ホーム > トマス・アクィナスの信仰論
目次
序言
第一章 信仰
Ⅰ 『ロマ書註解』における信仰の問題
序
105節の検討/106節の検討/107節の検討/108節の検討
結語
Ⅱ 『ヨハネ福音書講解』における恩恵論
序
作出因(efficientia)ないし起源的原因(causa originalis)を表示するde/実体の共通性(consubstantialitas)を表示するde/部分性(partialitas)を表示するde
結語
Ⅲ 『ヨハネ福音書講解』における神の世界内在について
序
世界における神の存在様態/創造の働き/神の世界内在
結語
第二章 摂理
Ⅳ 『ロマ書註解』における神の予定について
序
様々な見解/miserebor cui misereor/自由意志/悪の原因/予定の意味
結語
Ⅴ 『ヨブ記註解』における神の摂理について
序
様々な見解/至福の問題/神に依り頼む/神の知恵/神の義/魂の不滅/将来の生
結語
Ⅵ 『ヨブ記註解』における義人の生について
序
正しい生き方/義人の希望/義人の平和/神の知恵の発散と義人の生/最大の罪
結語
第三章 救済
Ⅶ 『ヨハネ福音書講解』における神への愛
序
至福と神認識/世界への愛から離れ自己に還る/Zelus Dei/私は衰えなければならない/生命の泉/神への愛と受肉
結語
Ⅷ 『ヨハネ福音書講解』における救済論
序
救済の方法/聞くこと(audire)と学ぶこと(discere)/真理は神に由来する/光としての神/Intrinsecum
結語
第四章 礼拝
Ⅸ 『ヨハネ福音書講解』における神の礼拝について
序
祈り/愛/平和/至福/宣教/キリストの勝利/神の慈悲/
結語
おわりに
後記/文献表/索引
第一章 信仰
Ⅰ 『ロマ書註解』における信仰の問題
序
105節の検討/106節の検討/107節の検討/108節の検討
結語
Ⅱ 『ヨハネ福音書講解』における恩恵論
序
作出因(efficientia)ないし起源的原因(causa originalis)を表示するde/実体の共通性(consubstantialitas)を表示するde/部分性(partialitas)を表示するde
結語
Ⅲ 『ヨハネ福音書講解』における神の世界内在について
序
世界における神の存在様態/創造の働き/神の世界内在
結語
第二章 摂理
Ⅳ 『ロマ書註解』における神の予定について
序
様々な見解/miserebor cui misereor/自由意志/悪の原因/予定の意味
結語
Ⅴ 『ヨブ記註解』における神の摂理について
序
様々な見解/至福の問題/神に依り頼む/神の知恵/神の義/魂の不滅/将来の生
結語
Ⅵ 『ヨブ記註解』における義人の生について
序
正しい生き方/義人の希望/義人の平和/神の知恵の発散と義人の生/最大の罪
結語
第三章 救済
Ⅶ 『ヨハネ福音書講解』における神への愛
序
至福と神認識/世界への愛から離れ自己に還る/Zelus Dei/私は衰えなければならない/生命の泉/神への愛と受肉
結語
Ⅷ 『ヨハネ福音書講解』における救済論
序
救済の方法/聞くこと(audire)と学ぶこと(discere)/真理は神に由来する/光としての神/Intrinsecum
結語
第四章 礼拝
Ⅸ 『ヨハネ福音書講解』における神の礼拝について
序
祈り/愛/平和/至福/宣教/キリストの勝利/神の慈悲/
結語
おわりに
後記/文献表/索引
内容説明
これまでトマス研究は『神学大全』や『対異教徒大全』など著作中心であったが,本書はトマスの全著作の6分の1を占める聖書註解により彼の信仰論を考察する。
代表的な註解である『ヨブ記註解』『ロマ書註解』『ヨハネ福音書講解』により主題化されている中心的な思想を考察する。それらの傍証としてトマスの批判的観察力とギリシア教父に関する膨大な知識を示す『カテナ・アウレア』を活用するが,これは四福音書に関する連続的註解であり,22人のラテン教父と57人のギリシア教父の教説が集成され,トマスの説教や神学全体に多大な影響を与えるとともに,カトリックの教義形成にも重要な役割を担い,広く伝播したものである。
著者は第1章で〈信仰〉を検討し,信仰論,恩恵論,神の世界内在を論じる。第2章の〈摂理〉では,予定,摂理,義人の生が考察され,第3章で〈救済〉が扱われて神への愛と認識が主題化される。第4章の〈礼拝〉では,キリスト教的世界観および人間観が総括される。
註解と同時期に執筆された『神学大全』の当該箇所を検討することにより,体系的著作と聖書註解がトマスの全思想と方法を見出すうえで相互補完的であることを明らかにし,トマス研究の方向性を示す画期作である。
代表的な註解である『ヨブ記註解』『ロマ書註解』『ヨハネ福音書講解』により主題化されている中心的な思想を考察する。それらの傍証としてトマスの批判的観察力とギリシア教父に関する膨大な知識を示す『カテナ・アウレア』を活用するが,これは四福音書に関する連続的註解であり,22人のラテン教父と57人のギリシア教父の教説が集成され,トマスの説教や神学全体に多大な影響を与えるとともに,カトリックの教義形成にも重要な役割を担い,広く伝播したものである。
著者は第1章で〈信仰〉を検討し,信仰論,恩恵論,神の世界内在を論じる。第2章の〈摂理〉では,予定,摂理,義人の生が考察され,第3章で〈救済〉が扱われて神への愛と認識が主題化される。第4章の〈礼拝〉では,キリスト教的世界観および人間観が総括される。
註解と同時期に執筆された『神学大全』の当該箇所を検討することにより,体系的著作と聖書註解がトマスの全思想と方法を見出すうえで相互補完的であることを明らかにし,トマス研究の方向性を示す画期作である。