ホーム > 母が子に与うる遺訓の書
目次
訳者まえがき/はじめに/まえがき/序言
第Ⅰ章
神を愛すべきこと/神を探究すべきこと/神の偉大さ/神の崇高さ/さらに神について/道徳的結論/勧告
第Ⅱ章
三位一体について/信,望,愛の実践について/畏敬の念(祈りにおける)/同じ主題について
第Ⅲ章
父親を尊敬すべきこと/再び父親について/太祖たちの模範/主君に対して取るべき態度について/助言を受け入れること/再び助言者について/同じ主題に関する特別な勧告/主君の親族に対して/高位高官に対して/年長者,年少者との協調/司祭に対する尊敬
第Ⅳ章
生活態度を改める方法/同じ主題について/その他の有用な勧告/聖霊の七つの賜物をもって努力すること/悪習を改めるための勧告/悪習に打ち勝つためには,反対のことを行え/心と体の忍耐を保つこと/悪習に打ち勝つためには八つの至福を読み,それを心に刻むべきこと/貧者への援助
第Ⅴ章
種々の苦難について/争いのあとは仲直りすること/種々の誘惑に遭うとき/苦難に遭うとき/迫害に遭うとき/窮乏に陥ったとき/行き詰まりに遭ったとき/病気のとき/すべてにおいて神をほめたたえること
第Ⅵ章
七つの賜物と八つの幸福,諸徳の修得/完全な人として生きること/どのような人でなければならないか/七つの数の計算
第Ⅶ章
きわめて有用な特殊な勧告/第一の誕生において力強いものであれ/第二の誕生については忍耐を勧める/第一と第二の死について/第一の死は避けられない/第二の死を避けるために戦え
第Ⅷ章
熱心な読書と祈りの勧め/過去,現在,未来について/教会のすべての位階にある人々のために祈れ/司教,司祭のために祈れ/王と王国の高位にある人々のために祈れ/主君のために祈れ/父親のために熱心に祈れ/つぎにあげるすべての人々のために祈れ/結論として,「また神の聖なる民全体のために祈れ」/すべてのキリスト教徒の死者のために祈れ/真の善人であった人々の場合/真の善人ではなかった人々の場合/功徳を積まなかった人々の場合/あなたの父親の死んだ親族のために祈れ/亡き領主テオドリクスのために祈れ/すべての死者が平和のうちに憩うように祈れ/あなたのための特別な忠告
第Ⅸ章
数え方について/アダム(Adam)という語の字数とその意味/15の祝福があなたに下り,つねに留まるように/同じ主題について/同じ主題について/同じ主題について
第Ⅹ章
あなたの一生を思って/あなたの名前の綴りをもとに作成された詩文/あなたの公的生活について/私自身について,私は悲嘆に暮れている/死者の名簿/私の墓に刻んでほしい墓碑銘
第XI章
詩編集の分類について/むすび
第Ⅰ章
神を愛すべきこと/神を探究すべきこと/神の偉大さ/神の崇高さ/さらに神について/道徳的結論/勧告
第Ⅱ章
三位一体について/信,望,愛の実践について/畏敬の念(祈りにおける)/同じ主題について
第Ⅲ章
父親を尊敬すべきこと/再び父親について/太祖たちの模範/主君に対して取るべき態度について/助言を受け入れること/再び助言者について/同じ主題に関する特別な勧告/主君の親族に対して/高位高官に対して/年長者,年少者との協調/司祭に対する尊敬
第Ⅳ章
生活態度を改める方法/同じ主題について/その他の有用な勧告/聖霊の七つの賜物をもって努力すること/悪習を改めるための勧告/悪習に打ち勝つためには,反対のことを行え/心と体の忍耐を保つこと/悪習に打ち勝つためには八つの至福を読み,それを心に刻むべきこと/貧者への援助
第Ⅴ章
種々の苦難について/争いのあとは仲直りすること/種々の誘惑に遭うとき/苦難に遭うとき/迫害に遭うとき/窮乏に陥ったとき/行き詰まりに遭ったとき/病気のとき/すべてにおいて神をほめたたえること
第Ⅵ章
七つの賜物と八つの幸福,諸徳の修得/完全な人として生きること/どのような人でなければならないか/七つの数の計算
第Ⅶ章
きわめて有用な特殊な勧告/第一の誕生において力強いものであれ/第二の誕生については忍耐を勧める/第一と第二の死について/第一の死は避けられない/第二の死を避けるために戦え
第Ⅷ章
熱心な読書と祈りの勧め/過去,現在,未来について/教会のすべての位階にある人々のために祈れ/司教,司祭のために祈れ/王と王国の高位にある人々のために祈れ/主君のために祈れ/父親のために熱心に祈れ/つぎにあげるすべての人々のために祈れ/結論として,「また神の聖なる民全体のために祈れ」/すべてのキリスト教徒の死者のために祈れ/真の善人であった人々の場合/真の善人ではなかった人々の場合/功徳を積まなかった人々の場合/あなたの父親の死んだ親族のために祈れ/亡き領主テオドリクスのために祈れ/すべての死者が平和のうちに憩うように祈れ/あなたのための特別な忠告
第Ⅸ章
数え方について/アダム(Adam)という語の字数とその意味/15の祝福があなたに下り,つねに留まるように/同じ主題について/同じ主題について/同じ主題について
第Ⅹ章
あなたの一生を思って/あなたの名前の綴りをもとに作成された詩文/あなたの公的生活について/私自身について,私は悲嘆に暮れている/死者の名簿/私の墓に刻んでほしい墓碑銘
第XI章
詩編集の分類について/むすび
内容説明
本書はカロリング期の在俗の一母親が,宮廷に出仕している息子に,キリスト教徒の従士,貴族として永遠の救いを全うし家系の存続と繁栄を保持するためにどのように生きるべきかを教示した手引書である。
家系に対する自覚と重視は,子どもに対する教育の内容を示すと同時に,当時の有力な貴族の妻が世俗的要素にどれほど高い価値観をもっていたかを示すとともに,彼女自身の教養を映し出す「鑑」ともなっている。
本書は843年に完成したが,その年は「ヴェルダン条約」が成立し,領土分割紛争が一時的に収まった年であった。王家の父子,兄弟間の争いのなかで,貴族たちが命と家系を賭して生き相争う姿を目の当たりにしたドゥオダの不安や心情が,本書を通して垣間見られ,彼女の一家を取り巻く緊張感が伝わってくる。
女性の手になる他に類のない第一級の史料を読みやすい訳文と丁寧な解説を付して提供する,歴史家やジェンダー研究者にとって待望の古典である。
家系に対する自覚と重視は,子どもに対する教育の内容を示すと同時に,当時の有力な貴族の妻が世俗的要素にどれほど高い価値観をもっていたかを示すとともに,彼女自身の教養を映し出す「鑑」ともなっている。
本書は843年に完成したが,その年は「ヴェルダン条約」が成立し,領土分割紛争が一時的に収まった年であった。王家の父子,兄弟間の争いのなかで,貴族たちが命と家系を賭して生き相争う姿を目の当たりにしたドゥオダの不安や心情が,本書を通して垣間見られ,彼女の一家を取り巻く緊張感が伝わってくる。
女性の手になる他に類のない第一級の史料を読みやすい訳文と丁寧な解説を付して提供する,歴史家やジェンダー研究者にとって待望の古典である。