ホーム > 方以智の物理探索
目次
凡例
はじめに
第一章 方以智の生涯
一 桐城方氏
二 少年期
三 南京時代
四 北京時代
五 逃亡生活
六 出家以後
第二章 方以智の著作
一 『通雅』
二 『物理小識』
三 『東西均』
四 『薬地炮荘』
五 その他
第三章 物の探索
一 格物致知
二 物理小識自序
三 一物と費隠
四 通幾と質測
五 西学と『易』
第四章 天の探索
一 イエズス会士の宇宙論
二 望遠鏡
三 太陽の大きさ
四 方以智の光論
補足
第五章 地の探索
一 世界地図
二 反因説
三 水循環論
四 地球生物説
第六章 心の探索
一 こころのありか
二 方氏医学
三 『格致草』の影響
四 『主制群徴』の影響
五 水と火の身体システム
おわりに
付録一 『通雅』又序所引人名及び代表的書物
付録二 物理小識天瑞堂本巻首
付録三 「質測」と「通幾」の研究史
付録四 人身営魄変化
あとがき
参考文献
索引
はじめに
第一章 方以智の生涯
一 桐城方氏
二 少年期
三 南京時代
四 北京時代
五 逃亡生活
六 出家以後
第二章 方以智の著作
一 『通雅』
二 『物理小識』
三 『東西均』
四 『薬地炮荘』
五 その他
第三章 物の探索
一 格物致知
二 物理小識自序
三 一物と費隠
四 通幾と質測
五 西学と『易』
第四章 天の探索
一 イエズス会士の宇宙論
二 望遠鏡
三 太陽の大きさ
四 方以智の光論
補足
第五章 地の探索
一 世界地図
二 反因説
三 水循環論
四 地球生物説
第六章 心の探索
一 こころのありか
二 方氏医学
三 『格致草』の影響
四 『主制群徴』の影響
五 水と火の身体システム
おわりに
付録一 『通雅』又序所引人名及び代表的書物
付録二 物理小識天瑞堂本巻首
付録三 「質測」と「通幾」の研究史
付録四 人身営魄変化
あとがき
参考文献
索引
内容説明
17世紀中国の学者である方以智(1611-71)は,『通雅』『物理小識』の二大著作をはじめ多くの業績を残した。前者は三千項目の字書,後者は一千項目の事典である。
これらの諸著作はわが国の多くの学者にも享受された。三浦梅園や本草学の小野蘭山,幕府の大学頭の林述斎,明治時代には植物学の牧野富太郎,医学史家の富士川游や南方熊楠などにさまざまな影響を与えている。
17世紀のヨーロッパでは,科学革命の展開により,世界観の転換と科学と技術が飛躍的に進展した。そのような背景のなかで宣教活動のために中国に派遣されたマテオ・リッチなど多くのイエズス会士たちが,西洋の最新知識をもたらした。西洋科学の情報は『天学初函』に代表されるように漢文著作を通して紹介された。
方以智はそれらの文献を参考にしつつ,宣教師と面談することで,天文学や地理学,医学などの新知識を吸収した。彼は東洋と西洋の学問を踏まえ,中国古典についての豊かな教養を駆使して,自らの学問を作り上げることに挑んだ。
本書は彼の自然探求の軌跡を,方法論と宇宙論,地球説,そして身心観を中心に考察し,彼の思索を本格的に紹介した貴重な業績である。
東西の科学思想の交流や宣教活動以外の分野でイエズス会士が果たした役割を考えるうえでも,さらには中国における自然探求の歴史的な営みを検討するためにも類書のない基本文献である。
これらの諸著作はわが国の多くの学者にも享受された。三浦梅園や本草学の小野蘭山,幕府の大学頭の林述斎,明治時代には植物学の牧野富太郎,医学史家の富士川游や南方熊楠などにさまざまな影響を与えている。
17世紀のヨーロッパでは,科学革命の展開により,世界観の転換と科学と技術が飛躍的に進展した。そのような背景のなかで宣教活動のために中国に派遣されたマテオ・リッチなど多くのイエズス会士たちが,西洋の最新知識をもたらした。西洋科学の情報は『天学初函』に代表されるように漢文著作を通して紹介された。
方以智はそれらの文献を参考にしつつ,宣教師と面談することで,天文学や地理学,医学などの新知識を吸収した。彼は東洋と西洋の学問を踏まえ,中国古典についての豊かな教養を駆使して,自らの学問を作り上げることに挑んだ。
本書は彼の自然探求の軌跡を,方法論と宇宙論,地球説,そして身心観を中心に考察し,彼の思索を本格的に紹介した貴重な業績である。
東西の科学思想の交流や宣教活動以外の分野でイエズス会士が果たした役割を考えるうえでも,さらには中国における自然探求の歴史的な営みを検討するためにも類書のない基本文献である。