ホーム > 生態系存在論序説
内容説明
現代文明は自然環境を大規模に破壊しながら発展している。この現実をどのように見るべきか,著者は文明以前の人類の進化を射程に収め,次のように明快に語る。
地球上の生命誕生以来,生態系における《食》を媒介とする生命循環の基盤が作られ,生けるものたちの共生の場である地球環境が豊かに育まれてきた。
まず葉緑素の発生を機に植物の進化が生じ,それにより形成された植生体系に応えてパラレルに動物が進化し,動植物の多様な種が共存する生態系が形成された。その中で人間は高度に複雑化した植生体系を管理する役割を担わされてこの世に誕生した。人類はすべての植物の生育環境に役立つ振る舞いを期待されていたが,狩猟採取から農耕生活を始め特定の植物を栽培して他の植物を排除する道を選んだ。その時から土地所有が生じ,市場と都市が形成され,文明と文化が発展して今日の巨大科学文明の出現により地球環境に決定的なダメージを与えた。
存在論的考察と新しい倫理学へと展開する全三作からなる本シリーズは30年に及ぶ環境保護活動と哲学研究の経験を踏まえ,環境問題を根本から問うための世界的にも全く新しい視点を提供する著者のライフワークである。
地球上の生命誕生以来,生態系における《食》を媒介とする生命循環の基盤が作られ,生けるものたちの共生の場である地球環境が豊かに育まれてきた。
まず葉緑素の発生を機に植物の進化が生じ,それにより形成された植生体系に応えてパラレルに動物が進化し,動植物の多様な種が共存する生態系が形成された。その中で人間は高度に複雑化した植生体系を管理する役割を担わされてこの世に誕生した。人類はすべての植物の生育環境に役立つ振る舞いを期待されていたが,狩猟採取から農耕生活を始め特定の植物を栽培して他の植物を排除する道を選んだ。その時から土地所有が生じ,市場と都市が形成され,文明と文化が発展して今日の巨大科学文明の出現により地球環境に決定的なダメージを与えた。
存在論的考察と新しい倫理学へと展開する全三作からなる本シリーズは30年に及ぶ環境保護活動と哲学研究の経験を踏まえ,環境問題を根本から問うための世界的にも全く新しい視点を提供する著者のライフワークである。