ホーム > 草創期の敦煌学
内容説明
西暦1900年,偶然にも敦煌莫高窟の蔵経洞から大量の写本や図書が出現してからすでに一世紀が過ぎた。
敦煌学は近代中国の傑出した学者である羅振玉・王国維が辛亥革命の混乱を避けて京都に移住し,そこで創立まもない京都大学で新たな東洋学・中国学の建設に腐心していた狩野直喜や内藤湖南らと協力しつつ本格的に展開する。多くの文物がスタインやペリオらによってイギリスやフランスに流出したなかで,日中の学者たちの真摯な協同による麗しい提携が原動力となり,その波動はヨーロッパにもおよんで国際的な敦煌学として形成されていった。
本書は羅・王両先生の東渡90周年を記念して,日中両国の研究者が一同に会して開催されたワークショップの成果である。敦煌学形成期の苦難やエピソードをはじめ,敦煌文献が仏教関係の資料のみならず歴史,地理,法制,経済,文学,言語など多方面にわたるとともにチベット語やコータン語など西域の民族語で書かれたものなど,中国および西域の歴史と文化を考察するうえで貴重な資料であることを明らかにして,敦煌学の今日的意義と今後の方向性を示唆する。
敦煌学は近代中国の傑出した学者である羅振玉・王国維が辛亥革命の混乱を避けて京都に移住し,そこで創立まもない京都大学で新たな東洋学・中国学の建設に腐心していた狩野直喜や内藤湖南らと協力しつつ本格的に展開する。多くの文物がスタインやペリオらによってイギリスやフランスに流出したなかで,日中の学者たちの真摯な協同による麗しい提携が原動力となり,その波動はヨーロッパにもおよんで国際的な敦煌学として形成されていった。
本書は羅・王両先生の東渡90周年を記念して,日中両国の研究者が一同に会して開催されたワークショップの成果である。敦煌学形成期の苦難やエピソードをはじめ,敦煌文献が仏教関係の資料のみならず歴史,地理,法制,経済,文学,言語など多方面にわたるとともにチベット語やコータン語など西域の民族語で書かれたものなど,中国および西域の歴史と文化を考察するうえで貴重な資料であることを明らかにして,敦煌学の今日的意義と今後の方向性を示唆する。