ホーム > 六朝論語注釈史の研究
目次
凡例
序章 六朝論語注釈史研究の試み
一 『隋書』「経籍志」からみた『論語義疏』の引く論語説家と論語説の位置づけ
二 論語注釈史研究に至るまで
三 本書の構成と論述の形式
第一章 魏の論語注釈家
まえがき
一 王朗の論語説
二 王弼の論語説
第二章 晋の論語注釈家
まえがき
(一) 江煕『集解論語』一〇巻――晋代論語説の集大成
一 江煕と『集解論語』一〇巻
二 『集解論語』一〇巻の位置づけとその果たした役割
(二) 江煕の『集解論語』に由来する論語注釈家
一 衛瓘の論語説
二 繆播の論語説
三 郭象の論語説
四 袁氏(袁喬)の論語説
五 蔡謨の論語説
六 李充の論語説
七 孫綽の論語説
八 范甯の論語説
九 欒肇の論語説
一〇 江煕の論語説
(附) 江長の論語説
(三) 江煕の『集解論語』に由来しない論語注釈家
一 庾翼の論語説
二 虞喜の論語説
三 殷仲堪の論語説
四 張憑の論語説
五 繆協の論語説
六 梁冀の論語説
第三章 宋の論語注釈家
まえがき
一 顔延之の論語説
二 釈慧琳の論語説
第四章 南斉の論語注釈家
まえがき
一 顧歓の論語説
二 沈居士の論語説
三 熊埋の論語説
第五章 梁の論語注釈家
まえがき
一 太史叔明の論語説
二 沈峭の論語説
三 褚仲都の論語説
四 師説(賀瑒)の論語説
五 梁・武帝の論語説
第六章 生卒時期を明らかにしない論語注釈家
まえがき
一 苞述の論語説
二 季彪の論語説
三 王雍の論語説
四 宛叔の論語説
五 張對侯の論語説
六 樊光の論語説
七 秦道賓の論語説
八 陸特進の論語説
九 劉歆の論語説
(附) 郷党篇に見える「李注」
初出一覧
あとがき
論語注釈家一覧
索引
序章 六朝論語注釈史研究の試み
一 『隋書』「経籍志」からみた『論語義疏』の引く論語説家と論語説の位置づけ
二 論語注釈史研究に至るまで
三 本書の構成と論述の形式
第一章 魏の論語注釈家
まえがき
一 王朗の論語説
二 王弼の論語説
第二章 晋の論語注釈家
まえがき
(一) 江煕『集解論語』一〇巻――晋代論語説の集大成
一 江煕と『集解論語』一〇巻
二 『集解論語』一〇巻の位置づけとその果たした役割
(二) 江煕の『集解論語』に由来する論語注釈家
一 衛瓘の論語説
二 繆播の論語説
三 郭象の論語説
四 袁氏(袁喬)の論語説
五 蔡謨の論語説
六 李充の論語説
七 孫綽の論語説
八 范甯の論語説
九 欒肇の論語説
一〇 江煕の論語説
(附) 江長の論語説
(三) 江煕の『集解論語』に由来しない論語注釈家
一 庾翼の論語説
二 虞喜の論語説
三 殷仲堪の論語説
四 張憑の論語説
五 繆協の論語説
六 梁冀の論語説
第三章 宋の論語注釈家
まえがき
一 顔延之の論語説
二 釈慧琳の論語説
第四章 南斉の論語注釈家
まえがき
一 顧歓の論語説
二 沈居士の論語説
三 熊埋の論語説
第五章 梁の論語注釈家
まえがき
一 太史叔明の論語説
二 沈峭の論語説
三 褚仲都の論語説
四 師説(賀瑒)の論語説
五 梁・武帝の論語説
第六章 生卒時期を明らかにしない論語注釈家
まえがき
一 苞述の論語説
二 季彪の論語説
三 王雍の論語説
四 宛叔の論語説
五 張對侯の論語説
六 樊光の論語説
七 秦道賓の論語説
八 陸特進の論語説
九 劉歆の論語説
(附) 郷党篇に見える「李注」
初出一覧
あとがき
論語注釈家一覧
索引
内容説明
『論語』の研究,すなわち注釈は漢代から始まり,その成果は魏の何晏(190-249)『論語集解』にまとめられ,また300年後にはそれらも含め新たな研究を集約した梁の皇侃(488-545)『論語義疏』が作られた。両注釈は南宋の朱熹の新注に対し古注と呼ばれた。ところが,『論語集解』から『論語義疏』に至る六朝期は注釈書が散逸し,ほとんど研究されてこなかった。
著者は長年従事してきた皇侃『義疏』の研究成果に基づき,この300年間の論語注釈史を『義疏』の精査により明らかにする。皇侃は,何晏『集解』によりながらも,その解釈の一義性に疑問を抱き,自らの『義疏』では多義性を重んじて,『集解』以後の論語説を可能な限り網羅的に採り上げ,『集解』に基づく解釈である「本解」と,それとは異なる解釈「別解」とによって構成した。
著者は,その中から六朝時代の論語注釈家39人を選び出し,魏,晋,宋,斉,梁,および生没年不明の注釈家に分けて時代順に配列し,注釈家の履歴,その論語説の紹介と検討,さらに問題点の指摘を行う。日常的な言葉による注釈や,その語句の生まれた社会的歴史的状況を考慮して論じる注釈など,多様な注釈が列挙され分析される。最後に資料編では,各論語説の原文を整理・対校した上で掲載し,基礎資料を提供する。
紀元前から現代まで2000年以上に渡る『論語』解釈史を辿る本書は,論語注釈史研究の基礎を築くとともに中国古典学の醍醐味を伝えてやまない意義深い業績である。
著者は長年従事してきた皇侃『義疏』の研究成果に基づき,この300年間の論語注釈史を『義疏』の精査により明らかにする。皇侃は,何晏『集解』によりながらも,その解釈の一義性に疑問を抱き,自らの『義疏』では多義性を重んじて,『集解』以後の論語説を可能な限り網羅的に採り上げ,『集解』に基づく解釈である「本解」と,それとは異なる解釈「別解」とによって構成した。
著者は,その中から六朝時代の論語注釈家39人を選び出し,魏,晋,宋,斉,梁,および生没年不明の注釈家に分けて時代順に配列し,注釈家の履歴,その論語説の紹介と検討,さらに問題点の指摘を行う。日常的な言葉による注釈や,その語句の生まれた社会的歴史的状況を考慮して論じる注釈など,多様な注釈が列挙され分析される。最後に資料編では,各論語説の原文を整理・対校した上で掲載し,基礎資料を提供する。
紀元前から現代まで2000年以上に渡る『論語』解釈史を辿る本書は,論語注釈史研究の基礎を築くとともに中国古典学の醍醐味を伝えてやまない意義深い業績である。