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目次
序論 フランツ・ローゼンツヴァイク研究の意義と課題
ローゼンツヴァイク研究の思想史的意義/ローゼンツヴァイク研究における三つのコンテクスト/研究史概観および本書の課題/研究方法および本書の構成
第Ⅰ部 古い思考から新しい思考へ――『救済の星』への道
第1章 若きローゼンツヴァイクと信仰の問題――ヘーゲル,キリスト教,ユダヤ教
はじめに/ローゼンツヴァイクの学生時代/キリスト教とユダヤ教のあいだで/啓示の発見/すれちがいの師弟関係――マイネッケとの埋まらない溝/おわりに
第2章 新しい思考の出発点――ローゼンツヴァイクの思想における基礎構造
はじめに/本質への問いと経験する哲学/時間のなかでの《と》の経験/存在の暴力と人間の死/もっとも極端な主観性から無限の客観性へ/おわりに
第Ⅱ部 孤立と関係――『救済の星』第一部,第二部を中心に
第3章 永続的なものの探求――神,世界,人間
はじめに/無の起点から,そしてメタの次元から/全体性の破片/現実的な運動のなかへ/おわりに
第4章 時間性を開示させる三つの出来事――創造,啓示,救済
はじめに/創造における神と世界――過去と物語/啓示における神と人間――現在と対話/救済における人間と世界――未来と合唱/哲学体系としての形象/おわりに
第Ⅲ部 神と二つの永遠なる形象――『救済の星』第三部を中心に
第5章 永遠性が到来する共同体――ユダヤ教とキリスト教
はじめに/祈りと時間/「永遠の生命」としてのユダヤ教/「永遠の道」としてのキリスト教/現実性の世界から永遠なる超世界へ/おわりに
第6章 時間と永遠の相の下で――ローゼンツヴァイクにおける神と真理の問題
はじめに/ポスト形而上学の時代のなかで/神と時間/第3節 神と真理/おわりに
終章 生のなかへ
理性の限界と永遠性への跳躍/時間,世界史,反歴史主義
ローゼンツヴァイク研究の思想史的意義/ローゼンツヴァイク研究における三つのコンテクスト/研究史概観および本書の課題/研究方法および本書の構成
第Ⅰ部 古い思考から新しい思考へ――『救済の星』への道
第1章 若きローゼンツヴァイクと信仰の問題――ヘーゲル,キリスト教,ユダヤ教
はじめに/ローゼンツヴァイクの学生時代/キリスト教とユダヤ教のあいだで/啓示の発見/すれちがいの師弟関係――マイネッケとの埋まらない溝/おわりに
第2章 新しい思考の出発点――ローゼンツヴァイクの思想における基礎構造
はじめに/本質への問いと経験する哲学/時間のなかでの《と》の経験/存在の暴力と人間の死/もっとも極端な主観性から無限の客観性へ/おわりに
第Ⅱ部 孤立と関係――『救済の星』第一部,第二部を中心に
第3章 永続的なものの探求――神,世界,人間
はじめに/無の起点から,そしてメタの次元から/全体性の破片/現実的な運動のなかへ/おわりに
第4章 時間性を開示させる三つの出来事――創造,啓示,救済
はじめに/創造における神と世界――過去と物語/啓示における神と人間――現在と対話/救済における人間と世界――未来と合唱/哲学体系としての形象/おわりに
第Ⅲ部 神と二つの永遠なる形象――『救済の星』第三部を中心に
第5章 永遠性が到来する共同体――ユダヤ教とキリスト教
はじめに/祈りと時間/「永遠の生命」としてのユダヤ教/「永遠の道」としてのキリスト教/現実性の世界から永遠なる超世界へ/おわりに
第6章 時間と永遠の相の下で――ローゼンツヴァイクにおける神と真理の問題
はじめに/ポスト形而上学の時代のなかで/神と時間/第3節 神と真理/おわりに
終章 生のなかへ
理性の限界と永遠性への跳躍/時間,世界史,反歴史主義
内容説明
ローゼンツヴァイク(1886-1929)は主著『救済の星』を残し志半ばにして逝ったが,レヴィナスやレオ・シュトラウスをはじめハイデガー,ブーバー,ベンヤミンなどに多大な影響を与えてきた。しかしわが国では彼についての本格的な研究がなく,本書はその全体像を初めて紹介する画期的な業績である。
彼はマイネッケのもとでヘーゲルの歴史観を研究したあと哲学に転じ,観念論的な哲学〈古い思考〉を徹底的に批判し,被造物的理性という新しい理性概念を提示することにより,時間のうちに永遠性,そして神へとつながる通路を見出し,ユダヤ教の立場に踏み止まりながら〈新しい思考〉哲学と神学の架橋を試みた。
著者は〈時と永遠〉の問題を主著に即して考察する。ローゼンツヴァイクが神・世界・人間という基礎概念を関係づけるために導入した創造・啓示・救済の神学的カテゴリーが,過去・現在・未来という時間性に対応し,そこに近代の直線的な時間を脱形式化した彼固有の時間意識があることを示す。さらにユダヤ教とキリスト教が同じ真理を探究しているとして,そこから彼の根本思想である真理論と神論が生成と存在,時間と永遠性の相の下で展開されていることを解明する。現代思想やユダヤ思想研究者にとっての必読文献。
彼はマイネッケのもとでヘーゲルの歴史観を研究したあと哲学に転じ,観念論的な哲学〈古い思考〉を徹底的に批判し,被造物的理性という新しい理性概念を提示することにより,時間のうちに永遠性,そして神へとつながる通路を見出し,ユダヤ教の立場に踏み止まりながら〈新しい思考〉哲学と神学の架橋を試みた。
著者は〈時と永遠〉の問題を主著に即して考察する。ローゼンツヴァイクが神・世界・人間という基礎概念を関係づけるために導入した創造・啓示・救済の神学的カテゴリーが,過去・現在・未来という時間性に対応し,そこに近代の直線的な時間を脱形式化した彼固有の時間意識があることを示す。さらにユダヤ教とキリスト教が同じ真理を探究しているとして,そこから彼の根本思想である真理論と神論が生成と存在,時間と永遠性の相の下で展開されていることを解明する。現代思想やユダヤ思想研究者にとっての必読文献。