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秦漢刑法研究

秦漢刑法研究
著者 水間 大輔
ジャンル 歴史 > 東洋史
東洋学
出版年月日 2007/12/20
ISBN 9784862850249
判型・ページ数 A5・528ページ
定価 本体9,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序章 秦漢刑法研究史と問題の所在
出土文字資料の發見と秦律・漢律研究の發展/秦漢刑法研究の意義と本稿の目的/唐律との比較について
第一章 秦律・漢律の刑罰制度
死刑/身體刑/勞役刑/財産刑/遷刑/結語
第二章 秦律・漢律における殺人罪の處罰
?殺・賊殺/過失殺・戲殺/謀殺/誤殺/盜殺/保辜/結語
第三章 秦律・漢律における傷害罪の處罰
?傷(?毆傷)/賊傷/過失傷・戲傷/盜傷/結語
第四章 秦律・漢律における竊盜罪の處罰
贓物の金錢的價値と處罰/竊盜罪の共犯に對する處罰/結語
第五章 秦律・漢律における未遂・豫備・陰謀罪の處罰
未遂・豫備・陰謀が既遂よりも輕く處罰される犯罪/未遂・豫備・陰謀が既遂と同一の刑罰に處される犯罪/結語
第六章 秦律・漢律における共犯の處罰
唐律の共犯/秦律の共犯/漢律の共犯/共犯處罰の變化と思想的背景/結語
第七章 秦律・漢律における事後共犯の處罰
犯人の藏匿/贓物の收受・故買・寄藏/結語
第八章 秦律・漢律における連坐制
連坐の概念/伍の連坐/親族の連坐/官吏の連坐/二類型の連坐の相互關係/連坐制における意思の評價と處罰/結語
終章 秦律・漢律における犯罪處罰の傾向
犯罪の成否と處罰の輕重の判斷基準――行爲者の意思・行爲及び行爲の結果に對する評價/複數の者に對する處罰――共犯・事後共犯・連坐/結語
附論 湖南張家界古人堤遺址出土漢簡に見える漢律の賊律・盜律について
古人堤漢簡の賊律/古人堤漢簡の盜律・賊律目録/二年律令と古人堤漢簡漢律の比較/結語

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内容説明

前近代の中国では,法律は民衆を統治するための道具であった。本書は「律」という法規範,その中でも刑法に関わる条文を分析し,国家が民衆を統治しようとする政策的意図を明らかにする。
秦律,漢律のなかの刑罰法規を分析することにより,犯罪処罰の全体的な傾向を考察する。まず殺人,傷害,窃盗など典型的な犯罪に対する処罰を考察,それを踏まえて未遂,予備,陰謀,共犯,連座など犯罪一般に共通する問題を検討して,秦律,漢律では刑罰を通して犯罪の発生を抑止しようとする「一般予防」が,前近代社会のなかでも特に重視されていたことを明らかにする。
中国古代史研究は睡虎地秦簡などここ数十年に多くの出土文物が発見され,従来の文献には未見の多数の史料が出現し,古代史像の再検討が迫られてきた。本書は重要な史料として世界的に研究が進められている張家山漢簡「二年律令」を駆使し,唐律など後世の刑法とも比較しつつ,秦・漢における犯罪と処罰の関係を総合的に解明した先端的な業績である。

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