ホーム > 生態系存在論の構築
内容説明
前作『生態系存在論序説』では,今なぜ生態系存在論が問題なのか,生命の誕生と進化の歴史から問い,文明の以前と以後における人間と社会のあり方を生物学と経済学の視点で分析することにより解明した。
人類は自然のなかで自らが担うべき役割から逸脱して,自然を道具にし,「食の連鎖」を基盤に形成された生態系の循環を断ち,大規模に地球環境を破壊しつつ絶滅への道を歩みはじめている。
本書ではヨーロッパにおける存在論の歴史を批判的に分析,現代の科学技術を支える文明と文化の根底に潜む問題を摘出する。著者はその克服のために最古の存在論であるパルメニデスとアリストテレスの存在論,さらにはカントの啓蒙哲学を吟味し,それらとの対比によって生命の視点から構築された生態系存在論の意味を明らかにした。これにより自然本来の人間にとって「ある」とは何かという根源的な問いへの答えが示されるとともに,近代世界に大きな影響を与えてきた西洋文明との新たな対話の場が開かれた。
人類は自然のなかで自らが担うべき役割から逸脱して,自然を道具にし,「食の連鎖」を基盤に形成された生態系の循環を断ち,大規模に地球環境を破壊しつつ絶滅への道を歩みはじめている。
本書ではヨーロッパにおける存在論の歴史を批判的に分析,現代の科学技術を支える文明と文化の根底に潜む問題を摘出する。著者はその克服のために最古の存在論であるパルメニデスとアリストテレスの存在論,さらにはカントの啓蒙哲学を吟味し,それらとの対比によって生命の視点から構築された生態系存在論の意味を明らかにした。これにより自然本来の人間にとって「ある」とは何かという根源的な問いへの答えが示されるとともに,近代世界に大きな影響を与えてきた西洋文明との新たな対話の場が開かれた。