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内容説明
著者のライフワークともいうべき三部作の最後を飾る本書をもって,生態系存在論の全体系が完結する。
初巻『生態系存在論序説』では生命の進化のなかで人類の誕生の意義を植生の管理という役割に見いだすとともに,文明の発生が自然の生態系を破壊する端緒となったことを明らかにする。第2作『生態系存在論の構築』ではアリストテレス以来の存在論の歴史を批判的に分析,生命の視点から独自の存在論を構築した。
本書では,真実の「ある」を受け止めた人間にとって,真に善美なものとは何かを根底から問い直す。生態系の善美とは,それぞれ他の種に対し「良い,美しい仕方で関わっている状態」を言う。そのために文明のもつ欺瞞とそれを前提にする道徳の限界を明らかにし,自己を含めた全体との関係から思慮する知恵とそれにもとづく自由な行動に支えられた,正義・節度・勇気・食と哀れみ・愛などの意味を明らかにする。現代文明と環境問題を原理的・根源的に考察することにより,新たな倫理の地平を切り開き,人類の歩むべき方向を示唆する貴重な作品。
初巻『生態系存在論序説』では生命の進化のなかで人類の誕生の意義を植生の管理という役割に見いだすとともに,文明の発生が自然の生態系を破壊する端緒となったことを明らかにする。第2作『生態系存在論の構築』ではアリストテレス以来の存在論の歴史を批判的に分析,生命の視点から独自の存在論を構築した。
本書では,真実の「ある」を受け止めた人間にとって,真に善美なものとは何かを根底から問い直す。生態系の善美とは,それぞれ他の種に対し「良い,美しい仕方で関わっている状態」を言う。そのために文明のもつ欺瞞とそれを前提にする道徳の限界を明らかにし,自己を含めた全体との関係から思慮する知恵とそれにもとづく自由な行動に支えられた,正義・節度・勇気・食と哀れみ・愛などの意味を明らかにする。現代文明と環境問題を原理的・根源的に考察することにより,新たな倫理の地平を切り開き,人類の歩むべき方向を示唆する貴重な作品。