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目次
略号表/序文
第Ⅰ部 誕生から再生まで 1033-1070年
第1章 監禁からの逃亡
一 一族と地域的な背景
二 北への逃亡
第2章 決断の年
一 アンセルムスとランフランクスの出会い
二 教皇の政策の衝撃
三 ランフランクスのローマ訪問
四 アンセルムスの見習い期間
五 ベックの知的な活動,1050-1060年に関する注記
第3章 アンセルムスとランフランクス
一 アンセルムスの将来へのランフランクスの貢献
二 アンセルムスはランフランクスに何を負っていると認めていたか
三 アンセルムスの『グラマティクスについて』
四 道の分岐
第4章 沈黙の年月
一 個人的な訓練と共同体の訓練
二 聖書の影響
三 アウグスティヌスの影響
第Ⅱ部 輝きを放つ年月 1070-1093年
第5章 アンセルムスの新たな出発
一 『祈祷』と『瞑想』
二 信心の背景
三 アンセルムス的な転換
四 中世の信心における新たな方向
五 アンセルムスの最終段階
第6章 偉大な瞑想
一 アンセルムスの最初の頂点
二 『モノロギオン』
三 『プロスロギオン』
第7章 友愛の本性と重要性
一 アンセルムスの友愛の書簡
二 友愛の伝統的な型
三 新たなロマンス語文学的理想
四 アンセルムス的な体験
五 同性愛の問題
六 口づけという象徴
七 友愛の神学
八 友愛と天の王国
第8章 喜ばしいことではないが,拡大していく世界
一 神学と世界
二 アンセルムスがこの世と直面すること
第Ⅲ部 発展していく世界における修道院的な視点 1093-1109年
第9章 アンセルムスと人間の状態
一 諸源泉と新たな論争
二 アンセルムスの論証の概観
三 悪魔の権利
四 人間のみが神と共にいること
五 自由,従順,そして罰
六 封建的なイメージと宇宙的な秩序
第10章 「この奴隷状態から私の魂を解き放って下さい」
一 新米の大司教
二 大司教としての生活の枠組み
三 相容れない証拠
第11章 新大司教の従順に関する問題
一 法とは何か
二 修道院的な従順の問題
三 対立した従順の問題
第12章 教会の自由
一 自由に関する二つの見解
二 追放の成果
三 アンセルムス,ヘンリー一世,そして教会の自由
四 最終的な回顧
第13章 修道院共同体の自由
一 ランフランクスのもとでの組織
二 アンセルムスによる解放の影響力
三 アンセルムス的な自由
第14章 古い自由――カンタベリーの首位権
一 首位権の諸原則
二 首位権の諸特権
三 ヨークとの闘争
四 行動における首位権
五 首位権に関するカンタベリーの主張は偽造に依拠していたのか
第Ⅳ部 友人たちと弟子たちの収穫期
第15章 アンセルムスの初期の神学的な弟子たち
一 カンタベリーにおけるアンセルムスの仲間
二 アンセルムスの思想を敷衍した人々
第16章 アンセルムスの言葉と書簡の収集者
一 談話と説教の報告
二 アンセルムスの書簡の収集者たち
第17章 エアドメルスとアンセルムス
一 弟子の成長
二 エアドメルスの「アンセルムス」――親密な肖像から聖人の『伝記』へ
三 アンセルムスの足跡に従って
第18章 回顧
一 彼の時代におけるアンセルムス――二つの世界のあいだに
二 アンセルムスの生活と思想の統一性
三 アンセルムスはヒューマニストではないこと
四 アンセルムスと永遠
訳者あとがき
付録 アンセルムスの書簡の歴史のために(主要な写本/諸問題とそれらの重要性/ベック修道院の副院長そして院長時代のアンセルムスの書簡/アンセルムスの大司教時代の往復書簡/書簡集の伝承/要約)
年表 アンセルムスの生涯と著作および列聖/参考文献/原註/索引
第Ⅰ部 誕生から再生まで 1033-1070年
第1章 監禁からの逃亡
一 一族と地域的な背景
二 北への逃亡
第2章 決断の年
一 アンセルムスとランフランクスの出会い
二 教皇の政策の衝撃
三 ランフランクスのローマ訪問
四 アンセルムスの見習い期間
五 ベックの知的な活動,1050-1060年に関する注記
第3章 アンセルムスとランフランクス
一 アンセルムスの将来へのランフランクスの貢献
二 アンセルムスはランフランクスに何を負っていると認めていたか
三 アンセルムスの『グラマティクスについて』
四 道の分岐
第4章 沈黙の年月
一 個人的な訓練と共同体の訓練
二 聖書の影響
三 アウグスティヌスの影響
第Ⅱ部 輝きを放つ年月 1070-1093年
第5章 アンセルムスの新たな出発
一 『祈祷』と『瞑想』
二 信心の背景
三 アンセルムス的な転換
四 中世の信心における新たな方向
五 アンセルムスの最終段階
第6章 偉大な瞑想
一 アンセルムスの最初の頂点
二 『モノロギオン』
三 『プロスロギオン』
第7章 友愛の本性と重要性
一 アンセルムスの友愛の書簡
二 友愛の伝統的な型
三 新たなロマンス語文学的理想
四 アンセルムス的な体験
五 同性愛の問題
六 口づけという象徴
七 友愛の神学
八 友愛と天の王国
第8章 喜ばしいことではないが,拡大していく世界
一 神学と世界
二 アンセルムスがこの世と直面すること
第Ⅲ部 発展していく世界における修道院的な視点 1093-1109年
第9章 アンセルムスと人間の状態
一 諸源泉と新たな論争
二 アンセルムスの論証の概観
三 悪魔の権利
四 人間のみが神と共にいること
五 自由,従順,そして罰
六 封建的なイメージと宇宙的な秩序
第10章 「この奴隷状態から私の魂を解き放って下さい」
一 新米の大司教
二 大司教としての生活の枠組み
三 相容れない証拠
第11章 新大司教の従順に関する問題
一 法とは何か
二 修道院的な従順の問題
三 対立した従順の問題
第12章 教会の自由
一 自由に関する二つの見解
二 追放の成果
三 アンセルムス,ヘンリー一世,そして教会の自由
四 最終的な回顧
第13章 修道院共同体の自由
一 ランフランクスのもとでの組織
二 アンセルムスによる解放の影響力
三 アンセルムス的な自由
第14章 古い自由――カンタベリーの首位権
一 首位権の諸原則
二 首位権の諸特権
三 ヨークとの闘争
四 行動における首位権
五 首位権に関するカンタベリーの主張は偽造に依拠していたのか
第Ⅳ部 友人たちと弟子たちの収穫期
第15章 アンセルムスの初期の神学的な弟子たち
一 カンタベリーにおけるアンセルムスの仲間
二 アンセルムスの思想を敷衍した人々
第16章 アンセルムスの言葉と書簡の収集者
一 談話と説教の報告
二 アンセルムスの書簡の収集者たち
第17章 エアドメルスとアンセルムス
一 弟子の成長
二 エアドメルスの「アンセルムス」――親密な肖像から聖人の『伝記』へ
三 アンセルムスの足跡に従って
第18章 回顧
一 彼の時代におけるアンセルムス――二つの世界のあいだに
二 アンセルムスの生活と思想の統一性
三 アンセルムスはヒューマニストではないこと
四 アンセルムスと永遠
訳者あとがき
付録 アンセルムスの書簡の歴史のために(主要な写本/諸問題とそれらの重要性/ベック修道院の副院長そして院長時代のアンセルムスの書簡/アンセルムスの大司教時代の往復書簡/書簡集の伝承/要約)
年表 アンセルムスの生涯と著作および列聖/参考文献/原註/索引
内容説明
西ヨーロッパの形成と発展を論じた『中世の形成』,中世の教会と社会との関係を叙述した『西欧中世の社会と教会』,さらに8世紀から15世紀に至るヨーロッパのイスラム理解に関する『ヨーロッパとイスラム世界』など,ヨーロッパの中世史研究を代表するR.W.サザーン(1912-2001)が,半世紀以上にわたるアンセルムス研究を集大成した画期的作品である。
『アンセルムス伝』を執筆した弟子のエアドメルスをはじめ,祈りと瞑想の修道生活を共にした親密な友人たちに囲まれて生きたアンセルムス(1033-1109)という希有な人格の肖像を,文学的な香りを湛えて見事に描いた歴史叙述の典型的作品である。修道士,神学者,大司教としてだけではない「ひとりの人間」として彼を理解するためには,教会の政治やこの世の政治に対する態度ばかりでなく,彼の「祈?」と「瞑想」,自由と贖罪に関する正確な認識が必要となる。
著者サザーンは主要な著作のみならず多岐にわたる書簡群を考察することにより,友愛に関する彼の理想と実践,修道生活の内部あるいはその境界にいる人々との関係,そして宗教的理想への変わらぬ情熱を,11世紀の移り変わる風景の中で捉えている。時代を越えてアンセルムスと読者を結びつける必読の書。
『アンセルムス伝』を執筆した弟子のエアドメルスをはじめ,祈りと瞑想の修道生活を共にした親密な友人たちに囲まれて生きたアンセルムス(1033-1109)という希有な人格の肖像を,文学的な香りを湛えて見事に描いた歴史叙述の典型的作品である。修道士,神学者,大司教としてだけではない「ひとりの人間」として彼を理解するためには,教会の政治やこの世の政治に対する態度ばかりでなく,彼の「祈?」と「瞑想」,自由と贖罪に関する正確な認識が必要となる。
著者サザーンは主要な著作のみならず多岐にわたる書簡群を考察することにより,友愛に関する彼の理想と実践,修道生活の内部あるいはその境界にいる人々との関係,そして宗教的理想への変わらぬ情熱を,11世紀の移り変わる風景の中で捉えている。時代を越えてアンセルムスと読者を結びつける必読の書。