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目次
『論語』考索
前言/漢代の『論語』の傳承/前漢期における『論語』/重複章及びその檢討/武内説の概要/津田説の概要/結語
孔子の主君と活躍
前言/哀公と季康子/夾谷の會の記述/三都破壊/結語
儒家學團の分派
前言/有子/有子の周邊――子夏,子游,子張/結語
儒家學團の分派――曾子學派攷
前言/『孟子』に見える曾子/『孟子』『論語』における曾子と〈孝〉/『呂氏春秋』『孝經』『禮記』に見える曾子と〈孝〉/結語
三年之喪攷――『論語』成立時期試探一則
前言/『論語』と『孟子』/三年之喪の實行/『禮記』所見三年之喪/三年之喪の意義づけ/結語
孟子〈仁義〉説成立攷
前言/楊墨批判/墨?學派批判(一) /墨?學派批判(二) /楊朱學派批判/結語
『孟子』所見古史攷
前言/堯舜禪讓説話/舜孝子説話/伊尹仕官説話/結語
郭店楚簡緇衣篇考索
前言/楚簡による今本錯簡の訂正/楚簡と今本との相違/引用『尚書』の檢討/引用『詩』の檢討 /章序の問題/結語
經學前史 (一) ――『左氏傳』所見『詩』『書』攷
前言/『左氏傳』の信憑性/『詩』の使用例について/君子曰での引用/『書』と『左氏傳』/結語
經學前史(二) ――『荀子』『孟子』等所見『詩』『書』攷
前言/『荀子』所引『詩』『書』の一般例/『荀子』所引『詩』『書』の特殊例/『孟子』所引の『詩』『書』の用例/『左氏傳』所引の『詩』『書』の様々な事例/結語
前漢の災異説――その解釋の多様性の考察
前言/元帝初元二年の災異/成帝建始三年の災異/哀帝元壽元年の災異/結語
陰陽配當攷
前言/陰陽配當の理論的基礎/『漢書』五行志にみえる董仲舒の解釋/結語
『漢書』所見〈故事〉攷
前言/〈故事〉の諸相/結語
『漢書』所見〈故事〉攷(續)
前言/公的に認められた規定と推定される〈故事〉/慣例として機能したと思われる〈故事〉/【先例】と思われる〈故事〉/結語
黄老攷
前言/〈黄帝之言〉について/乙本卷前古佚書/結語
前言/漢代の『論語』の傳承/前漢期における『論語』/重複章及びその檢討/武内説の概要/津田説の概要/結語
孔子の主君と活躍
前言/哀公と季康子/夾谷の會の記述/三都破壊/結語
儒家學團の分派
前言/有子/有子の周邊――子夏,子游,子張/結語
儒家學團の分派――曾子學派攷
前言/『孟子』に見える曾子/『孟子』『論語』における曾子と〈孝〉/『呂氏春秋』『孝經』『禮記』に見える曾子と〈孝〉/結語
三年之喪攷――『論語』成立時期試探一則
前言/『論語』と『孟子』/三年之喪の實行/『禮記』所見三年之喪/三年之喪の意義づけ/結語
孟子〈仁義〉説成立攷
前言/楊墨批判/墨?學派批判(一) /墨?學派批判(二) /楊朱學派批判/結語
『孟子』所見古史攷
前言/堯舜禪讓説話/舜孝子説話/伊尹仕官説話/結語
郭店楚簡緇衣篇考索
前言/楚簡による今本錯簡の訂正/楚簡と今本との相違/引用『尚書』の檢討/引用『詩』の檢討 /章序の問題/結語
經學前史 (一) ――『左氏傳』所見『詩』『書』攷
前言/『左氏傳』の信憑性/『詩』の使用例について/君子曰での引用/『書』と『左氏傳』/結語
經學前史(二) ――『荀子』『孟子』等所見『詩』『書』攷
前言/『荀子』所引『詩』『書』の一般例/『荀子』所引『詩』『書』の特殊例/『孟子』所引の『詩』『書』の用例/『左氏傳』所引の『詩』『書』の様々な事例/結語
前漢の災異説――その解釋の多様性の考察
前言/元帝初元二年の災異/成帝建始三年の災異/哀帝元壽元年の災異/結語
陰陽配當攷
前言/陰陽配當の理論的基礎/『漢書』五行志にみえる董仲舒の解釋/結語
『漢書』所見〈故事〉攷
前言/〈故事〉の諸相/結語
『漢書』所見〈故事〉攷(續)
前言/公的に認められた規定と推定される〈故事〉/慣例として機能したと思われる〈故事〉/【先例】と思われる〈故事〉/結語
黄老攷
前言/〈黄帝之言〉について/乙本卷前古佚書/結語
内容説明
『論語』の最古の形はいかなるものか。孔子の活動や孔子学団の実態はどのようであったか。それらの考察を通して二千年以上にわたり中国社会の基盤を支えてきた儒学思想の核心に迫る。
『論語』の成立に関して後世の資料や孔子の言葉自身にも信用できないものがあるなど,論語を取り巻く複雑な構造が明かされ,『孟子』については孟子思想の中心にある仁義概念の成立と漢代にかけて古代史が固定される以前の実情や抹殺された古代史について戦国中期の事情を伝える貴重な情報源であることが明らかにされる。
経学前史では左氏伝,孟子,荀子などを通し『詩』『書』が固定される以前の実情を考察,経書のはらむ問題点を指摘する。また天人相関説と陰陽配当論では災異説の実際と陰陽の対応について考察する。
さらに『漢書』に見られる〈故事〉が〈武帝故事〉にはじまり当時の官僚の行動基準に影響を与え,『春秋』とは異なる処罰の基準であることを示す。
多岐にわたる視点から古典文献の成立年代を踏まえ思想形成の実相へと迫る誠実な学的探求は読者に深い知的刺激を与えるに違いない。
『論語』の成立に関して後世の資料や孔子の言葉自身にも信用できないものがあるなど,論語を取り巻く複雑な構造が明かされ,『孟子』については孟子思想の中心にある仁義概念の成立と漢代にかけて古代史が固定される以前の実情や抹殺された古代史について戦国中期の事情を伝える貴重な情報源であることが明らかにされる。
経学前史では左氏伝,孟子,荀子などを通し『詩』『書』が固定される以前の実情を考察,経書のはらむ問題点を指摘する。また天人相関説と陰陽配当論では災異説の実際と陰陽の対応について考察する。
さらに『漢書』に見られる〈故事〉が〈武帝故事〉にはじまり当時の官僚の行動基準に影響を与え,『春秋』とは異なる処罰の基準であることを示す。
多岐にわたる視点から古典文献の成立年代を踏まえ思想形成の実相へと迫る誠実な学的探求は読者に深い知的刺激を与えるに違いない。