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内容説明
キリスト教とは何か,イエスとは誰か,神とは何か・・・。これらの問いに応えるには,聖書と宗教儀礼としてのエウカリスチア(ミサ=感謝の祭儀)という,キリスト教理解の両輪ともいえる二つの側面から光を当てる必要がある。聖書は信徒を超えて世界的に受容されてきたが,エウカリスチアについてはキリスト教信仰に生きる人々の宗教儀式ということもあり,一般の人には理解しがたいものであった。
このようにキリスト教の要ともなるエウカリスチアについて,本書はヘブライ語で〈記憶・想起・記念〉を意味するZikkaron(ズィカローン)というキーワードを通して,はじめて本格的な解明を試みる。
エウカリスチアの中心にあるイエスの最後の晩餐の言葉「わが記念として,これを行え」という繰り返し命令(アナムネーシス命令)の意味を掘り下げつつZikkaronの概念を分析し,神中心の問題や人間の責任とは何か,さらにイエスとは誰かについてその意味を考察する。ミサの根源を探求することにより,アウグスティヌス,トマス以来の神学的伝統と現代聖書学との調和の実現を目指す,他に類書のない貴重な業績。
このようにキリスト教の要ともなるエウカリスチアについて,本書はヘブライ語で〈記憶・想起・記念〉を意味するZikkaron(ズィカローン)というキーワードを通して,はじめて本格的な解明を試みる。
エウカリスチアの中心にあるイエスの最後の晩餐の言葉「わが記念として,これを行え」という繰り返し命令(アナムネーシス命令)の意味を掘り下げつつZikkaronの概念を分析し,神中心の問題や人間の責任とは何か,さらにイエスとは誰かについてその意味を考察する。ミサの根源を探求することにより,アウグスティヌス,トマス以来の神学的伝統と現代聖書学との調和の実現を目指す,他に類書のない貴重な業績。