ホーム > ミクロ経済分析の基礎

ミクロ経済分析の基礎

ミクロ経済分析の基礎
著者 長名 寛明
ジャンル 経済学
数学
シリーズ 数理経済学叢書
出版年月日 2011/09/15
ISBN 9784862851154
判型・ページ数 菊判・480ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次


第1章 ミクロ経済学のモデル
財と経済主体/生産者の特徴/消費者の特徴/賦存資源/処分技術/経済と私有財産経済/配分の性質/Pareto効率的配分の存在/証明
第2章 生産者
生産者行動の理論的表現としての供給関係/制約付き供給関係:費用関数/供給関係:利潤関数/微分可能変形関数/生産者行動に含まれる生産技術に関する情報/証明
第3章 消費者
消費者行動の理論的表現としての需要関係/Hicks補償需要関係/需要関係とHicks補償需要関係の間の関連/需要法則/微分可能効用関数/支出関数に含まれる選好関係に関する情報/顕示選好理論/需要関係に含まれる選好関係に関する情報/証明
第4章 競争市場
競争均衡/競争配分とPareto効率的配分/競争均衡の存在/比較静学/長期均衡/証明
第5章 公共財
公共財を含む経済モデル/公共財経済の私的財経済による表現/Lindahl均衡/公共財を含む私有財産経済のLindahl均衡/証明
第6章 部分均衡分析の基礎
Hicks合成財定理/準線形選好関係/準正1次同次選好関係/部分均衡分析の基礎/消費者余剰/Pareto効率性と消費者余剰/証明
第7章 将来財と不確実性
将来財と先物市場/不確実性と事象依存財/財請求権証書とArrow-Debreu均衡/Radner均衡/期待効用仮説/不確実な選択対象としての単純確率測度/自然状態の発生確率/証明

付録A 数学付録
集合/関係,二項関係,関数/距離空間/連続性/n次元実線形空間/微分可能関数/古典的極値問題/凹関数と準凹関数

このページのトップへ

内容説明

近年,ミクロ経済学はゲーム理論の急速な発展とともに,分析方法と分析対象の両面にわたって大きな変化に見舞われている。
本書は伝統的な分析手法に基づくミクロ経済学の基本的問題のみを扱い,ゲーム理論および応用分野については他書に譲る。新たな手法や応用が開発されても,伝統的な手法とこの分野の重要性は失われない。それらを十分に理解する意義は今後も変わることはないであろう。
本書で扱うミクロ経済学のモデルは基本的にワルラスにより創始されアローやドブリューによって現代的方法で表現されるようになった一般均衡モデルである。一般均衡分析の観点から部分均衡の基礎についても考察するが,この分野の多くの問題,特に不完全競争の諸問題はゲーム理論による分析が進展しているので扱わない。したがって独占には言及するが,競争市場の一般均衡分析が本書の中心的主題となる。
学部上級から大学院前期博士課程の学生を読者対象にする本書は,ミクロ経済学の多くの問題を紹介するのではなく,限られた内容を相互に整合的な仕方で整理し明確に表現して論理的内容と同時に的確な経済的意味を理解するとともに,様々な主張を正確な論理を用いて証明する能力を養うことが狙いである。この訓練を通して学生は本書に含まれていない多くの問題を容易に理解できるようになり,貴重な能力を涵養する上で,他に類書のない最上のテキストになろう。

このページのトップへ

関連書籍

意思決定理論

意思決定理論

数理経済学叢書10

著者:林 貴志
 
確率解析

確率解析

数理経済学叢書9

著者:楠岡 成雄
 
 
経済現象の調和解析

経済現象の調和解析

数理経済学叢書8

著者:丸山 徹
 
非協力ゲーム理論

非協力ゲーム理論

数理経済学叢書1

 
 
最適化の数理 I

最適化の数理 I

数理経済学叢書3

著者:小宮 英敏
 
 
最適化の数理 II

最適化の数理 II

数理経済学叢書5

著者:岩本 誠一
 
凸解析の基礎
 
 

このページのトップへ