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内容説明
長年にわたるヨーロッパでの生活経験をとおして,言葉や日常の細々した生活習慣に馴染んでいくなかで,必ず直面するあの違和感は何に由来するのか?
著者はその答えが,異なる文化圏のなかで個々の生活世界をとおして形成される,身体と意識のあり方としての身体性に関わることに着目する。
現象学は個別具体的でその歴史を体現している身体を基盤に,他の人の心や痛みにどこまで近づけるかを他者論により展開してきた。
本書は後期のフッサール哲学における受動的綜合と発生的現象学の視点から,人間の意識が幼児期から周囲世界のなかで,身体を通じて形成される広大な無意識の層に支えられ成立してくることを明らかにする。さらに心身関係について独自の貢献をしてきた,武道の修練や仏教の唯識思想に見られる意識と無意識の捉え方と,現象学との対応関係を考察することにより,文化を支える人間の根底に潜む真実と東西文化の核心を解明した画期的な業績である。
世界がひとつの渦に巻き込まれようとする時代に,異文化間の接触を考えるための必読文献となろう。
著者はその答えが,異なる文化圏のなかで個々の生活世界をとおして形成される,身体と意識のあり方としての身体性に関わることに着目する。
現象学は個別具体的でその歴史を体現している身体を基盤に,他の人の心や痛みにどこまで近づけるかを他者論により展開してきた。
本書は後期のフッサール哲学における受動的綜合と発生的現象学の視点から,人間の意識が幼児期から周囲世界のなかで,身体を通じて形成される広大な無意識の層に支えられ成立してくることを明らかにする。さらに心身関係について独自の貢献をしてきた,武道の修練や仏教の唯識思想に見られる意識と無意識の捉え方と,現象学との対応関係を考察することにより,文化を支える人間の根底に潜む真実と東西文化の核心を解明した画期的な業績である。
世界がひとつの渦に巻き込まれようとする時代に,異文化間の接触を考えるための必読文献となろう。