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内容説明
「キリスト教とイスラームという二つの宗教にのしかかる歴史的負い目の回想には,何世紀にもわたる悲劇についての慰められることのない悲しみが混じっている」
二つの宗教は多くの親近性にもかかわらず,文化的・思想的・軍事的対決の織りなす不幸な歴史を生きている。
本書はラテン中世から現代に至る著作家のテキスト群を取り上げ,この不幸な歴史を思想的側面から分析した,初めての本格的業績である。
十字軍とレコンキスタ,初のラテン語訳コーランの意義,フランシスコ会やドミニコ会の対応,クザーヌスやルターのコーラン理解と批判,啓蒙期のレッシングから植民地主義と宣教,そして現代の新しいイスラーム研究について,神学とイスラーム学をともに修めた著者が,誠実で公平な視点から見事にその全体像を明らかにする。
これらの考察から著者は両宗教が互いに罪をなすりつけ合うのではなく,「人は罪を犯している」という洞察に立つことこそが,未来を切り開く唯一の希望であるというメッセージを,9.11以降を生きる現代へ投げかける。
二つの宗教は多くの親近性にもかかわらず,文化的・思想的・軍事的対決の織りなす不幸な歴史を生きている。
本書はラテン中世から現代に至る著作家のテキスト群を取り上げ,この不幸な歴史を思想的側面から分析した,初めての本格的業績である。
十字軍とレコンキスタ,初のラテン語訳コーランの意義,フランシスコ会やドミニコ会の対応,クザーヌスやルターのコーラン理解と批判,啓蒙期のレッシングから植民地主義と宣教,そして現代の新しいイスラーム研究について,神学とイスラーム学をともに修めた著者が,誠実で公平な視点から見事にその全体像を明らかにする。
これらの考察から著者は両宗教が互いに罪をなすりつけ合うのではなく,「人は罪を犯している」という洞察に立つことこそが,未来を切り開く唯一の希望であるというメッセージを,9.11以降を生きる現代へ投げかける。