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中東近現代史

中東近現代史
著者 若林 啓史
ジャンル 歴史
出版年月日 2021/06/30
ISBN 9784862853400
判型・ページ数 新書・828ページ
定価 本体5,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

(全828ページ中,口絵8ページ)

凡例
本書刊行に寄せる言葉(板垣雄三)
自序
地図
口絵出典一覧

第Ⅰ部
植民地体制下での中東世界の形成と展開

第1章 中東の与件
 1 定義
 2 地理
 3 民族
 4 言語
 5 宗教

第2章 オスマン帝国とペルシア帝国
 1 両帝国の起源
 2 オスマン帝国の成立と発展
 3 ペルシア諸王朝の興亡
 4 オスマン帝国の近代化と衰亡

第3章 東方問題とナショナリズムの萌芽
 1 東方問題
 2 東方問題の操作
 3 統合理念の模索
 4 国民国家への分割と封入

第4章 サイクス・ピコからサン・レモまで
 1 将来構想
 2 シオニズムとワッハーブ派
 3 秘密外交
 4 国際的決着

第5章 英仏委任統治とその終焉
 1 エジプト・スーダン
 2 マグリブ
 3 歴史的シリア
 4 イラク・アラビア半島

第Ⅱ部
冷戦体制下でのナショナリズムの成長と挑戦

第6章 アラブ・ナショナリズムの高揚
 1 第二次世界大戦前後
 2 第一次中東戦争
 3 エジプト革命とその影響
 4 マグリブ諸国の独立

第7章 トルコ共和国とイラン王国
 1 トルコ共和国の誕生
 2 パフラヴィー朝の成立
 3 トルコ内外政の模索
 4 パフラヴィー朝イラン
 5 対比の視角

第8章 第三次中東戦争
 1 汎アラブ主義の形成と後退
 2 イスラエルとパレスティナ
 3 六日戦争
 4 「ナクサ」の余波

第9章 第四次中東戦争とキャンプ・デイヴィッド合意
 1 アラブ諸国の再建
 2 第四次中東戦争
 3 キャンプ・デイヴィッド合意
 4 レバノン内戦

第10章 イラン革命とイラン・イラク戦争
 1 白色革命
 2 イスラーム革命と権力闘争
 3 イラン・イラク戦争
 4 ハーメネイー時代

第Ⅲ部
中東問題の現代的拡大

第11章 湾岸戦争
 1 クウェイト侵攻への道
 2 湾岸危機
 3 湾岸戦争
 4 停戦後のイラク

第12章 中東和平交渉とその挫折
 1 マドリード会議
 2 オスロ合意
 3 交渉の暗転と停滞
 4 第二次インティファーダ以後

第13章 対テロ戦争の時代
 1 アフガニスタンとカーイダ組織
 2 「不朽の自由」作戦
 3 「イラクの自由」作戦
 4 撤退戦略への転換

第14章 2011年以降の混迷:アラブ世界
 1 北アフリカの政変
 2 シリア「内戦」
 3 「イスラーム国」の跳梁と衰退
 4 アラビア半島諸国の異変

第15章 2011年以降の混迷:非アラブ諸国
 1 トルコの変貌
 2 拡大するイランの影
 3 イスラエルとパレスティナ問題
 4 大国の役割

終章 中東の将来

跋文(樋口陽一)
後記
参考文献
年表
人名索引
事項索引

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内容説明

帝国主義と植民地の時代におけるオスマン帝国の国際関係,20世紀の戦間期におけるイギリスやロシアの南下政策,戦後のアメリカと石油を中心にイスラエルとアラブとの対立。2世紀に及ぶ中東世界の歴史的事実と地域や国家,人びとが激動期にどう生き延びてきたのか,その経緯を実証的,歴史的に考察する。
中東の歴史は,多くの言語文化,イスラーム諸宗派の対立,政治権力の確執,そしてナショナリズムや多数の武装集団の抗争など問題が重層的に渦巻き,さらにその背景で西洋列強の進出と支配,戦後はアメリカとイスラエル勢力の介入により混迷の度を深めてきた。
著者は外交官として中東諸国の現場で経験を蓄積し,現地目線で問題の実態を客観的に観察してきた。公務の傍らオックスフォード大留学を機に中東の歴史研究に親しみ二冊の学術書を公にした。東北大学出向の折に中東近現代史の授業を持ち,それが本書に結実する。
歴史的視点と錯綜する現実への冷静な分析で全体像を描き出し,中東の未来への提言をも示す。巨視的かつ具体的な実態把握,膨大な文献群の活用,事実に即した客観的叙述は他に類を見ない中東理解への新たな扉となり,日本の近代化や列強諸国との関係,現代の外交政策を振り返る契機ともなろう。研究者や中東で経済・社会活動をする実践家にとっては座右の書となる。

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