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ドイツ神秘思想の水脈

ドイツ神秘思想の水脈
著者 岡部 雄三
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2011/06/15
ISBN 9784862851093
判型・ページ数 A5・346ページ
定価 本体4,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

Ⅰ ロゴスと神
宗教のことば――ロゴスと宇宙の響き

Ⅱ マイスター・エックハルト(1260-1328年)
表現者としての神と人間――マイスター・エックハルトの神秘思想
西谷啓治における西洋神秘思想研究の特徴について
マイスター・エックハルトと『ドイツ神学』におけるキリスト中心主義的な神化思想
マイスター・エックハルトの歴史的境位

Ⅲ パラケルスス(1493-1541年)
天のしるしと神のことば――パラケルススにおける予言と預言について
自然の黙示録――パラケルススの伝承空間
星の賢者と神の聖者――パラケルススの魔術論

Ⅳ アンゲルス・シレシウス(1624-77年)
魂の神化とヘルメス学――アンゲルス・シレシウス『ケルビムの遍歴者』について
『ケルビムの遍歴者』――アンゲルス・シレシウスの神秘神学詩について

Ⅴ 近代日本とキリスト教
立志と神――富太郎・敬宇・鑑三

Ⅵ 随想
神産石と曼荼羅樹
シュヴァルツェナウの春
神秘家たちの聖なる森ペンシルヴァニア
ヴォルフェンビュッテルにて

おわりに 未知の世界へ

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内容説明

道半ばで逝った著者が,求めてやまなかった「語りえぬもの」とは何か? 本書は故人が長きにわたり紡いできたことばと研究の軌跡を集成した貴重な記録である。
ドイツ神秘思想に連なるエックハルトやパラケルスス,アンゲルス・シレシウス,ベーメ,などを中心にそれぞれの思想がもつ独自の位相を考察し,「語りえぬもの」を語ろうとするさまざまな表現を探究する。
著者によればこの解きがたい謎である「語りえぬもの」こそ,ありとしあるものの実存の芯となるものであり,どんな人にも,どんな物にも与えられている。人が自由に語り,空想に遊び,活き活きと生き創造しうるのも,語りえぬものがあればこそである。
古の賢者たちが語ったように,すべてのものの中心にはいまだ語られざることばが,名付けられざる名が秘められている。このようなことばや名は,ことばとなることを,名づけられることを求めてうめきつづけている。このうめきに応え,秘められたことばや名を闇のなかから明るみに取り上げ体現してゆくこと,これこそが人間の使命であり,文化の創造にほかならない。
神秘思想が宿している可能性はまさにこの「語りえぬもの」を語ろうとする切実な願いにあることを,著者は繊細な考察をとおして明らかにし,読む者を新たな世界に誘ってくれる。

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