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アウグスティヌス『告白録』講義

アウグスティヌス『告白録』講義
著者 加藤 信朗
ジャンル 哲学・思想 > 中世哲学
出版年月日 2006/11/25
ISBN 9784901654869
判型・ページ数 4-6・400ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第1講 『告白録』という書物 アウグスティヌスに学ぶことの現代的意義
第2講 第1巻冒頭の二行について 『告白録』の構成,解釈の問題点
第3講 「大いなるもの」 『告白録』冒頭箇所の解釈
第4講 第1巻第2-5章
第5講 回心の過程(離向と帰向) 離向(aversio)の過程
第6講 離向(aversio)の諸要素
第7講 帰向(conuersio)の過程とその諸要素
第8講 プラトン哲学との出会い(第7巻)
第9講 回心の成就・庭園の場・Tolle, lege.(第8巻)
第10-11講 救いの平安(第9巻1-2)
第12-15講 メモリアの内での神の場所の探究(第10巻1-4)

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内容説明

一年半にわたって行った『告白録』講義を全面的に書き改め,独自の知見を盛り込んでなった待望の作品。
戦時下の青春のなかで出合った『告白録』と『パイドン』。それは信仰と哲学への道の端初であり伴侶であった。以来60年以上にわたり,たゆむことなく行われた『告白録』ラテン語テキストとの対話。それは孤独な営みであると同時に多くの講義やセミナーで出会った「信なること」を願い求める人々との「共なる探求」でもあった。
『告白録』はアウグスティヌスが回心後,十数年を経て回心の過程を思い起こし,自己を回心にまで導いた神の憐れみの業の偉大さを讃えるために書かれた。それは自己との対話であり,自己自身にも隠されたものを見出そうとする,真理である神との対話であった。そこでは神と人間との内的な本性的関係が解明され,人間一般に対する神の憐れみの業の大きさが証明される。
著者は独自の観点から,その回心の過程を神から離れゆく「離向」と神に帰ってくる「帰向」の過程として捉えるとともに,アウグスティヌスの東方的要素に注目し,西欧的視点とは違うわれわれ東洋の視点から新たなアウグスティヌス像を示した,著者渾身の作品である。

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