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目次
序 章
予備的考察/シェーラーによる五つの人間の理念
第1章 現存在の基礎的存在構造
現存在/世界内存在/カントの「人間知」/世界/共同存在/投企/被投性/世界観?
第2章 自己本来性の獲得
不安/死/良心/先駆的決意性/自己/時間性/内時間性と今時間
第3章 歴史的世界の人間
Ⅰ
歴史性/世界歴史的なものと世界歴史/ディルタイの「歴史的生」
Ⅱ
被投性と誕生/投企と生の連関/共同存在再び/民族/「芸術作品の根源」から/顧慮の補遺・権威論
Ⅲ
言葉と人間/忘却の問題
第4章 生・生物
Ⅰ
生とハイデガーの動物論
Ⅱ
生物進化と進化論/優生学とハバマス
第5章 自由の諸相
ベルクソン/フロム/アレント/シェリング
第6章 現-存在と哲学
ハイフンの意味/超越と遊び
エピローグ
予備的考察/シェーラーによる五つの人間の理念
第1章 現存在の基礎的存在構造
現存在/世界内存在/カントの「人間知」/世界/共同存在/投企/被投性/世界観?
第2章 自己本来性の獲得
不安/死/良心/先駆的決意性/自己/時間性/内時間性と今時間
第3章 歴史的世界の人間
Ⅰ
歴史性/世界歴史的なものと世界歴史/ディルタイの「歴史的生」
Ⅱ
被投性と誕生/投企と生の連関/共同存在再び/民族/「芸術作品の根源」から/顧慮の補遺・権威論
Ⅲ
言葉と人間/忘却の問題
第4章 生・生物
Ⅰ
生とハイデガーの動物論
Ⅱ
生物進化と進化論/優生学とハバマス
第5章 自由の諸相
ベルクソン/フロム/アレント/シェリング
第6章 現-存在と哲学
ハイフンの意味/超越と遊び
エピローグ
内容説明
人間のあり方を問う一環として,著者は前著『ハイデガーと倫理学』において倫理学の視座からハイデガー哲学に光を当てたが,多くの問題が残された。本書はその課題に応えるために,ハイデガーの哲学から人間論を切り出す試みである。
ハイデガーは人間論を正面から扱うことはしなかったが,彼の長い,弛まぬ思考は常に人間の存在への問いへ帰還した。著者はテクストに添って考察を進めるとともに,実存の立場から独自の経験と知見をまじえて人間論を構想する。
『存在と時間』を拠点に,著者は前期と後期の作品にまで射程を伸ばして考察する。初めに平均的日常性から現存在の存在構造である「世界内存在」を明らかにし人間存在論の基礎を据え,自己本来的自己はいかに獲得されるかを検討する。次に歴史性の意味を見定めた上で「被投性」と「投企」の内容を彫琢し,さらに人間の歴史的世界を越えて生の領域へ踏み込むとともに自由の問題を分析,最後にハイデガー人間論の核心とも言うべき「現-存在」に帰入することにより,ハイデガー人間論の可能性を問う。
ハイデガーは人間論を正面から扱うことはしなかったが,彼の長い,弛まぬ思考は常に人間の存在への問いへ帰還した。著者はテクストに添って考察を進めるとともに,実存の立場から独自の経験と知見をまじえて人間論を構想する。
『存在と時間』を拠点に,著者は前期と後期の作品にまで射程を伸ばして考察する。初めに平均的日常性から現存在の存在構造である「世界内存在」を明らかにし人間存在論の基礎を据え,自己本来的自己はいかに獲得されるかを検討する。次に歴史性の意味を見定めた上で「被投性」と「投企」の内容を彫琢し,さらに人間の歴史的世界を越えて生の領域へ踏み込むとともに自由の問題を分析,最後にハイデガー人間論の核心とも言うべき「現-存在」に帰入することにより,ハイデガー人間論の可能性を問う。