葉』から主要部分を編集,東方教父と東方キリスト教の伝統を紹介する詞華集である。
東方・ギリシア教父と西方・ラテン教父の伝統は,2世紀から8世紀半ばにわたり,ヘブライ・キリスト教が古代ギリシア思想を受容,超克することにより形成され,ヨーロッパ世界の源泉となった。
東方教父にあっては,修道と学問が渾然一体のものとして営まれ,神ヤハウェの本質は不可知で超越そのものであり,ただ万物に及ぶ神の働きエネルゲイアを通して経験され知られるに過ぎない。この本質と働きとの峻別こそ,東方キリスト教の特徴である。神を語る神学と知恵を愛する哲学は一つのものであった。
「イエス・キリストとは,いかなる存在か」という教父たちの問いは,われわれにとっても「人間とは何か,人々の真の交わり・愛とは何か」の問いへと連なる切実な事態である。読者は珠玉の言葉を通して,自己を超えて善き存在へと変容していくアレテー(徳)の可能性と人間の真実の意味を見出すに違いない。
東方・ギリシア教父と西方・ラテン教父の伝統は,2世紀から8世紀半ばにわたり,ヘブライ・キリスト教が古代ギリシア思想を受容,超克することにより形成され,ヨーロッパ世界の源泉となった。
東方教父にあっては,修道と学問が渾然一体のものとして営まれ,神ヤハウェの本質は不可知で超越そのものであり,ただ万物に及ぶ神の働きエネルゲイアを通して経験され知られるに過ぎない。この本質と働きとの峻別こそ,東方キリスト教の特徴である。神を語る神学と知恵を愛する哲学は一つのものであった。
「イエス・キリストとは,いかなる存在か」という教父たちの問いは,われわれにとっても「人間とは何か,人々の真の交わり・愛とは何か」の問いへと連なる切実な事態である。読者は珠玉の言葉を通して,自己を超えて善き存在へと変容していくアレテー(徳)の可能性と人間の真実の意味を見出すに違いない。