ホーム > 伝統中国の歴史人類学

伝統中国の歴史人類学

王権・民衆・心性

伝統中国の歴史人類学
著者 鄭 振鐸
高木 智見
ジャンル 東洋学
出版年月日 2005/06/15
ISBN 9784901654531
判型・ページ数 4-6・310ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

著者の鄭振鐸(1898-1958)は詩歌,戯曲,散文,美術,考古,歴史のどの分野においても,また創作や翻訳においても並はずれた才能を発揮し多産な業績を残しつつ,不慮の飛行機事故で命を落とした.
本書はフレイザーの『金枝篇』に触発され,『詩経』をはじめとする古典作品を新たな視点から読み直すことにより,中国の伝統社会に横たわり近代にまで連綿と続く基層文化の意味を,生き生きと描いた名著である.
また,なぜ古代の王権は雨乞いの祈祷など宗教的機能をはたしたのか,あるいは入り婿になった男たちがどれほど悲惨な生活を強いられ望郷の念に襲われていたか,さらに中国人は名前を呼ばれることを恐れたのか,副葬品に込められた中国人の死後世界のイメージはどのようであったか,などのテーマを多くの古典を渉猟しながら達意の文章で鮮烈に描くことにより,文学革命を実践的に展開した記念碑的な作品群である.
また訳者の本格的な解説は,わが国ではじめて鄭振鐸の業績を紹介するとともに本書の面白さの由来と独自性を簡潔に分析し,学界,読書界にとっても注目すべき著作家であることを明らかにした貴重な論考である.

このページのトップへ