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目次
序章 『シンボル形式の哲学』とカッシーラー研究
Ⅰ 『シンボル形式の哲学』と本書の目的
Ⅱ 本書の構成
Ⅲ カッシーラー研究の現在
第1章 現代ドイツにおける言語論の歩み――ヘルダー,フンボルトからカッシーラーへ
はじめに
Ⅰ ヘルダーの言語論
Ⅱ フンボルトの言語論
Ⅲ カッシーラーの言語論
おわりに――ヘルダー,フンボルトからカッシーラーへ
第2章 カッシーラーにおける神話の哲学――シンボルの根源としての神話的思考
はじめに――「シンボル形式の哲学」における神話的思考
Ⅰ 言語と神話の起源――『言語と神話』の考察
Ⅱ 思考および直観形式としての神話
おわりに
第3章 シンボル的直観と再現前化作用――『シンボル形式の哲学』第三巻の考察
はじめに――本章の目的と問題点
Ⅰ シンボルの含蓄と知覚世界の構築
Ⅱ 直観と表出機能
Ⅲ 反省と表出機能
Ⅳ 空間と時間の再現前化作用
おわりに
第4章 シンボル形式としての科学的思考――概念と記号の関係からの考察
はじめに――カッシーラー哲学における科学的思考
Ⅰ 自然的世界概念から科学的思考へ
Ⅱ シンボル形式からみた科学的思考の概念形成
Ⅲ 言語的記号から科学的記号へ――記号の三区分
おわりに
第5章 心身論とシンボル機能――『〈精神〉と〈生命〉』と題する二論文の考察
はじめに――二つの『〈精神〉と〈生命〉』
Ⅰ 第一論文における「精神」と「生命」
Ⅱ 第二論文における「精神」と「生命」
おわりに――ロマン主義の精神と心身の対極性
第6章 新たなる人間の定義――晩年の著書『人間』の考察
はじめに――カッシーラー哲学における『人間』の意義
Ⅰ 現代ヨーロッパ人間学の危機
Ⅱ 「象徴的動物」としての人間――ユクスキュルの環境理論
Ⅲ 情動言語と命題言語の差異
おわりに
終章 『シンボル形式の哲学』の後世への影響
Ⅰ 「シンボル形式の哲学」の結論
Ⅱ S. K. ランガーによるシンボル哲学
付論 カッシーラーの宗教理解――カントを中心とした啓蒙主義理解の考察
はじめに――『啓蒙主義の哲学』の主題
Ⅰ 堕罪の教義とフランス啓蒙主義――パスカル・ヴォルテール・ルソー
Ⅱ カッシーラーによるカントの宗教論理解
おわりに――『宗教論』が与えた積極的な契機と自然的宗教
資料(訳) エルンスト・カッシーラー:フンボルトの言語哲学におけるカント的要素
Ⅰ 『シンボル形式の哲学』と本書の目的
Ⅱ 本書の構成
Ⅲ カッシーラー研究の現在
第1章 現代ドイツにおける言語論の歩み――ヘルダー,フンボルトからカッシーラーへ
はじめに
Ⅰ ヘルダーの言語論
Ⅱ フンボルトの言語論
Ⅲ カッシーラーの言語論
おわりに――ヘルダー,フンボルトからカッシーラーへ
第2章 カッシーラーにおける神話の哲学――シンボルの根源としての神話的思考
はじめに――「シンボル形式の哲学」における神話的思考
Ⅰ 言語と神話の起源――『言語と神話』の考察
Ⅱ 思考および直観形式としての神話
おわりに
第3章 シンボル的直観と再現前化作用――『シンボル形式の哲学』第三巻の考察
はじめに――本章の目的と問題点
Ⅰ シンボルの含蓄と知覚世界の構築
Ⅱ 直観と表出機能
Ⅲ 反省と表出機能
Ⅳ 空間と時間の再現前化作用
おわりに
第4章 シンボル形式としての科学的思考――概念と記号の関係からの考察
はじめに――カッシーラー哲学における科学的思考
Ⅰ 自然的世界概念から科学的思考へ
Ⅱ シンボル形式からみた科学的思考の概念形成
Ⅲ 言語的記号から科学的記号へ――記号の三区分
おわりに
第5章 心身論とシンボル機能――『〈精神〉と〈生命〉』と題する二論文の考察
はじめに――二つの『〈精神〉と〈生命〉』
Ⅰ 第一論文における「精神」と「生命」
Ⅱ 第二論文における「精神」と「生命」
おわりに――ロマン主義の精神と心身の対極性
第6章 新たなる人間の定義――晩年の著書『人間』の考察
はじめに――カッシーラー哲学における『人間』の意義
Ⅰ 現代ヨーロッパ人間学の危機
Ⅱ 「象徴的動物」としての人間――ユクスキュルの環境理論
Ⅲ 情動言語と命題言語の差異
おわりに
終章 『シンボル形式の哲学』の後世への影響
Ⅰ 「シンボル形式の哲学」の結論
Ⅱ S. K. ランガーによるシンボル哲学
付論 カッシーラーの宗教理解――カントを中心とした啓蒙主義理解の考察
はじめに――『啓蒙主義の哲学』の主題
Ⅰ 堕罪の教義とフランス啓蒙主義――パスカル・ヴォルテール・ルソー
Ⅱ カッシーラーによるカントの宗教論理解
おわりに――『宗教論』が与えた積極的な契機と自然的宗教
資料(訳) エルンスト・カッシーラー:フンボルトの言語哲学におけるカント的要素
内容説明
エルンスト・カッシーラー(1874-1945)は,既成の文化形式を破壊し,新たな文化を創造しようというワイマール文化の中で育った。カントの「理性批判」を「文化批判」へと発展させ,〈象徴的人間〉として完成する〈シンボル形式の哲学〉という独自の文化哲学を展開した。シンボル形式とは知覚した感覚印象をシンボルへと構成する精神的な力であるが,それは外界の認識手段としてのみならず,文化を生み出す精神の現象全体を意味する。
彼の主著『シンボル形式の哲学』は「言語」「神話的思考」「認識の現象学」の三つの主題によって構成される。
著者は関連する文献をも駆使して本書を読解することにより,その全体像を初めて本格的に解明する。
まず「言語」ではヘルダーやフンボルトの言語論の影響を通して,シンボルとしての言語がいかに文化的生活を可能にする根源的な力であるかを明らかにする。
「神話的思考」については,シンボル哲学全体を基礎づける自然的シンボル機能を検討し,言語と神話の起源を考察することによりシンボル形式の原始状態としての「神話的思考」の特質を考察する。
「認識の現象学」では,人間文化の最高にして最も特徴的な成果である科学および科学的思考を,それとは対照的な神話的思考と比較しつつ,シンボル形式との関連を追究することにより,新たな認識の道を切り開く。
カッシーラーの議論は多彩な分野の理論を活用し,その主題が枝や葉に覆われ見えづらくなるが,著者はそれらを適切に剪定し,簡潔な理解を可能にした。
彼の主著『シンボル形式の哲学』は「言語」「神話的思考」「認識の現象学」の三つの主題によって構成される。
著者は関連する文献をも駆使して本書を読解することにより,その全体像を初めて本格的に解明する。
まず「言語」ではヘルダーやフンボルトの言語論の影響を通して,シンボルとしての言語がいかに文化的生活を可能にする根源的な力であるかを明らかにする。
「神話的思考」については,シンボル哲学全体を基礎づける自然的シンボル機能を検討し,言語と神話の起源を考察することによりシンボル形式の原始状態としての「神話的思考」の特質を考察する。
「認識の現象学」では,人間文化の最高にして最も特徴的な成果である科学および科学的思考を,それとは対照的な神話的思考と比較しつつ,シンボル形式との関連を追究することにより,新たな認識の道を切り開く。
カッシーラーの議論は多彩な分野の理論を活用し,その主題が枝や葉に覆われ見えづらくなるが,著者はそれらを適切に剪定し,簡潔な理解を可能にした。