ホーム > 〈大学〉再考
目次
序 問題のありか(別府昭郎)
第1章 起源としての「大学」概念(児玉善仁)
Ⅰ 「大学」という言葉と概念
Ⅱ 日本における「大学」概念受容時の問題
Ⅲ universitas概念の成立と展開
Ⅳ collegiumの概念
Ⅴ facultasの概念
Ⅵ cathedraの概念
Ⅶ 大学概念の起源と変容を問うということ――その脱構築の可能性
第2章 フランスの大学(玉井崇夫)
Ⅰ 序論
Ⅱ ルネサンスと宗教改革
Ⅲ イエズス会とガリカニスム
Ⅳ 大革命前後
Ⅴ ナポレオンの帝国大学制度
Ⅵ むすび
第3章 一九世紀を中心とする「アングロ・サクソン」の大学(立川 明)
Ⅰ 日本と「アングロ・サクソン」の大学
Ⅱ イングランドの大学
Ⅲ アメリカ合衆国の大学
第4章 ドイツ・ベルリンにおける大学と学部概念(別府昭郎)
Ⅰ 問題の設定
Ⅱ ベルリン大学はいかなる位置をしめているか――大学史における時代区分
Ⅲ 大学や学部は当時どう考えられていたか――ベルリン大学の大学・学部概念
Ⅳ 大学と学部との関係
Ⅴ 大学と国家との関係
まとめ
第5章 アンカラ大学言語・歴史-地理学部の創設と国民統合のイデオロギー(永田雄二)
はじめに
Ⅰ オスマン帝国における伝統的教育体系
Ⅱ オスマン帝国の「近代化」と教育の改革
Ⅲ 国民統合のイデオロギー――「トルコ史テーゼ」の提唱
Ⅳ 「公定歴史学」の成立とアンカラ大学言語・歴史-地理学部の設立
おわりに
第6章 日本近代における大学の成立過程とその特色――古代大学寮との比較を通して(吉村日出東)
はじめに
Ⅰ 明治維新期の大学構想
Ⅱ 明治初年の大学構想
Ⅲ 西洋大学についての理解と影響
Ⅳ 日本近代における大学構想の特徴
おわりに
第7章 「学部」と「学位」を見なおす――日本への導入と変貌の歴史から(寺﨑昌男)
はじめに
Ⅰ 「学部」制度
Ⅱ 学位制度
むすび
あとがき(別府昭郎)
大学史に関する年表(神藤佳奈)
第1章 起源としての「大学」概念(児玉善仁)
Ⅰ 「大学」という言葉と概念
Ⅱ 日本における「大学」概念受容時の問題
Ⅲ universitas概念の成立と展開
Ⅳ collegiumの概念
Ⅴ facultasの概念
Ⅵ cathedraの概念
Ⅶ 大学概念の起源と変容を問うということ――その脱構築の可能性
第2章 フランスの大学(玉井崇夫)
Ⅰ 序論
Ⅱ ルネサンスと宗教改革
Ⅲ イエズス会とガリカニスム
Ⅳ 大革命前後
Ⅴ ナポレオンの帝国大学制度
Ⅵ むすび
第3章 一九世紀を中心とする「アングロ・サクソン」の大学(立川 明)
Ⅰ 日本と「アングロ・サクソン」の大学
Ⅱ イングランドの大学
Ⅲ アメリカ合衆国の大学
第4章 ドイツ・ベルリンにおける大学と学部概念(別府昭郎)
Ⅰ 問題の設定
Ⅱ ベルリン大学はいかなる位置をしめているか――大学史における時代区分
Ⅲ 大学や学部は当時どう考えられていたか――ベルリン大学の大学・学部概念
Ⅳ 大学と学部との関係
Ⅴ 大学と国家との関係
まとめ
第5章 アンカラ大学言語・歴史-地理学部の創設と国民統合のイデオロギー(永田雄二)
はじめに
Ⅰ オスマン帝国における伝統的教育体系
Ⅱ オスマン帝国の「近代化」と教育の改革
Ⅲ 国民統合のイデオロギー――「トルコ史テーゼ」の提唱
Ⅳ 「公定歴史学」の成立とアンカラ大学言語・歴史-地理学部の設立
おわりに
第6章 日本近代における大学の成立過程とその特色――古代大学寮との比較を通して(吉村日出東)
はじめに
Ⅰ 明治維新期の大学構想
Ⅱ 明治初年の大学構想
Ⅲ 西洋大学についての理解と影響
Ⅳ 日本近代における大学構想の特徴
おわりに
第7章 「学部」と「学位」を見なおす――日本への導入と変貌の歴史から(寺﨑昌男)
はじめに
Ⅰ 「学部」制度
Ⅱ 学位制度
むすび
あとがき(別府昭郎)
大学史に関する年表(神藤佳奈)
内容説明
大学や学部という考え方はどのように形成され,日本はその制度をいつ導入し定着させたのか。その問いを出発点に,イギリス,フランス,ドイツ,アメリカなどの大学の歴史を分析するとともに,わが国と同様ヨーロッパから大学制度を導入したオスマン帝国の歴史を比較することにより,今日の〈大学〉とは何かを改めて考察したはじめての本格的な実証研究である。
大学はヨーロッパ・キリスト教世界を背景に12世紀から13世紀にかけてボローニャとパリで自然発生的に誕生した。その後,イングランドやスコットランド,アメリカに,そして大陸ではスペイン,ドイツなどに伝播・普及して,16,17世紀にはそれぞれの地域の特徴を備えた「大学」へと変貌していく。国際化と地域化が並行して進むなかで,19世紀には近代科学の発達や国民国家の形成と相俟って,近代市民社会を支える制度的基盤となった。
各国の歴史的,文化的条件により大学の概念やシステム,意味も異なるものになったが,わが国では学部として工学や農学という実学を取り入れ,神学部を置かず,日本独自の講座制度を発達させた。そのような歴史的経緯をへて,今日,新たな国際化と大衆化に直面し,大学のあり方が根本から問われている。本書は多くの知見と示唆に富み,大学関係者必読の一書である。
大学はヨーロッパ・キリスト教世界を背景に12世紀から13世紀にかけてボローニャとパリで自然発生的に誕生した。その後,イングランドやスコットランド,アメリカに,そして大陸ではスペイン,ドイツなどに伝播・普及して,16,17世紀にはそれぞれの地域の特徴を備えた「大学」へと変貌していく。国際化と地域化が並行して進むなかで,19世紀には近代科学の発達や国民国家の形成と相俟って,近代市民社会を支える制度的基盤となった。
各国の歴史的,文化的条件により大学の概念やシステム,意味も異なるものになったが,わが国では学部として工学や農学という実学を取り入れ,神学部を置かず,日本独自の講座制度を発達させた。そのような歴史的経緯をへて,今日,新たな国際化と大衆化に直面し,大学のあり方が根本から問われている。本書は多くの知見と示唆に富み,大学関係者必読の一書である。