ホーム > 唐代の道教と天師道
内容説明
日本,中国や欧米の学界において,唐代の道教には上清派を中心に霊宝・洞神・正一派など多数の教派が存在するという学説が半世紀もの長きに亙り信じられてきた.
著者はその定説を根本から批判,唐代に行われていた道教は唯一「天師道」だけであることを明らかにする.
唐代の道教教団の位階制度と国から与えられる給田との実態を分析して,道教が仏教に匹敵する規律ある教団組織をもっており,さらに道士の法位と受法のカリキュラムとの対応関係から,今まで各教派の経典とされてきたものが天師道のカリキュラムの中に的確に位置づけられ,すべての道士が天師道に属していることを実証する.文献を踏まえつつも従来見過ごされてきた法律や勅令など歴史史料をも活用して,曖昧な理解を許してきた道教に対する真の姿を明確に示した世界的な業績である.
本書は唐代以降の道教について再考を迫るとともに,文学,思想,歴史をはじめ日本など周辺文化への影響を考察する上でも新たな知見を提供する必読文献となろう.
著者はその定説を根本から批判,唐代に行われていた道教は唯一「天師道」だけであることを明らかにする.
唐代の道教教団の位階制度と国から与えられる給田との実態を分析して,道教が仏教に匹敵する規律ある教団組織をもっており,さらに道士の法位と受法のカリキュラムとの対応関係から,今まで各教派の経典とされてきたものが天師道のカリキュラムの中に的確に位置づけられ,すべての道士が天師道に属していることを実証する.文献を踏まえつつも従来見過ごされてきた法律や勅令など歴史史料をも活用して,曖昧な理解を許してきた道教に対する真の姿を明確に示した世界的な業績である.
本書は唐代以降の道教について再考を迫るとともに,文学,思想,歴史をはじめ日本など周辺文化への影響を考察する上でも新たな知見を提供する必読文献となろう.