非線型経済動学
差分方程式・分岐・カオス
著者 | ジャン-ミシェール・グランモン 著 斉木 吉隆 訳 |
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ジャンル | 経済学 数学 |
シリーズ | 数理経済学叢書 |
出版年月日 | 2013/04/15 |
ISBN | 9784862851536 |
判型・ページ数 | 菊判・144ページ |
定価 | 本体3,000円+税 |
在庫 | 在庫あり |
目次
第1章 準備
1.1 行列代数
1.2 陰関数定理
第2章 線型差分方程式と非線型差分方程式
2.1 安定性
2.2 変数変換
2.3 線型差分方程式
2.4 双曲型不動点
2.5 不変多様体
第3章 局所分岐
3.1 導入
3.2 サドルノード分岐
3.3 フリップ分岐
3.4 ホップ分岐
3.5 中心多様体縮約
第4章 大域的分岐とカオス
4.1 区間上の写像
4.2 ホモクリニック分岐と馬蹄
4.3 後進ダイナミクスと前進ダイナミクス:逆極限アプローチ
謝辞/編者あとがき/参考文献/訳者による付録
内容説明
J.-M. グランモン教授は現代フランスの理論経済学を代表する学者のひとりであり,わが国の理論経済学界と教授との間には研究上の密接な協力関係が築かれてきた。
著者は,一般均衡理論,貨幣理論,内生的景気変動論などを中心に大きな研究成果をあげ,多方面にわたって多大な影響を与えている。
グランモン教授の研究を貫くテーマは,故J. R. ヒックス卿が『価値と資本』(1939)の中で構築した「予想の方法」に基づく,いわゆる「一時的均衡分析」に,厳密な数学的基礎づけと新しい表現を与え,それに基づいて,経済変数の動学的運動法則を考究しようとするところにある。
本書は「内生的景気変動」理論の代表的成果に数えられる,一時的均衡の径路の動学的研究と,それに周期性が発生するメカニズムの分析に関して分岐の理論など非線形力学系の各種の手法を援用する道を開くとともに,景気の周期的変動や,一層複雑な経済の径路を,金融政策や財政政策によって制御するための数学的分析の可能性を示す。
本書は1987年のスタンフォード大学での講義をはじめ,ロンドン大学,イエール大学,ボン大学や京都大学,神戸大学,慶應義塾大学など多くの大学や研究機関での講義録をもとに刊行される。著者の深い知見に支えられた,非線形力学系理論の要点を簡潔かつ正確に説いた力作として,この方面に関心をもつ経済学徒にとって本書にまさる入門書は,おそらく今後も現われることはないであろう。